外資系金融機関からフィンテックベンチャーに転身するためにはどうすればいいか?

フィンテックベンチャーといっても、どの業態を狙うか?

安倍政権下、安定的な好況が持続し、なんやかんや言っても日経平均株価も2万円台は維持している。失業率も最低水準だし、人材エージェントも儲かっているようだ。

とはいえ、リーマンショック以降の自己投資規制により、未だに投資銀行業界には元気がない。特に欧州系は厳しく、傘下の投資銀行部門が足を引っ張り続けている。UBS、ドイツ銀行バークレイズ、クレディスイス、パリバあたりの欧州系の投資銀行のエリート達の中にも、たとえ一時的な年収が下がっても、フィンテックベンチャーに転身してキャリアチェンジをしたいというニーズはあるようだ。

とはいえ、フィンテックベンチャーにはどうやって転職すればいいかわからない

ところが、外資系金融機関の者が最初につまずくのは、そのフィンテックベンチャーにどうやって転職すればいいかわからないことだ。

同じ外資系金融機関への転職は、既に付き合いのある転職エージェントにあたり、空きポジションを確認し、行けそうなところに申し込み、書面を通過すれば後は面接プロセスという流れとなる。

しかし、フィンテックベンチャーの場合は、付き合いのある外資系金融専門の転職エージェントは全くノウハウがない。

フィンテックベンチャーはフィーの発生する転職エージェントの使用を回避したり、既存の従業員からのツテとかに頼ったりしているところもあり、転職エージェントが情報を持っていないことも多い。また、フィンテックベンチャーはせいぜいキャッシュベースの最大値が1000万円程度なので、転職エージェントとしても妙味が無く、開拓しようというモチベーションに欠ける。

とりあえず、ベンチャーに強い転職エージェントに登録するしかない。

外資系金融機関のように、転職エージェントが持っている情報はまだまだ少ないが、とりあえず大手には登録すべきだろう。例えば、以下のようなエージェントには少なくとも登録したい。

〇GREEN

〇Goodfind

〇プロコミット

〇アマテラス

〇キープレイヤーズ

また、ベンチャー特化ではないが、リクルートは結構ポジションを持っていたりする。自分もフィンテックベンチャー企業を紹介され、書面通過し、面接まで行ったケースがある。

ビズリーチも広くエージェントをカバーしているので登録していた方がいいだろう。

意外に結構使えるWantedly

実は私は、Wantedlyというと、20代の若手の管理職未満の小さいポジション専用かと思って期待していなかった。ところが、結構このWantedly経由でシニアポジションが紹介してもらえた。自分の場合、フィンテックベンチャーの相応のポジションを応募し、3社と面談することができた。他に、フィンテックベンチャー以外でも何社か面談に至ることができた。

Wantedlyの場合、一旦情報を入力しておくと、あとは興味があるポジションにボタンを押すだけで応募できるし、人材エージェントを経由しないで直接採用担当者に行くので、レスポンスも早いことが多い。

外資系金融の転職では全く使わないWantedlyであるが、フィンテックベンチャーを考える際には使い倒すべきだ。

属人的なコネクションは当然重要。

フィンテックベンチャーのポジションは、人材エージェントやWantedlyだけではまだまだ不十分である。いい人がいたら欲しいという潜在的なニーズがあるからだ。そういう場合には、フィンテックベンチャーの役員とコネクションがあれば話が早い。彼らも常にいい人材を欲している。したがって、例えば、ベンチャーキャピタルのイベントに参加したり、大手のベンチャー自らが企画する会合に参加するのがいいだろう。

例えば、Incubate Fundなどは多くの機会を提供してくれる。

業界が異なると採用ルールが異なるので、慣れるまでは面倒であるが、反対に競争がまだまだ緩いとも言いうる。外資系金融機関からフィンテックベンチャーへ転身を考える場合には、面倒臭がらずに行動することが先決だ。