東大法学部生の就職に関して、年収重視の場合だと、弁護士と外銀のどちらがおすすめか?

 1. 変容していく東大法学部生の価値観?

東大の中でも最難関の法学部は別格と考えられ、就職先も、弁護士・官僚という、

民間企業以外の職業がマジョリティであり、弁護士・官僚>民間企業と

思われていた(今でもそういうところがあるかも知れないが)

 

しかし、何年か前のAERAなどでも特集されてきたが、天下り先が減少し、ステイタスも低下傾向にある官僚の人気が下降気味で、若いうちから数千万円の年収が期待

できる外銀志望者が徐々に増えてきているという。

 

そこで、東大法学部生としては、「年収重視」の価値観を前提とし、

弁護士を目指すのと外銀を目指すのとどちらがおすすめかについて考えてみたい。

(年収重視であるので、官僚は対象外となる。)

2. 弁護士の年収について

弁護士は自由業であるので、当然ピンキリである。

そこで、以下、タイプ毎に分析してみる。

①渉外弁護士(四大法律事務所)の年収について

これは、弁護士の中でヒエラルキーのトップに君臨する、四大法律事務所の

弁護士の世界である。

 

四大法律事務所の場合も、リーマンショックの影響を大きく受けている。

2大収益分野の、金融業務とM&A業務の単価が下がってきたからである。

金融業務の場合は、外資投資銀行のグローバルでの不振により、案件自体も悪化してきている。

このため、リーマンショック前と比べると、全体的に収益性は厳しくなってきているが、それでもまだまだ一般的には高水準の収入が期待できる。

 

法科大学院を出て、1年間の修習を経て、最短だと26歳で四大事務所にアソシエイトとして入所することになる。この時の年収はボーナスも含めて、1200万円程度が相場である。

その後、少しずつ年収は増加し、5~6年後には2000万円程度となる。

 

従来であれば、30代半ば位でほぼ全員パートナーになれたのだが、今は全くそういうわけにはいかない。事務所によって異なるが、パートナーになるまでに10年以上かかるため、パートナーになれないアソシエイトは去っていくこととなる。

アソシエイトの場合だと、2500万円位が上限となってくるので、激務の中、なかなか3000万円の壁は破れない。

事務所によっては、比較的簡単にパートナーになれるところがあるが、年俸は歩合制なので、パートナーになってもアソシエイト以上の年俸が保証されるわけではない。

とはいえ、四大法律事務所のパートナーまで昇格できれば、一般的には4000~5000万円レベルの年収は期待できるだろう。

他方、1億円越えは、今在籍しているエクイティ・パートナーを除くと、容易では無いのは外銀と同様である。

②インハウス弁護士の年収

昔と違って、四大事務所に行った場合に、全員パートナーになれるわけではない。

このため、途中でインハウス弁護士として各種企業に転身している弁護士は増えてきている。

その中で頂点なのは、外銀でのインハウスローヤーである。

こちらもリーマンショックの影響を受け、以前より高給は期待できなくっている。

ゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、UBSといった大手外銀のMDまで昇格できれば、今でも5000万円~1億円は期待できるが、とにかく優良な空きポジションは無く、パイの大きさは縮小傾向にある。

ボリューム層のVPレベルだと、年収は2000万円台であるので、四大事務所のアソシエイトと変わらない(但し、ワークライフバランスは外銀のインハウスが格段に良い)

 

ところが、外銀以外のインハウスとなると、年俸水準は大きく見劣りする。

外資系製薬会社は割と好んでインハウス弁護士を採用するが、部長クラスでも年収1800万円というのはザラであり、四大事務所の入所3年目のアソシエイトと同じか、それ以下になってしまう。

また、総合商社とか国内系金融機関にインハウスとして就職する弁護士もいるが、

年収水準は普通の総合職社員と変わらず、1200万円とか1400万円というレベルである。(そもそも一般社員と同じであれば、弁護士になる必要は無かったということになるが…)

 

では、四大法律事務所を辞めてまでして、何故インハウスになるのかというと、

ワークライフバランスが格段に良いからである。

四大法律事務所のアソシエイトで2500万円もらっても、勤務時間が大げさにいうと、24時間体制、通常は朝の10時から夜中の2時、3時勤務という世界からは抜け出したい人も多いのだ。

 

③街弁として独立する場合

このセグメントは、リーマンショックというより、司法試験制度改革に伴う司法試験合格者数の大幅増によって大きな打撃を受けたところである。

ときどきメディアで取り上げられるような年収300万というのは極端だが、

都心での開業は厳しく、北関東あたりに行った場合だと年収1000万円位はまだ可能のようだ。但し、アップサイドは限られ、年収1500万以上を狙うの厳しくなってくる。

また、地方の生活は合わないので、年収1200万円の北関東での街弁を辞めて、

年収900万円程度のインハウスになった中堅(30代後半)の弁護士もいる。

 

3. 外銀の年収水準について

外銀の年収水準については、専門メディア(外資就活)とかVorkersの該当記事が詳しい。

平均年収3000万円?!外資系投資銀行で働くバンカーの給与|現役I-bankerが語る業界事情(1)

外資系企業ランキング!年収とホワイト度を一覧紹介:外資系でホワイトな企業はあるか!?|就活サイト【ONE CAREER】

 

外銀の場合、企業による差はあるものの、大体新卒1年目のアナリストで800万円~。

入社3年目では確実に1000万円を越え、1ランク上のアソシエイト(26~30歳)だと、

1500~2000万円位だ。

30歳~のVPに昇格できると、2500~3500万円位が期待できる。

そして、最高到達点であるMD(35歳~)に昇格できると、

4000万円~1億円位が期待できる。

(いずれも、トレーディング、セールス、IBD等のフロント部門である)

 

リーマンショック前と比べると、大幅に減っている。

 

4. 弁護士と外銀との比較

両社の共通点は、リーマンショック後に、全体的に大幅に年収水準が下がったことである。

上記を参考に、ポイントをまとめてみると、以下のようになる。

①弁護士で外銀並みの年収が期待できるのは、四大事務所のみ

「年収重視」ということで考えてみると、インハウスや街弁では到底外銀に太刀打ちできない。従って、「年収重視」で弁護士になるのであれば、四大事務所の一択である。

 

四大事務所と外銀の年収は似通っているし、頂点(パートナー、MD)への道のりは険しくリスクも高いという点は共通しているが、同じ頂点で比べて見ると、四大法律事務所のパートナーの方が高いと思われる。

 

それから重要なのが、四大事務所のパートナーまで昇格できれば、そこから先はある程度安泰であるということだ。この点、MDになってもいつクビになるかわからないし、45歳が定年という暗黙の了解がある外銀とは大きく異なる。

従って、長期的、生涯賃金的な視点で見ると、四大事務所のパートナーに軍配だと思われる。

(もちろん、そこまで到達するのは容易ではないが…)

②弁護士になるのは面倒で時間がかかる

それから、両者を同じように比べてきたが、弁護士になるには、2年間の法科大学院、新司法試験(東大法科大学院でも合格率は50%しかない)、1年間の司法修習と、

3年半もの余分な時間とコスト(学費200万円弱)がかかることを考慮しなければならない。

最近では、予備試験というのが人気のようであるが、在学中に合格できるのは東大法学部でもごくごく一部である。

③とりあえずの結論

以上を踏まえると、東大法学部の中でも法律が得意で、予備試験或いは最低でも東大の法科大学院に進学して余裕で新司法試験に合格できる自信があるのであれば、

オーソドックスに弁護士になって四大事務所のパートナーを目指す方が良さそうである。

そのあたりは、大学1~2年の段階で司法試験予備校や過去問を解いた感触でわかるのではないだろうか?反対に、法律科目の単位取得にあたふたしているレベルだと、

わざわざ弁護士の途を目指す必要は無く、外銀ルートを狙った方がいいのではないだろうか?

余談 

リーマンショック前は、弁護士(四大事務所)も外銀も、サクッと大金を

稼げたのだが、急速に厳しくなった。

今一番稼げるのはIT系の起業とかプログラミングではないだろうか?

年収というより、20代で数億円の企業売却をしている事例はいくつもでてきているし、フリーランスのエンジニアが月商1000万円というのも見られる。

東大法学部でも目端の利く生徒は、そちら側の世界を見ている者もいるかも知れない。

弁護士と官僚の凋落で、医学部>法学部が顕著になってきているが、

下手をすると、AIの時代、工学部>法学部になってしまうかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MARCHが早慶を逆転して、コンサル等の人気企業に就職できる戦略を考えてみた

 

はじめに MARCHと早慶の就職に関する格差

東洋経済等の経済誌から、2ちゃんねるレベルまで、日本人は学歴ネタが大好きなので、MARCH VS 早慶に係るネタは多い。

大学受験の際は、僅差で早慶に入学できなかったに過ぎないのだが、

早慶との学歴の差が、就職時においては大きな差になってしまう場合も少なくないようだ。

 

しかし、早慶もMARCHも大規模な大学なので、学生の実力はどこもピンキリだ。

そこで、MARCH生も頑張って戦略的に対応すれば、早慶を逆転して上位企業に入社することも可能なのだ。

そこで、MARCHがどのような戦略を立てて、どういった対応を採ればいいのかについて考えてみたい。

 

1. 精神論:早慶に勝つということは、東大にも勝つ位のつもりで頑張らなければならない

就活というのは、職歴無しで戦うものなので、学歴というのが見えやすい重要なファクターとなる。このため、入り口で、早慶と比べて不利になっているので、相当頑張らなければならないということを自覚する必要がある。

従って、例えば、後述するように英語の学習(TOEICスコア)は面倒でもやらなければいけない。

また、情報収集も、MARCHの内部(学校、友人、OB/OG)だけでなく、トップ校の学生或いは成功している社会人からも収集しようという意欲が必要である。

そして、これが大事なのであるが、ES、志望動機、面接といった対応については、

マニュアルに依拠するのではなく、自分の頭で考えてみるという思考力が必要である。

何も考えずに、サークルの副代表でみんなをまとめた話や、塾のバイトで生徒の成績が上がったような話しか思い浮かばなければ、普通の生徒と同じであり、とても早慶を逆転することは考えづらい。

 

2. まず、ターゲット企業を選定してみよう

 早慶を逆転といっても、ターゲット企業を予め想定する必要がある。

大学別の就職人気ランキングも公表されている。 

最新版!大学別「就職人気企業」ランキング | 就職四季報プラスワン | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

まず、ここで人気ランキングの上位にある、メガバンクや大手食品メーカーを選んではいけない。

もっと、アップサイドが狙える企業を選定したい。

この点、ワンキャリアが集計している、東大・京大生の就職人気企業ランキングが参考になる。

 【6/1速報】東大京大・20卒就職ランキング:足踏みする総合商社、飛躍するコンサル|就活サイト【ONE CAREER】

 

とにかく、MARCHの人気ランキングとは全然異なることがうかがえる。

東大生は、コンサル、外銀、総合商社を目指しているのだ。

 

とはいえ、新卒での就活の場合には、外コン、外銀だと学歴フィルターが最も厳しく、

MARCHでの採用実績がゼロのところはさすがに狙うべきではない。

従って、候補とすべき企業としては以下のものが考えられる。

 

〇総合系コンサル+独立系コンサル

アクセンチュア

・デロイトトーマツコンサルティング

PwCコンサルティング

・KPMGコンサルティング

・ベイカレントコンサルティング

 

〇総合商社(除く上位5社)

双日

豊田通商

 

〇大手広告代理店(除く電博

アサツーDK

東急エージェンシー

 

〇金融機関(リテール職は除く)

・証券会社のコース別採用(野村、大和、日興、みずほ、三菱UFJ)

・大手運用会社(野村、大和、日興、アセットマネジメントONE、三井住友AM他)

 

どうだろうか?

これだと、将来の外銀・外コン(戦略系)への転職も可能だし、ベンチャーへのストック・オプション狙いも可能となる。

一生リテール業務が確定してしまう大手金融機関の一般採用と保険会社は除いてみた。

また、総合商社の大手5社、電博はあまりにも可能性が低いため、効率性の観点から除いてみた。

 

3. 対策① 英語力の強化(TOEICスコア900点)

学生の場合は、「職歴」が無いので、目に見える形で差別化できるファクターが重要となる。

となると、資格とか英語になるが、就活開始となる大学3年時点で司法試験(予備試験)や公認会計士試験に合格するというのは不可能だし、他のマイナー資格はアピールにならないので、英語力というのは、最も差別化できる資格ということになる。

 

そこで、TOEICスコアは必ず取っておきたい。

具体的には、900点を目指したい。900点は難しいので、せめて860点、最低でも800点は取っておきたい。

帰国子女以外で、TOEIC860点以上というのは東大・早慶でもかなり少数なので、逆転を狙うには恰好のアイテムだ。

MARCH生は、英語が苦手というわけではないので、大学入学後、英語を忘れない間に教材を買って、専門学校に通えば、860点は十分狙えるスコアである。

反対に、TOEICスコアも取れないようでは、体育会でも無ければ、逆転は厳しいと考えるべきだ。

4. 対策② ベンチャー企業でのアルバイト

想定している志望企業候補に、コンサル系が多くあるのもそうだが、ベンチャー企業でのアルバイトは「経営」全体が良く見える、貴重な経験ができるので、業種問わずおススメだ。

 

なお、ここでいうベンチャー企業とは、従業員が10人に満たないドベンチャー企業であって、学生が大好きなサイバーエージェントとかDeNAはここでいうベンチャー企業には該当しない。

 

なぜ、小さいベンチャー企業がいいかというと、たとえ学生のバイトであっても、経営全般を見渡し、企画・実行・営業・マーケティング・管理と幅広い業務を経験することができるからだ。

良くある飲食店とか塾のバイトは、単なる歯車としての単純作業であるが、ベンチャー企業の場合には、「経営」の視点、或いは「PL」(収益性)というものを体感することができるからだ。

 

学生時代に、大手ベンチャーでのトレーニー等を除いて、小さいベンチャー企業でのアルバイト経験がある者は少数であるため、アピールしやすいし、何よりもそこでの経験を踏まえての話は、よくある「塾の生徒の成績が上がった」とか「飲食店主に提言をした」といった嘘くさいありふれた話と異なり、面接官をうならせることが可能となるだろう。

 

なお、そんな小さいベンチャーでのバイトをどうやって探すのかということだが、

そういったウェブサイトはいくつかあり、こちらのパッションナビがおススメである。

会社の規模を絞っての検索が可能であるので、「経営」というのを体感できるベンチャー企業での仕事を見つけることが可能である。 

www.passion-navi.com

 

5. 対策③ 積極的な情報収集活動を実践する

就職に限らず、ビジネスで勝つためには「情報」収集能力が勝敗を左右する。

学生の場合は、社会人との交流の機会が少ないので、情報が十分には得られない。

 

情報はじっとしていても、自分のところにはやってきてくれないので、自ら動いて情報を取りに行く必要がある。このため、同じ大学の学生の間でも、大きな情報格差が生じているという。

 

就活ルールの廃止の議論において、「情報格差が就職格差につながるのが問題」ということを言う学生・大学もいるが、それは的外れな指摘である。

情報収集能力というのは極めて重要なスキルであって、社会人になると尚更有用性が高まるスキルなので、情報収集能力によって就活の結果に差が出て当然なのである。

 

MARCHの場合、問題点は、就活における情報収集能力が早慶や東大と比べて劣っていることである。

何故情報収集能力が上位校と比べて劣るかというと、

外銀や外コン(マッキンゼー、BCG等の戦略系)のOB/OGがほぼ皆無であるので、

最上位層の情報が入ってこないからである。

また、総合商社や大手代理店のOB/OGは存在するが、学生数に比して極めて人数が少なく、外銀・外コン同様に、情報入手が困難だからである。

 

その結果、上位校では特に勝ち組とは言えないメガバンク内定者が成功者としての位置づけで、学生に対して、内定方法等を伝授するので、学生はそれを追従しようとしてしまうのだ。

 

それを克服するためには、意識的に情報収集に向けた取り組みを行わなければならないのだ。具体的には、以下の3つの方法がおすすめである。

 

(1)上位校(早慶、東大)の友人と交流し、情報収集に努める

 もっとも、高校が進学校でない場合、上位校の知り合いができないこともある。

また、上位校といってもピンキリなので、上位校の友人がいない場合には、下記の(2)の方法の方がより効率的だろう。

 

(2)OB訪問を積極的に行い、OB/OG関係なく、その業界・会社の人を紹介してもらう。

www.onecareer.jp

こちらのワンキャリアの、MARCH生の記事は大変参考になるので、実践してみたい。

 

(3)リクナビマイナビよりも、東大生が見ている「外資就活」も参照しよう

東大生は広く一般学生を対象としたリクナビマイナビなどは参考にせず、

外資就活」で情報収集しているという。

外銀・外コンだけでなく、国内系企業についても上位校の学生向けの視点で書かれているので、上位校の生徒に情報で差を付けられないように是非フォローしておこう。 

gaishishukatsu.com

 

6. まとめ 上記の行動を基に自分の強みを整理してみよう

上記の事項を実践できれば、明らかにMARCHにおける最上位層になることができる。

 

〇特技、資格:TOEIC 860点以上

〇学生時代に力を入れたこと:ベンチャー企業でアルバイトを行い、企画・実行・営業・マーケティング・管理を一通り俯瞰し、企業の収益(PL)モデルを体感できたこと。

 

この2つのネタがあれば、ES、面接で、飲食店・塾のバイトやサークル・ゼミの幹事といった平凡な話題は出ないであろう。

また、自信もつくであろうから、面接等の態度・振舞いも向上するだろう。

 

他の学生と同じことをしていたら、他の人と同じ結果しか得られない。

英語とかベンチャー企業でのバイトとか、面倒なところもあるかも知れないが、

やる気さえあればMARCH生であれば誰でも実行可能である。

したがって、実践して早慶以上の就活の成果を勝ち取りたいところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

東京大学経済学部金融学科向けの、おすすめの就職先と年収に対する考え方

 

はじめに 選べる立場にある学生は限られた情報でどのような選択をするのが賢明か?

2007年に東大経済学部に金融学科が設置されて10年以上が経過した。

学歴を重視する金融業界において、東大で、かつ、金融にフォーカスして学習したので

あれば、本来、好きなところを選びたい放題で就職できるはずである。

 

しかし、トップ学生にとって最も人気の高い業種は外銀と外コンであり、いずれもOB/OGの数が少ないし、国内系金融機関と比べてディスクローズが良くない。

また、就活に関する情報メディアも、広く一般学生を対象としたリクナビマイナビはそもそも東大生は当てにしておらず、せいぜい活用できるのは、「外資就活」と「ワンキャリア」位である。

これらも、クライアントである雇用者との関係で、あまり踏み込んだことは書けないので、東大経済学部金融学科の生徒と言えども、限られた情報の中で企業選びをすることになってしまう。

 

そこで、ここでは、もう少し踏み込んだ金融機関選択の検討をしてみたい。

1. 最初に、リテール営業は一切やりたくないという前提を確認する。

東大経済学部で金融学科を選択するということは、金融に関する専門的知識を習得し、将来金融のプロフェッショナルとしてキャリアを構築していくことを希望していると推察される。

 

しかし、中には、泥臭いリテール営業をあえてやってみたいとか、専門職よりも銀行や損保の企画・人事畑を経てとにかく出世したいと希望する学生もいるかも知れない。

 

そういった志向の学生であれば、リテール部門に配属される可能性がある、

メガバンクとか大手生損保を訪問すれば、楽勝で内定が得られるだろう。

ただ、その場合留意しなければならないのは、出世には時間がかかり、年収2000万円に到達するのは40代後半になってしまうということだ。

また、保険会社に入社した場合、途中で気が変わって外銀に行きたいとなっても、中途採用で入社するのは(特に30歳を過ぎれば)著しく困難であることに留意する必要がある。

学歴の価値は、年をとるに連れて薄まっていき、反対に、職歴がどんどん重要になっていく。このため、自分はリテール業務を含めたゼネラリストでいいのか、年収は平均的な東大生よりも沢山欲しいのか、じっくり考えておく必要がある。

 

反対に、リテール業務など一切やりたくなく、最初から金融の専門職に就いて人よりも多くの年収を志向する学生は、以下のキャリアを中心に選択していくことが必要となろう。

 

2. 政府系金融機関は、金融プロフェッショナルにあらず?

外資系金融機関の現職の者からすると、理解しがたいのが、学生の政府系金融機関に対する過大評価である。

就職偏差値、学生間の情報において、政府系金融機関のランクは外銀に準じた高さであるが、これは実態を反映したものとは言えない。

何故なら、政府系金融機関の年収はメガバンク相当であるし、転職力に大いに欠けるからである。

会社のネームバリューも転職エージェントの中で特段高い訳でも無いし、合コン偏差値的な俗っぽいステータスでも、総合商社、大手広告代理店よりも劣後する。

 

例えば、東大経済学部の場合、就職実績から見ると、日本銀行日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、国際協力銀行等がこれに該当する。

なお、外銀の中には、日銀出身者が散見されるが、彼らの大半はほとんどが海外留学経験者で、アソシエイトとしてポテンシャル採用で入社していることに留意すべきである。

確かに、日銀の場合、他の政府系金融機関よりも評価は高いようだが、だからといって、30歳を過ぎてVP以上で採用されることはまずないと考えた方が賢明だ。

ましてや、日銀以外の政府系金融機関の場合には企業プレミアムは無いので、要注意である。

 

もちろん、政府系金融機関の名前に主観的にバリューを感じ、そういった雰囲気での仕事が好きなのであれば、政府系金融機関を選択すべきだろう。

 

しかし、金融プロフェッショナルとして専門スキルを習得して高年収を狙いたいという価値観の場合には、メガバンク、生損保と並んで、政府系金融機関は最初に候補から外すべきである。

農林中金商工中金信金中金も同様である。)

 

3. 外銀について

東大の金融学科の学生の本命は、やはり外銀である。

途中でクビやリストラのリスクは高いが、高い給与水準と専門的な金融スキルを活かした生き方はカッコよく、トップ学生が憧れるのも無理はない。

外銀のキャリアパス、年収水準、仕事内容等については、外資就活とかワンキャリアに

参考となる情報があるので、そのあたりは最低限目を通す必要がある。

①マーケット(証券)部門かIBDか?

実は、リーマンショック前であれば、いわゆるトレーディングを中心とするマーケット部門の方が高給を得ることが多かった。

しかし、リーマンショック後はボルカールールによって、証券会社の自己取引が規制されたので両者の差は小さくなった。

それでも、マーケット部門(トレーディング、セールス)の方が生き残った場合にはIBDよりも高給が期待できる反面、IBDの方がツブシが効き、他業界への転職力は高い。

この点については、自分自身が興味がある方を選択すればいいだろう。

ただ、マーケット部門は東大・京大の理系が多く、数学的素養の高い者が多い。

金融学科は経済学部なので、数学的な能力では理系と比べて不利な場合があるので、その点は要注意である。

 

②リサーチ部門はどうか?

2000年のITバブルの頃までは、(セルサイド)アナリストは花形の職種であり、

特にTMTと呼ばれる通信・ハイテクセクターを担当するアナリストは高給であり、

トップアナリストとなると1億円を優に超えていた。

しかし、その後の投資銀行業務への関与の制限という規制や、アナリスト業務のコモディティ化が進展し、業界内におけるステイタスがどんどん低下していった。

 

また、日本株自体がアップサイドが限られ妙味に欠けるため、アジア株の1つという位置づけとなり、ここ数年でも日本株業務を縮小している外銀が目立つ。

さらに、MiFID2という欧州の規制によって、ますます、アナリスト(日本株のリサーチ業務)の生存は厳しくなってきている。

このため、アナリストランキングがトップクラスのアナリストでも、4000~5000万位が関の山となってきており、リストラのリスクの高さを考えると、割に合わない仕事となってきている。

 

経理(Finance)部門について

東大の金融学科の学生は、人事、コンプライアンス、オペレーションは基本的に志向しないであろうから、バックオフィスの中で、考慮するとすれば経理部門であろう。

なお、外資系金融の経理部門は英語ではFinanceという言い方をするが、IBDが関与するようなFinanceではなく、日本の「経理」とほぼ同じと考えていい。

 

ゴールドマン・サックスの場合であれば、経理ファイナンス)でも、MDまで昇格すれば、トータル年収は5000万円程度となる。

しかし、MDまで昇格できるのは20年ほど先の話であるし、そもそも、そこまで到達できる可能性は極めて低い。

そこそこ順調にいけば、30歳過ぎでVPに昇格し、年収はボーナスを含めて、2000~2500万円程度である。

外銀の場合、経理を含むバックオフィスでも、クビやリストラはあって、リスクは相応にあるので、これをどう考えるかである。

外銀の経理といっても、国内系金融機関の経理と比べて、特別スキルの高い仕事を行っているわけではないので、ある程度リスクは高いが、そこそこ年収っも高いという、

ミドルリスク・ミドルリターンというポジションである。

これを魅力的と考えるか、中途半端と考えるかは人それぞれである。

私としては、あまりおすすめではない。

外銀のバックオフィスに興味があればこちらをご参照のこと。 

blacksonia.hatenablog.com

④外銀における格差について

学生からはわかりづらいかも知れないが、「外銀」と一括りにされているが、その中での格差が拡がっていることに留意する必要がある。

具体的には、米系のトップ企業と、欧州系大手との差が開いてきている。

上述したように、日本株業務の縮小、リサーチ業務の不振等により、どこの外銀もフルラインで業務を展開しているわけではない。

例えば、IBDといっても、ゴールドマン・サックスJPモルガンドイツ証券、バークレイズ証券、クレディスイス証券とでは、それぞれ、顧客基盤が大きく異なり、経験できる業務の質も違ってくることに留意する必要がある。

結局、IBDの場合は、個人の能力ではなく、企業の資本力・顧客網・グローバルネットワーク等によって案件を獲得するものなので、いくら頑張っても、会社の力が無ければよい案件に関与できないのである。

このため、IBDであれば、ゴールドマン・サックスモルガン・スタンレーJPモルガン、メリル・リンチ、UBSあたりまでしか対象としないというのも一つの考え方である。

(この点については、こちらの過去記事をご参照のこと) 

blacksonia.hatenablog.com

4. 国内系証券会社のコース別採用について

東大の金融学科の学生からすると、本命は外銀ということになるのだろうが、

何と言っても外銀は競争率が高く、東大でも10人に1人位しか採用されない厳しい世界である。従って、外銀を目指して十分な対策をたてたからと言って、必ずしも採用されるとは限らない。

結局、面接の場合は、面接官との相性や当たりはずれと言った運の要素が強し、体育会のコネのような不確定要素もあったりするからである。

このため、東大の優秀な学生であっても、外銀全滅ということは不思議ではない。

 

そこで、予め、外銀のバックアップ・プランとして次善の策である、国内系証券会社のコース別採用を視野に入れておく必要がある。

 

もっとも、国内系証券会社のコース別採用の歴史は短く、データが少ない。

そこで、中途採用の事例等を参考に考察したい。

①国内系証券会社のコース別採用(IBD又はマーケット部門)のメリットについて

国内系証券会社のコース別採用のメリットは、

まず何といっても、「安定性」である。クビやリストラになるリスクは外資系と比べると格段に低い。

リーマンショックの際に、みずほ証券が大規模なリストラを実施したが、割増退職金の金額が基本給の3年分以上支払われる等、外資系のリストラと比べると遥かに恵まれている(外資系証券会社をリストラされる場合の割増退職金の目安は、基本給の6か月分が上乗せというのが多いパターン)。

 

また、外資系と比べると、ワークライフバランスが格段にいい。

もちろん、ハードワークではあるが、毎晩夜中までの勤務が当たり前で、土曜日も出勤するという外銀と比べると、遥かに過ごしやすい。

もともと、投資銀行業務におけるキャリアを積みたいものは楽をしたいということは無いだろうから、国内系証券会社のコース別採用は、無理なく続けられてキャリアを形成できるというメリットがある。

 

さらに、国内系証券会社の場合には、日本における強固な顧客基盤を持っている。

従って、大規模な案件、最先端の案件など、良い案件に関与し、スキルを磨ける機会が確保されている。

確かに、外銀の場合、グローバルに見ると国内系よりも顧客基盤は厚いが、日本国内に限ってみると、日本は支店に過ぎないので、十分な顧客基盤を持っているとは限らない。

②国内系証券会社のコース別採用のデメリット

まず、メリットの裏腹であるが、国内系の方がリスクが低い分、リターンも当然低い。

外銀と比べると、給与水準は見劣りするのは否めない。

もっとも、国内系証券会社で待遇が最も良い野村證券の場合には、初任給の時点から700万円を越えるし、20代後半で1000万円に到達し、30前半でVPになると、1500~2000万円、EDになると30代で2500~3000万円とかなりの高給が期待できる。

(大和やみずほ証券でも、一般的なリテール総合職よりは高給であるが、2000万円を越えるのは難しい。)

 

また、企業によっては、グローバル案件が外銀と比べて見劣りするケースがある。

さらに、当然であるが、英語力については外銀の方が磨かれる可能性が高い。

 

③国内系証券会社のコース別採用の場合、どこがおすすめか?

もっともおすすめなのが、高給で、良い案件に恵まれ、安定している野村證券がおすすめである。もちろん、それは誰でもわかることなので、一番入るのが難しい。

 

そこで、押さえとしては、国内ナンバー2の大和と、みずほ証券或いはSMBC日興証券を併願することとなる。

SMBC日興証券は3大証券の一角なのだが、シティグループの傘下にあった時にはリテール業務しかやっていなかったため、ホールセール業務は近年再開したという弱みがある。この点、みずほ証券(採用はみずほFG)とどちらを優先するかは好みによる。

併願できる余裕があれば、併願すれば良いと思う。

 

④国内系証券会社から外銀への転職について

国内証券会社のコース別採用で入社し、スキルを蓄積し、更に上を目指したいと考えた場合には、中途採用で外銀に転職することも可能である。

但し、そのためには十分に高度な英語力を備え、外銀でもやっていけるスキルと自信が必要となる。

日本の場合、ゴールドマン・サックスJPモルガンなどの大手は長年新卒からの採用システムが出来上がっており、中途で入るのは難しくなってきている。

特に、VP以上での入社はリーマンショック前と比べて狭き門となっている。

しかし、国内系証券会社でそれなりの実績を積めば、中途での外銀への転職は十分狙うことが可能だ。

この点は、同じ国内系といっても、メガバンク、生損保、政府系金融機関とは異なる点である。

5. 運用会社への就職について

①実は、一番おすすめの外資系運用会社

実は、金融業でスペシャリストとしてのキャリアを形成し、高収入を得たいと考えている学生に一番おすすめなのが、運用会社である。

その理由は、外資系運用会社の場合は、外資系証券会社には劣るが、それなりの高給が得られるということである。VPクラスで2000万円以上、SVP/Directorクラスであれば、3000~4000万円、MDクラスになると5000万円以上が期待できる。

また、更にアップサイドを狙いたければ、ヘッジファンドに行けば、数億円の年収も可能となる(もちろん、これは成功した場合であり、リスクは高いが…)。

 

そして、クビやリストラになるリスクが外資系証券会社よりは低く、年齢的にも定年までは別として、50代でも続けることが可能だからである(そういう人は業界に多い)。

また、勤務時間、ワークライフバランスという意味でも、外資系証券会社よりは遥かに恵まれている。

 

さらに、外資系運用会社の善し悪しは企業規模で決まらないので、小さくとも収益性が高くて競争力のある運用ブティックが数多く存在し、日本で活動しているEntityの数自体が多いからである。もちろん、新規参入の企業数も多く、日本拠点の起ち上げに関与できる機会も多い。

 

外資系運用会社が「穴場」である理由

それでは、何故、外資系運用会社が、特に学生からあまり知られていないかというと、

まず、新卒採用を行う企業と採用人数が、外資系証券会社と比べて圧倒的に少ないからである。

Wellington、PIMCO、Alliance Bernstein、インベスコ、シュローダーなどは基本的に新卒採用を行わず、中途採用がメインだからである。

このため、学生が入手できる情報は極端に不足しており、外資就活やワンキャリアのサイトを探してみてもほとんど情報がとれないことが確認できる。

 

また、外資系運用会社がマイナーな存在と思われる理由として、国内系運用会社の大半が銀行や証券会社の子会社であるため、格下の業界ととらえられがちだからである。

実際、証券系や銀行系の運用会社については、部長クラスは親会社からパラシュートで下ってくるので、生え抜き社員のモチベーションは上がらない。

しかし、外資系の場合には、独立系の会社が強く(ブラックロックとかフィデリティ等)、そのような問題は生じない。

外資系運用会社に就職するには?

外資系運用会社は、ブラックロックやフィデリティ、ゴールドマン・サックスAM等の一部を除いて新卒採用をやっていない。

このため、当初は国内系の運用会社に就職して、中途採用外資系を狙うこととなる。

 

良くも悪くも、外資系運用会社の場合は平均年齢が高く、外資系とはいえ、ほとんどのスタッフは日本人であるので年功序列は明らかに存在する。

したがって、あまり若くで転職を狙っても(25-26歳)、下積みが長くなるだけなので、30歳前後でVPで入社を狙うのが得策だ。

 

野村アセット、大和投信、日興アセット、アセットマネジメントOne、三井住友AM等、国内系の大手企業で経験を積めば、十分に外資系運用会社に転職できるチャンスはある。

 

④国内系運用会社に入社する際の留意点

国内系運用会社の問題点は、コース別採用になっていないことだ。

もちろん、銀行や証券のようにリテール営業のようなハズレは無いが、

東大であれば、経営企画とか人事といった社内ステータスは高いが、市場価値・スキルが付かない部署に配属されるリスクがある。

そこで、ファンドマネージャー志望であることを強調すべきである。

また、東大卒業者の配属に対する考え方は、会社によって違うだろうから、

この点はOB訪問等で確認しておく必要がある。

 

⑤国内系運用会社への就職にあたって、東大金融学科の学生が考えておくべきこと

金融プロフェッショナルとしてのキャリアが積め、アップサイドも狙える運用会社の就職であるが、東大生特有の悩みに直面するかも知れない。

それは、友人、家族、自分自身の就職偏差値的なこだわりである。

 

まだまだ国内系運用会社というのはマイナーな存在であるので、一般的にはあまり知られていない。

学生の間には、金融機関の就職の序列というと、

外銀>政府系金融機関>コース別採用>メガバンク・保険(一般採用)>運用会社、

となっているのではないだろうか?

 

例えば、東大経済落ち・慶応経済の高校時代の知り合いから、

「東大から国内系運用会社?俺は三菱UFJ銀行だ。やった逆転だ!」と

思われたりしないか気にならないだろうか?

また、親御さんからも、「うちの息子は東大なのに、アセットマネジメントOne?聞いたこともないわ。就活失敗したのかしら?」と思われることを気にしたりするかも知れない。

 

そのあたりは十分理解できるので、将来の自分のキャリアの方向性と、運用会社へのこだわりについて良く考えておくことだ。

 

どうしても、他人の目が気になるというのであれば、ブラックロックとかフィデリティを狙うというのもあるし、証券会社のコース別採用を選択するという考えもある。

 

東大経済学部、かつ、金融学科で真剣に金融の勉強をしたのであれば、常識的な面接対応さえできれば、大抵の大手の国内系運用会社から内定はもらえるだろうから、内定をもらった上で、他の選択肢と比べて見ればいいのではなかろうか。

6. 事業会社・ベンチャー企業への就職について

あえて、このコースを選択するメリットはあまり思い浮かばないが、

長くなったので、別の機会に考察したい。

7. 金融プロフェッショナルを目指す上でやっておきたい3つのこと

外銀、国内系コース別採用、運用会社、のいずれを目指すにせよ、

将来金融プロフェッショナルとして成功し、数千万円の年収を継続的に

得るためには、学生の間に以下の3つのスキルを磨いておきたい。

①英語

証券にしろ運用にせよ、外資系が基本的にゴールになるので、高度な英語力は必須である。最初が国内系であれば英語を使う機会はあまりないかも知れないが、将来を見据えて早い段階で磨いておく必要がある。

もちろん、非帰国子女や非留学経験者の場合、流ちょうな英語を話せるようになっておかなければならないわけではない。

とりあえず、TOEIC900点を目標に学習するのが良い。

TOEIC900は少々ハードルが高いかも知れないので、860点に到達すればとりあえずいいだろう。

 

②マーケットへの好奇心

 

外資系の場合、バックオフィスでもそこそこ稼げる可能性はあるが、多くの花形職種は「市場」「相場」ビジネスである。

したがって、株式、金利、為替、不動産、原油等、グローバルなマーケット動向に興味を持っておく必要がある。

 

バイトでためた20-30万円もあれば、ミニ株とか仮想通貨とかを小さく始めることができるので、おすすめである。少額でも投資をすれば、自然と相場を気にするようになるからである。

 

自分の投資と絡めて、ブログを付けたりSNSで情報発信できれば尚良しである。

③テクノロジーへの関心

実は、金融プロフェッショナルの場合、成功していてもテクノロジーに疎い人は少なくない。業種が規制業種であるとか、副業・情報発信が厳しく規制されているとか、理由はいろいろあるが、これからは、テクノロジーの動向には関心を持っておくべきだろう。

なかなか本で読んでもピンと来ないかも知れないので、冷やかしで、GAFAあたりを

会社訪問してみてもいいかも知れない。

 

まとめ

文系の場合、プロフェッショナルとして最も高年収が期待できるのは金融業である。

しかし、外銀は入社困難である上にリスクも高い。

他方、運用会社はマイナーであり、見栄が張れない反面で、期待できる収入水準や安定性は魅力である。

このあたり、いろいろとトレードオフがあるので、自分が真に追求したい価値観は何であるのか考えておく必要があろう。

また、どこに行くにせよ、英語は鍛えておく必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武蔵大学金融学科の特徴と、就職先に関する考え方

 

1. 武蔵大学経済学部金融学科とは?

東京都練馬区江古田にある武蔵大学に、金融学科という大変珍しい学科がある。

他に金融学科があるのは、東京大学経済学部と中央大学商学部位であろう。

武蔵大学金融学科は1992年と最も古く、定員は2016年から20名増員し、

120名となっている。

 

2. 武蔵大学経済学部金融学科の特徴について

武蔵大学自体が3学部のみで構成される小規模な私立大学であり、

少人数教育とゼミによる指導を特徴としている。

①カリキュラムについて

金融学科は更に、金融コースと証券アナリストコースに2年次から細分される。

 

金融コースにおいては、お金の視点から家計や企業活動を総合的に管理・運営する方法んについて学習する。

 

証券アナリストコースについては、証券アナリストの資格取得をめざすコースである。

卒業までには第一次試験(3科目)に合格することを目標としている。

②ゼミについて

武蔵大学は少人数によるゼミを通じての教育を売りとしている。

ゼミは1年次から開催され、1年次ではマクロ経済環境を中心に経済学の教養的な学習を中心に行う。

2年次では、株式、債券等の金融商品の評価方法等の個別の学習を行う。

証券アナリスト試験の科目対応したトレーニングを実践する。

3年次では、経済政策と金融政策を、現実の経済社会のニュースを題材に掘り下げた学習を行う。

4年次では、フィンテックやグローバル金融機関のM&Aや規制等の最新のトピックスも踏まえた学習を行う。

③難易度について

難易度については、法政や中央のやや下という位置づけである。

しかし、一般入試枠が少ないことから、一般入試枠で合格するのは法政の商学部や中央の商学部よりも難しいのではないかという意見もあるが、それを示す証拠・データはない。

金融学科というカテゴリーを絞ったユニークな学科なので、競争率は高く、段階的に難化してきているようだ。

 

3. 就職先について

①金融学科の就職先の現状

金融学科は経済学部に属し、個別の就職先企業は学科別に開示されていないので、

具体的な就職先企業はわからない。

もっとも、金融学科からの金融業界への就職の割合は30%代であり、

経済学科全体の20%代と比べて相対的に高くなっている。

 

経済学部からの金融機関への就職先としては、

日本政策金融公庫、みずほ銀行三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、SMBC日興証券

野村證券みずほ証券三菱UFJモルガン・スタンレー証券

オリエントコーポレーション農林中央金庫といった

大手金融機関が実績として挙げられている。

②一般職か総合職か?

就職先企業が一般職か総合職かについては、記載が無い。

したがって、その内訳は不明であるが、金融学科の女性比率は約20%とあまり高くない。

このため、一般職の比率はあまり高くないと推察される。

 

4. 就職先選定に関する考え方、戦略について

このようなユニークな教育内容を有する武蔵大学の金融学科であるが、

就職先の選定については、戦略的によく考えたいものだ。

というのは、金融業界の場合は「学歴」が特に重視される世界である。

せっかく4年間、金融について一生懸命学習しても、就職においては学校で勉強したことよりも、学歴が重視される世界であるし、採用後においても学生時代に勉強したことは資格(但し、公認会計士とか税理士レベル)でも取らないと考慮してもらえない。

 

そこで、金融学科⇒金融業という単純な思考ではなく、

他に活かせる企業を幅広く検討すべきだろう。

メガバンク、大手生損保は避けよ

国内市場の縮小、フィンテックの影響といったネガティブなニュースが絶えないメガバンクと大手保険会社であるが、何といっても、高い給与水準と安定性が魅力であり、

入社難易度はまだまだ高い。

 

何と言っても、メガバンクと大手保険会社は超コンサバであり、学歴重視である。

従って、学生時代に勉強したことは評価されず、結局、MARCHの少し下という位置づけで扱われてしまう。

 

また、入社できたとしても、配属は一生リテール部門であり、学生時代に学んだ証券分析とか金融機関の経営戦略といったものには縁が無い世界であり、がっかりするだろう。

②金融機関で狙い目は、運用会社とVC(ベンチャーキャピタル

金融機関で狙い目は、運用会社とVC(ベンチャーキャピタル)である。

この両業界は、4年間で学習する投資・証券分析に携われる機会が、メガバンクや保険会社よりも遥かに多い。

また、知名度が低い分、入社しやすい状況にある。

入社後も、リテールとマーケット部門との格差のようなものは格段に小さい。

 

従って、運用会社とVCを徹底的に研究するのが面白い。

運用会社は、野村、大和、日興、三菱UFJ、みずほ(アセットマネジメントOne)といった大手から、T&D、岡三、さわかみまで会社数も多い。

 

VCについてはIT企業の子会社である独立系VCが数多くある。

このあたりは、コネを作って入って行く方が得策であろう。

③事業会社のファイナンス、IR的なポジションを狙う。

実は、一番面白いのは、事業会社でファイナンス的な知識が要求されるポジションである。部署としては、財務とかIRになる。

 

しかし、伝統的な日本の大企業の場合、部門別採用じゃないし、学生時代勉強してきたからといって、その部署に配属してくれることはない。

 

そこで、狙い目はベンチャー系企業である。

こういったところは、学閥は無いし、人物・スキル重視である。

従って、ベンチャー系企業を広く狙うのがおすすめである。

5. 武蔵大学経済学部金融学科の学生が卒業までにやっておくべきこと

少人数のゼミを中心に4年間、金融について真面目に学習すれば、それなりの知識やスキルが身に付くはずである。

しかし、社会人としての業務経験は無いので、それだけで有利なキャリア形成ができるものではない。

 

そこで、以下の2点を学生時代に、実践しておくことをお勧めする。

 

ベンチャー企業でのアルバイト

従業員が10人にも満たないベンチャー企業でアルバイトをすれば、他では得られない

多くの経験をすることができる。

こちらのPassion Naviというサイトは、ベンチャー企業のアルバイトでトップクラスの

情報量があるので、こちらから面白そうな企業を探してみてはどうだろうか?

www.passion-navi.com

 

②自分でブログとSNSを使って情報発信を行う

学生時代に、ブログを使って、マメに更新して、PVが数万件になると、

就職でも十分アピールができる。

体育会や帰国子女は結構いても、PV数万件というのはそれほど多くない。

 

金融学科の場合、仮想通貨、FX(マイナー通貨)、(テーマを絞った)株式について、

ブログを続ければ、自分の勉強にもなるし、就活でもアピールできる。

最後に

銀行や保険は斜陽ビジネスかも知れないが、金融スキルについてはまだまだこれからも

広く使える専門スキルである。

学校での勉強だけでは不十分なので、自分でブログ・SNSを使って情報発信するとか、

ベンチャー企業でどっぷりとバイトをすることによって、現実の社会に近づくことができ、就活でも有利に展開できるようになるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールドマン・サックスのオペレーションのキャリアとしての魅力と課題

 

序. そもそもオペレーションとは?

証券会社のオペレーションとは、お金と金融商品を交換(決済という)するまでのプロセスを管理する仕事を言う。

日本語では、「業務部」とか「受渡部」という名称の会社が多い。

金融機関におけるミドル・オフィスのうちの一部門であり、証券、銀行、運用会社に共通して存在する部門である。

スタッフの数が結構多いので、女性の比率が高いのが特徴である。

 

1. ゴールドマン・サックスのオペレーション部門の年収とキャリアパス

オペレーション部門も、人事、経理コンプライアンス、ITやマーケット部門、IBDと同様に、

アナリスト⇒アソシエイト⇒VP(Vice President)⇒MD(Managing Director)

という階層になっている。

 

ゴールドマン・サックスの場合、VPとMDの間に、

SVP(Senior Vice President)とかDirectorという階層が無いのが特徴である。

 

アナリスを3年務めると、大抵はアソシエイトに昇格できる。

この点は、他の部門と同じである。

ただ、VPになるのはなかなか難しい。最短だと新卒から6年の28-29で昇格できる制度なのだが、非営業部門の場合は突出した成果を出すのが難しく、VPに昇格するのは30前半位が目安となる。

 

年収は、アナリストの基本給が600-700万円+ボーナスで、トータル700-800万円。

アソシエイトが基本給800万円程度で、ボーナスを含めて1000万円程度。

VPに昇格すると基本給は1000万円を越え、ボーナスを含めると、年収は1500万円以上となる。

MDに昇格すると基本給は3000万円程度に上昇し、ボーナスを含めると、年収は4000~5000万円レベルとなる。

しかし、MDまで昇格できるのはほんの一握りなので想定しない方が賢明であろう。

 

以上のように、年収は他の金融機関のオペレーション或いはその他のバックオフィスと比べると高水準にあるものの、トレーディング、セールス、IBDというフロント職と比べると相当見劣りする。年収でいうと半分位のイメージである。

(もっとも、リーマンショック前と比べると、これでもフロント職との格差が縮まった。オペレーションが増えたというより、フロント職のボーナスが大幅に減ったからである。)

 2. ゴールドマン・サックスのオペレーションのキャリアとしての魅力

最大の魅力は、「ゴールドマン・サックス」で在籍したという履歴が作れることである。これが、モルガン・スタンレーやUBS等の他の外銀との決定的な違いである。

ゴールドマン・サックスのネームバリューは、頭一つ出ていて、金融界は当然として、製造業、ベンチャー企業からも一目を置かれるのである。

 

このため、他の外銀或いは外資系運用会社に転職する場合においても、履歴書に「ゴールドマン・サックス」という名前があると、凄く光って見えるという効果がある。

また、学歴と同様に、入れたことが評価なので在籍期間が短くても関係が無い。

1年でも在籍したら、履歴書が輝く。

これが、野村、大和等の国内系や、外銀にはない魅力なのである。

 

オペレーションという職種はコモディティ化しており、差別化するのは難しい。

この点は、経理、人事、コンプライアンスも同様であり、ゴールドマン・サックスのオペレーションにいることによる特殊なノウハウが習得できるとは期待しない方が良い。

 

もっとも、ゴールドマン・サックスの場合は、グローバル化が進んでいるので英語でのコミュニケーションは頻繁に求められるので、英語力は強化できる環境にあり、転職に際して、英語力が不安になることはないであろう。

3. ゴールドマン・サックスのオペレーションのキャリアにおける課題、留意点

①オペレーション部門の縮小・合理化の動向

これは、ゴールドマン・サックスに限らず、グローバルの金融機関全般の傾向であるが、オペレーションは事務部門なので、AIによる機械化、人件費の安いアジア、インドへのアウトソース等により、予算が削られる方向にある。

このため、リストラがあると一定数の人員削減がなされるという不安がある。

 

同じミドル・バックオフィスの場合、経理コンプライアンスの場合は、管理部門としての位置付け、当局からのプレッシャーがあるので、ある程度は安全なところはあるが、オペレーションの場合はリストラ抵抗力が弱い。

②女性が多い職場特有の問題点

これも、ゴールドマン・サックス特有の問題ではなく、外資系金融機関全般に共通する問題点であるが、オペレーションは女性比率がかなり高い。

半分以上は女性である。

となると、女性社会特有の働きづらさがあるようだ。

このため、コンプライアンス部門への社内異動を目論んだりする人もいる。

③社内格差、社内的なステイタスの低さ

これも、ゴールドマン・サックス特有の問題というより、外資系証券に共通する問題点であるが、社内的には収益部門である、トレーディング、セールス部門が大きな顔をしている。しかも、年収においては2倍以上の格差がある。

 

従って、これは気にしない人は気にならないのかも知れないが、社内的なステイタスが低いため面白くないと感じる人はいるだろう。

 

もっとも、これは「証券会社」に特にみられる傾向であって、他の業態である、

運用会社、銀行、保険会社においては、収益部門とミドル・バックオフィスの格差はあまり大きくない。

④潰しが効かない点

金融のオペレーションは、金融の中だけでしか需要が無い。

IBDとかリサーチのように、CFOとして他業界で活躍できる専門性は身に付かない。

また、20代であればまだしも、バックオフィスの他部門に社内異動を狙えるような普遍的なスキルは身に付かない。

このため、一生、オペレーションを続けるのかどうか30歳までには決めておきたいところである。

4. オペレーションにおけるキャリアを考える

オペレーションの場合、無事にVPに昇格できたとしても、年収は2000~3000万円であるので、40過ぎでセミリタイアできるほどの貯金はできない。

(もっとも、フロント部門のようにフェラーリを買ったり、高級レストラン三昧で浪費をしないので、貯蓄率は高いのだろうが…)

かといって、定年まで勤め上げられるような環境にはない。

そこで、長期的なキャリアプランを考えておく必要がある。

①一生、オペレーションで働く

オペレーションは女性が多く、結婚・出産というライフ・イベントがあっても、

ゴールドマン・サックスは産休制度とかはキッチリとしているので、長く働くことは可能だ。

従って、生涯オペレーションでやっていくという選択肢はありだ。

もっとも、リストラは無いとは言えないし、40半ばを過ぎると居づらくなってくるので、途中で外資系の運用会社、国内系の金融機関、外資系の保険会社のオペレーションに転職することは視野に入れておいた方が良い。

その際に、ゴールドマン・サックスというネームバリューや英語力はポジティブに効いてくる。

②他部門への社内異動を狙う

できれば20代、せいぜい30代前半くらいであれば、社内異動で他部門への転身を図ることも可能だ。

ゴールドマン・サックスの場合、社内異動が比較的狙いやすいという特徴がある。

その際は、能力云々というよりも、好かれるかどうかというのがカギになってくる。

従って、異動希望部門のMDに好かれると、異動がグッと近くなるので、社内的な交友関係を築いておくのが重要だ。

 

異動対象部門としては、人事、経理コンプライアンス、内部監査あたりのバックオフィスが多い。

③他業種への転出を図る

ゴールドマン・サックス」というネームバリューと英語力を活かした他業種への転職である。オペレーションという業務で培ったスキルは他業種では役に立たないので、ポテンシャル採用ということになる。

 

実例は余り多く聞かないが、仮想通貨等のフィンテック分野への転身はありだろう。

5. ゴールドマン・サックスのオペレーションに就職・転職するには

新卒で入社する場合には、他の新卒同様、

ES⇒筆記・Webテスト⇒面接(3次くらいまである)⇒内定、

という流れであり、かなりの難関であることは間違いない。

英語での面接はあるし、入社後は必要となるので、早いうちにTOEIC900程度は

とっておきたい。

TOEICスコアは必須ではない。)

 

中途採用によって入社することも勿論可能である。

オペレーションの場合、結構な人数がいる部署であるので、中途で入るチャンスはある。

その場合、外資系金融に強い転職エージェントを使うことになるのは、他部門と同様である。

オペレーションの特化とか、オペレーションに強いエージェントというのは特に無いので、

 

〇マイケルペイジ

〇ロバートウォルターズ

イースト・ウエスト・コンサルティング

モーガン・マッキンリー

〇エン・ワールド

JAC

 

あたりを使用すれば良い。

なお、ヘッド職以外であれば、ラッセル・レイノルズやコーン・フェリーのような

エグゼクティブ・サーチ・ファームを使う必要は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一橋大学の就職先と評価基準について

 

1. 一橋大学の主な就職先企業は、メガバンク、大手生損保、総合商社

YouTubeで、たまたま一橋大学の就職先というのを発見した。

ソースはこちら。

www.youtube.com

 

一橋大学の2018年の主な就職先>

順位

企業名

人数

1

みずほFG

18

1

三井住友銀行

18

3

三菱UFJ銀行

17

4

アクセンチュア

13

5

日本生命

12

6

伊藤忠

10

6

住友商事

10

8

トヨタ

9

8

三菱商事

9

8

東京海上日動火災

9

 

2. 評価基準は、「年収」と「安定性」

一橋大学の卒業生たちの、就職先企業の評価基準は特定の業種・企業に

極端に集中しており、大変わかりやすい。

 

評価の基準は、明らかに「年収」と「安定性」だ。

まず、トップ10のうち3社は、総合商社だ。

現在では、外銀、外コンと並ぶ就職人気先企業の御三家である。

入社3年目で1000万近くになり、30過ぎで1500万円になり、

40半ばで2000万円近くになり、そして、終身雇用が保証されている。

 

続いて、大手の生損保である、日本生命東京海上日動だ。

これらは、それぞれの業種の中でもダントツの業界トップ企業であり、

給与水準も頭一つ飛び出している。

当然、両社とも終身雇用である。

 

残るは、3メガバンクである。

これらは、50過ぎで出向に出されるため、終身雇用は保証されていない。

給与水準は、総合商社や日生・東京海上には劣るが、それらに準じる

高年収である。

 

従って、一橋生は「年収」の水準と、「安定性」を基準に企業選びをしているということがうかがえる。

 

3. 異色なのは4位のアクセンチュア

異色なのはアクセンチュアである。

何故なら、給与水準は高水準ではあるが、「安定性」という点からは、

総合商社、大手生損保、メガバンクよりは明らかに劣るからである。

基本的に、アクセンチュアはコンサル企業であるので、

終身雇用に依拠した雇用体系となっていないからである。

新卒入社した者は、どこのかのタイミングで遅かれ早かれ、

転職することとなるのである。

 

しかし、「安定性」は無い代わりに、アクセンチュアには「転職力」がある。

コンサルとしては、幅広い視点から経営戦略構築に携わることができるし、

朝から深夜までの激務の中で競争にさらされ、タフなビジネスマンになれるため、

普遍的に業種の壁を越えて転職需要がある。

 

アクセンチュアの前身のアンダーセン・コンサルティングの時代から、

一橋大学からアクセンチュアにそれなりの数の卒業生が就職していたが、

4位まで順位を上げるというのは、時代の流れではないか。

現在、トップ学生の間では、コンサル手イング・ファームの人気が

年々高まり、マッキンゼー、BCG、ベインのビッグ3の外コンを頂点として、

総合系ファームや独立系ファームの人気も定員も拡大しているのだ。

一橋の場合も、流行に乗って従来よりもコンサルティング・ファームを

志向する学生が増えたということだ。

 

4. 課題は、「転職力」をどう磨くか?

4位のアクセンチュアを除いて、メガバンク、生損保、総合商社の場合の問題点は、

「転職力」が無いことだ。

 

総合商社は、資源ビジネスを収益源としているので、あと数十年位なんとかなるかも知れない。

 

東京海上日本生命も、少子高齢化に伴う国内市場の縮小化、フィンテックの進展の脅威といった不安要素はある。しかし、両者ともに歴史は古く、長年トップの座に

ある企業だし、給与水準は減少するかもしれないが、こちらも何とかなるかも知れない。

 

一番問題はメガバンクである。

ここは給与水準はそこそこかも知れないが、国内市場の縮小化とフィンテックの脅威の影響をモロに受けてしまう。

合併に伴う余剰な経営資源がまだまだ多く、潜在的にリストラの不安は小さくない。

 

3社ともに既に大幅な人員削減計画を公表し、それによって、就職企業としての人気は下落しているのだが、人員削減策は自然減を中心としたもので、企業の抜本的な改革を示唆するような内容ではない。

まだまだこの先何が起こるかわからないし、むしろ、30年後も今と同じ給与水準が保てない見通しの方が高いのではないだろうか。

 

となると、将来に備えて「転職力」を付けるべきなのだが、

メガバンクには転職力は無い。

今最も需要があるプログラミング・スキルが付くのはITの一部(一橋生は該当しない場合が多い)だし、英語が苦手な人が多いので、外資系にも転職できない。

また、証券会社と違って、エクイティ業務ができないので、株式・IR関係のポジションの競争力は無い。

さらに、典型的な規制業種であるので、長くいればいる程、カルチャー的にベンチャー企業に転出することは難しくなっていく。

 

実際、メガバンク出身者が転職市場で一番高く評価されるのは20代である。

30代、40代と、年を取るにしたがって、転職は厳しくなる。

特に40代になると、異業種への転職はほぼ不可能になってくるし、

できたとしても年俸は大幅なダウンとなってしまう。

 

もちろん、企業派遣で海外の有力校でMBAを取得し、帰国後マーケット部門や、

法人部門で出世をする一部のエリートもいるだろうが、圧倒的にマイノリティである。

5. それでは、メガバンクの代わりにどこに就職すべきだったか?

思うに、メガバンクに就職することとした学生は、

メガバンクが第一志望ではなく、消去法、或いは他の企業の内定がとれず、

メガバンクになったパターンが多いのではないか?

 

もし、金融系でキャリアを積みたいというのであれば、「証券会社」或いは「運用会社」という選択肢がある。

「証券会社」のコース別採用は、競争が厳しく目指していても内定をもらえるとは限らない。

 

しかし、「運用会社」の場合には、それほど厳しいわけでは無く、

一橋の平均的な学生であれば、国内系の大手のどこかから内定を得られる可能性が高いだろう。

また、JAFCOとこ大和企業投資のようなVCも面白いキャリアだと思う。

 

メガバンクというのは「安定性」があるようで無いのが問題だ。

「安定性」に不安があれば、「転職力」を身に着けるしかない。

証券会社や運用会社は、メガバンクより「安定性」で劣るように見えるかも知れないが、「転職力」は高い。

したがって、もう少し注目してもいいように思われる。

6. 一橋の場合には、外銀に行く人数が少ないのも問題

一橋の問題点は、外銀に新卒で就職する人数が少ないことである。

この点は、東大、慶応と比べて弱点と言えるだろう。

外銀は特殊で、採用人数が少ないため、就活における情報が少ない。

従って、OB/OGからの情報が頼りであるが、OB/OGが少ないと、情報が入手できない。

そうなると、志望者が減るという負のスパイラルとなる。

 

金融系のキャリアを積むのであれば、外銀が最強であるので、一橋の学生は

もっと外銀にチャレンジすべきであろう。

7. 実は慶応の就職先も一橋の就職先と類似している。

同じYouTubeの動画で、慶応大学の2018年の就職先トップ10というのがあった。

慶応の卒業生は、理工学部や、文学部を含んでおり、また、一般職も含まれているため、一橋とは単純比較出来ないかもしれないが、トップ10は、

メガバンク、大手生損保、総合商社の組み合わせである。

そして、偶然にもアクセンチュアが4位なので、この点でもそっくりである。

8. 結局、就職に関する情報の偏在、情報量の不足が問題ではないか?

本来、最初の就職先は社会人としてのキャリアの第一歩である。

新卒カードという貴重なカードを切るので、周りの動きを見て決めるのではなく、

自分の特性や将来を自分の頭で考えた上で、戦略的に決定したいものだ。

 

しかし、いつの時代も、マクロ環境と周りの学生、人気ランキング、就職偏差値に

振り回されて、思考停止に陥っている感がある。

 

ネットによって情報量が増えているのは間違いないのだろうが、

リクナビにせよ、マイナビにせよ、結局、裏のクライアント企業の存在のため、

表面的な情報ばかりで、本質的なところはOB/OG訪問をしないとなかなか見えてこない。

ワンキャリアのよう新しいメディアも登場してきているが、ES、面接マニュアル的なところが多く、なかなか判断力を形成するのは難しい。

 

学生としては、就活に関する情報不足やメディアの情報の偏在を非難しても仕方が無いので、なるべく視野を広めておきたい。

留学とか、ベンチャー企業でのアルバイト(就活の一環ではないもの)をもっと積極的にやった方がいいのではないか。

また、自分でブログ、SNSで情報発信をする、或いは、起業に挑戦するというのであれば、尚良しである。

 

外部環境の変化が激しく、従来のような終身雇用が保証されない時代においては、それに応じたい対応をしたいところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘッジファンドの年収と就職について

 

序.  年収10億? そもそもヘッジファンドとは何か?

うまく行けば年収は1億どころか、10億を越える可能性があるともいわれるヘッジファンド

投資をしている人なら聞いたことがある言葉だが、実際は何なのだろうか?

 

〇成功報酬型のファンドである

金融機関の用語集などを調べると、様々な投資手法を駆使して、相場の上昇・下落に関係なく絶対リターンを追求する成功報酬型のファンドといった説明がなされている。

「成功報酬型」というのがポイントであって、儲かったら儲かった分だけ、青天井で報酬がもらえるため、うまく行けばファンド関係者は桁外れの報酬が得られるという図式である。

 

〇大きいファンドから小さいファンドまで、いろいろある

運用の世界において、ファンドの大きさは、AUM(Asset Under Management)と呼ばれる運用資産の規模で表される。

 

ヘッジファンドの大手であれば、数兆円~数十丁円規模のファンドが、海外には存在する。例えば、ブリッジウォーター、ルネッサンス、ツーシグマ、ミレニアムなどが大手として知られている。

 

小さいファンドであれば、起ち上げ当初のものであれば10億円に満たないものもある。

 

ただし、ヘッジファンドは運用でいくら儲けることができたかという運用成績が全てであるので、必ずしも大きいファンドが優れているわけではない。

成功報酬がメインなので、AUMが大きくても運用成績が悪いと大した報酬は手に入らないし、小さい10億円のファンドでも1年で倍増すれば、数億円(例. 10億円の儲け×20%の成功報酬=2億円の成功報酬)の報酬が手に入るわけである。

 

〇情報が極めて少ない謎めいたヘッジファンドの世界

 

ヘッジファンドはとにかく情報が少ない。

同じ運用会社であっても、成功報酬をメインとしない大手の運用会社の場合には、

ブラックロック、アラインアンス・バーンスタイン、レッグメイソン、フランクリン・テンプルトン等は上場しているし、上場していなくても、JPモルガン・アセット・マネジメントゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントといった公募のファンドを取り扱っている運用会社は情報開示の要請が厳しく、充実した公開情報が揃いやすい。

また、従業員の転職も普通の外資系金融に特化したエージェントが証券会社と同様に対応しているので、普通の転職エージェントと付き合えば、転職情報も入手できる。

他方、ヘッジファンドの場合には、非上場、非公募、小規模であるため、運用においても就職においても情報量は極めて乏しいものとなっている。

 

1. ヘッジファンドの年収

①年収は会社や運用成績によってピンキリ

ヘッジファンドは大きいファンドから小さいファンドまで様々であり、

また、儲かっているファンドと儲かっていないファンドまで様々なので、

当然年収も、様々である。

 

アメリカの事例だと、青天井の成功報酬なので、トップクラスは年収1000億円を越える、桁違いのスケール感となっている。

ゴールドマン・サックスとかモルガン・スタンレーは足元にも及ばない。

日本でも、タワー投資顧問という清原達郎氏が創設した小さなヘッジファンドが大成功し、代表者である清原氏の年収は何と100億円であった(2004年は長者番付制度という高額納税者の開示制度があったので、公開された。)

 

これらは極端な成功事例かも知れないが、米国系の日本拠点で最も運用成績が優れたファンドマネージャーは10億円を何年間ももらっているので、トップクラスは10億円レベルであることは間違いない。

 

②運用関係者(ファンドマネージャー)の年収について

前述した通り、ヘッジファンドというのは成功報酬型の運用会社であるので、儲かれば儲かった分だけ儲けに比例してもらえるという世界である。

 

反対に、儲からなければ管理報酬という最低限度の報酬しかもらえないので、基本給(数千万円レベル)だけしかもらえないこととなる。

 

それどころか、ヘッジファンドの場合にはファンドマネージャー自身の資産もファンドに投資をする場合が多いので、損をした場合には、報酬は最低限しかもらえない上、

自分の資産まで減少してしまうことになるのだ。

 

そういう厳しいヘッジファンドの世界だが、

大雑把に言って、運用に成功すれば、ファンドマネージャーは数億円位のボーナスを得られることができる。

国内系の比較的穏やかな運用をするヘッジファンドの場合でも、ファンドマネージャーの年収は1億円を超える。

このため、ファンドマネージャー達の関心事・悩みは「税金」であり、税率の低い香港やシンガポールに引っ越す人もいるぐらいだ。

 

他方、運用がうまく行かなかった場合には、外資系の厳しい所だと本当に1年でクビになってしまう。

ファンドマネージャーの見習い(アナリスト)の年収について

ヘッジファンドで運用従事者というのはファンドマネージャーだけではない。

ファンドマネージャーというのは、何をどれくらい買って、どのタイミングで売るかという投資に関する全ての意思決定をする職種をいうが、ファンドマネージャーの見習い的なポジションでアナリストという職種がある。

 

アナリストは、ファンドマネージャーに投資情報をいろいろ調べて提供する職種で、20~30代の比較的若手が多い。

そして、ファンドマネージャーから気に入られて無事昇格すると、アナリストはファンドマネージャーに昇格することができて、運用権限を持つようになるのである。

 

このアナリスト職の年収は、こちらもピンキリなのでレンジは広いが、ヘッジファンド場合だと2000万円~6000万円とそれなりの高給である。

しかし、親分であるファンドマネージャーに好かれないとすぐにクビになったり、ファンドマネージャーに昇格できないので、リスクは結構高い職業と言える。

このため、いいアナリストを見つけるのは簡単ではない。

やはり、みんなリスクを嫌うので、普通に外資系運用会社で安定的に3000万円をもらい続ける方が人気があるのである。

 

④ミドル・バックオフィスの年収について

ヘッジファンドも組織であるので、運用をする人達ばかりではない。

金融機関なので、法務・コンプライアンス職は必要である。

また、経理・人事・総務を統括的に運営できるスタッフも必要である。

また、外部資金を運用する場合には、オペレーション、クライアント・レポーティングといったミドル・オフィスに該当する人たちも必要となる。

 

これらのミドル・バックオフィスの年収も、

会社や会社の儲け具合によって様々なのであるが、

米系の成功しているヘッジファンドの場合には、それなりの高年収である場合も少なくない。

例えば、経理コンプライアンスの責任者であれば、3000~5000万円位はもらえるところは珍しくない。

若手の場合であれば、1000~2000万円位が目安である。

 

他方、ヘッジファンドによっては、ミドル・バックオフィスにはお金をかけたくないというところもあり、そういうところだと、シニア・ポジションであっても、

年収2000万円に満たないところもある。

もちろん、そういったポジションは不人気である。

 

2. ヘッジファンドへの就職について

①コネによる就職が多い

基本的に、日本で創業しているヘッジファンドの場合は、外資ヘッジファンドの日本拠点であっても、独立系であっても、従業員数は10~30名の小規模のところが多い。

従って、運用従事者(ファンドマネージャー)の知り合いに声がかかるケースが多い。

 

どういうポジションにあれば声が掛かるかというと、

運用会社(外資系・国内系問わない)の運用部門にいる優秀なスタッフ、

或いは、

証券会社のトレーディング部門のトレーダー、

あたりである。

 ②転職エージェントを通じたヘッジファンドへの就職

もちろん、転職エージェントを通じたヘッジファンドへの就職というのも珍しくない。

ただし、通常の外資系運用会社への就職とは転職エージェントも微妙に異なっている。

 

まず、おすすめなのは、エグゼクティブ・サーチ・ファームに登録することである。

アメリカ或いはシンガポールで成功したヘッジファンドが日本でも拠点を設けるケースはしばしばある。そういう場合には、日本での起ち上げメンバーを集めるために、エグゼクティブサーチ・ファームを使うことが多いのだ。

具体的には、金融に強い、以下の2社には登録すべきだ。

こういうところは以前は登録制ではなかったが、最近では、自ら転職希望者が登録できるようになっている。

 

<ハイドリック&ストラグル>

Heidrick and Struggles Asia Pacific

 

ラッセル・レイノルズ>

Leadership Advisory | Executive Search | Russell Reynolds Associates

 

また、通常の外資系金融に強い、比較的大手の転職エージェントでもヘッジファンドの案件を取り扱っているところがある。

以下の、マイケルペイジとモーガンマッキンリーの2社は、比較的ヘッジファンドの案件を取り扱っている。

  

外資系転職のマイケル・ペイジ | 世界大手の転職エージェント | 外資系求人5000件以上

Morgan McKinley : 外資系転職・国際的な人材コンサルティング会社

 

もちろん、ロバートウォルターズ、アンテロープなどの外資系金融に強いところは使うべきだし、ビズリーチ経由で中小の独立系エージェントからヘッジファンドの案件が紹介されるケースもある。

とにかく数を売っておくというのは、ヘッジファンドの場合も同様である。

 

もっとも、リクルートとかJACヘッジファンドにはあまりフォーカスしていないようだ。

 

最後に

リスクは高いが、成功した暁には桁違いに多額の報酬が得られるヘッジファンドには魅力がある。

バックオフィスの場合には、比較的低リスクで魅力的な報酬をもらえる場合もある。

情報が少ないので急に人気はでないだろうが、凋落してきている投資銀行と比べて妙味はあり、もう少し就職先として注目されてもいいのではないだろうか。