一橋大学から外銀・外コンの就職が少ない理由。慶應大学と比較すると、何が違うのか?

 

1. 一橋大学から外銀・外コンへの内定者が少ない現状

外銀・外コンは、現在の就活における最難関・最上位企業群であり、

内定者の約半数は東大であり、次が慶応である。

この2校で内定者の大半が占められ、残りを京大、一橋、早稲田

あたりで分け合って終了というイメージである。

 

もちろん、一橋大学は理系がなく、民間企業就職者数は大学全体で

800人程度なので、母集団が少ないからだという見方もあるが、率という

ことで見ても外銀・外コンのシェアは低いと思われる。

 

なお、ここでいう「外コン」とは最上位の戦略系、

マッキンゼー、BCG、ベインというMBBに加え、ATカーニー、

ローランドベルガー、アーサーDリトルまでに限定することとし、

アクセンチュア等の総合系は含まないこととする。

2. 一橋大学からの外銀・外コンへの就職状況

一橋大学の就職先情報については学部によって異なり、

商学部だけが全開示してくれている。従って、商学部の情報を基に

推察することとする。

(なお、一橋大学商学部の就職状況についてはこちらをご参照下さい。)
blacksonia.hatenablog.com

一橋大学商学部からの外銀・外コンへの就職者数。慶應と比べてどうか?

まず外銀であるが、ゴールドマン・サックス証券が1人、

ソシエテジェネラル証券が1人、JPモルガン・アセット・マネジメントが1人、

ブラックロックが1人の合計4名である。

厳密には、JPモルガンAMとブラックロックは運用会社なので、「外銀」

に含まれるかどうかという点はあるが、両社は最大手で新卒入社は困難なので

含めて良いだろう。

 

外コンについては、マッキンゼーが1名のみである。

 

外銀・外コン合計で5名しかいない。

一橋大学商学部は定員285名、民間企業就職者が244名であるので、

外銀・外コンシェアはわずか2%である。

 

慶應大学は各学部上位20社までしか開示してくれていないので、

外銀・外コンへの就職者総数はわからない。

しかし、業界での慶応シェアは大変高く、大学全体で数十人位はいるのでは

ないだろうか?

京都大学経済学部との比較

それでは、同じく国立大学の最上位大学である京都大学経済学部と

比較して見よう。京都大学経済学部の民間企業就職者数は230人

なので母集団はほぼ同じである。

(なお、京都大学経済学部の就職状況についてはこちらをご参照下さい。)
blacksonia.hatenablog.com

 

京都大学の場合、就職先を全開示してくれているので、把握が可能である。

京都大学経済学部からの外銀就職者については、

ゴールドマン・サックス証券が1人、JPモルガン証券が2人である。

そして、外コンについては、BCGが1人である。

 

合計4人なので、大して変わらないじゃないかという見方もある。

 

しかし、考慮しなければならないのは、地理的な位置である。

京都から東京まで出向いて外銀・外コンの就活をするのは物凄く負担が

多い。

そのハンディを考慮すると、一橋大学の場合は、もう少し外銀・外コンに

行ってもいいのではないかと考えられる。

3. 一橋大学から外銀・外コンへの就職が少ない原因

①大学内における「二極化」

この点について一橋大学の学生何人かに話す機会があったので、聞いてみた。

すると、一橋大学の内部において「二極化」が顕著に存在し、

一部(1割に満たない)の学生は、最初から外銀・外コン志望が明確で、

大学2年生の初めから、対策を行い、3年生に内定を取って就活を

終了するという。

 

他方、それ以外の学生は、外銀・外コンという世界があるのは何となく

認識しているものの、自ら積極的に動いて調べることはなく、

大学3年生くらいになって、(対策を特にしなくても内定がもらえる)

メガバンク、生損保あたりを物色し始めるという。

 

そもそも、外銀・外コンは志望しないことには内定も出ないので、

一橋大学の場合は、そもそも、外銀・外コンに挑戦する母集団が少ない

というのが原因である。

②それでは、何故「二極化」が発生するのか?

学生達によると、それは「情報不足」だという。

何となく外銀・外コンのことは聞いたことがあるが、どれくらい魅力があるのか、

具体的にどのような将来性があるのか、具体的にどうやったら内定を

もらえるのか、といった詳細な情報が入ってこないからだという。

 

たまたま、ゼミとか体育会・サークルの先輩に外銀・外コン内定者が

いれば別だが、そうでないと何の情報も入ってこないので、

途中で外銀・外コンに切り替えて準備を始めるという学生が

いないようだ。

 

これは。「情報不足」の問題というよりも、自ら情報を取りに行こうという

意識の問題だと思われるが、実際そのように認識されているようだ。

 

実は、この学生の「二極化」の問題は、一橋大学だけではなく、

東京大学法学部でも見られるようだ。

慶應大学とは何が違うか?本当に立地の差が原因か?

それでは、外銀・外コンからの内定者が多い慶應大学とは何が違うか?

慶應の場合は、学生数も多く、三田会というOB会のサポートも厚い。

そして、何よりも立地が都心なので、そこは一橋大学よりも有利だと

学生は見る。

 

しかし、立地と言っても、一橋大学から都心には1時間もあれば行ける

ので、それは問題とはならないはずだ。

それを言うと、早稲田大学は都心立地であるが、外銀・外コンは少ない。

 

それは、学内における競争心や雰囲気の違いではないかと思われるが

どうだろうか?

4. 総合商社への就職者は何故少なくないのか?

①外銀・外コンと違って、何故総合商社は少なくないのか?

外銀・外コンと並ぶ最難関・最上位企業は総合商社である。

モルガン・スタンレーやBCGを蹴って、総合商社に就職する学生も

いる位である。

 

一橋大学商学部からは、外銀・外コンとは異なり、総合商社には就職する。

伊藤忠5人、丸紅4人、双日4人、三菱商事3人、住友商事2人、

三井物産1人の合計19名だ。

 

民間企業就職者が244人なので、率にすると7.8%。

これは慶応大学経済学部の倍位の比率である。

 

総合商社は決して少なくない。

その理由について学生に聞いてみると、「商社は特に準備が必要ないから。」

ということであった。

 

少なくとも英語ができないと相手にされないので、準備がいらないというのは

正しくないと思われるが、多くの学生がそのように認識しているので

それなりに多くの学生が商社を志望し、その結果、そこそこの人数の

学生が内定をもらえるということである。

 

学内においては、落される学生は結構多いのだろうが、

総合商社の内定を取っても、凄いとリスペクトされるようなプレミアム感は

無いのだという。

②但し、三菱商事だけは別

面白いと思ったのは、総合商社は特別視していないものの、

三菱商事だけは別という認識があるそうだ。

三菱商事は応募しても内定をもらえないから、最初から受けないという

学生も結構いるという。

 

他方、伊藤忠であれば内定をもらえるというそのような認識が

あるようだ。

 

この認識は正しいとは思えないが、何故か三菱商事だけ別格というのは

面白い。三菱商事ブランディングが長けているのか、よくわからないが。

最後に ~有力校といっても学生は二極化している。MARCHにもチャンスあり~

この話を聞いて思ったのは、就活における学生の質は、

正規分布をしておらず、二極化が顕著だということだ。

 

ということは、大学が有力校であっても、平均的な学生のレベルは

特に高くは無いということだ。

 

そうであれば、MARCHクラスであっても、そのトップ層になることが

できれば、有力校の平均層を凌駕することは十分可能だ。

 

従って、MARCHの学生も就職で上位校を逆転することは可能であり、

早いうちからしっかりとした準備をすれば、勝機はあると思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慶應と早稲田の就活生がみずほFGの業績下方修正のニュースを聞いて考えるべきこと

 

みずほFGが2019年3月6日に、2019/3期の業績予想を大幅に下方修正する旨の

会見を行った。(プレスリリースはこちら) 

https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20190306release_jp.pdf

 

ちょうど、3/1から、いわゆるOB/OG訪問が始まったところであるが、

みずほFGへの就職者数が1位の慶應と2位の早稲田の学生は、

この業績下方修正のプレスリリースを見て、みずほFGやメガバンクへの

就職について改めて考えてみるべきだろう。

1. みずほFGの3/6付の業績予想修正の概要

詳細は上記リンクの通りであるが、約6800億円にも及ぶ損失を

2019/3期決算で計上することを発表し、税引後の当期純利益の予想額を

5700億円から800億円と、大幅な引き下げを行った。

 

約6800億円の内訳は、2本立てであり、

1つは、固定資産の減損損失で、国内リテール事業部門に帰属する

ソフトウェアや閉鎖予定店舗等の固定資産の減損損失であり、

これが約5000億円である。

 

2つめは、市場部門の有価証券ポートフォリオ再構築等に伴う損失

であり、要するに、保有有価証券ポートフォリオの評価損を計上するという

ことだ。こちらの金額は約1,800億円である。

2. みずほFGの業績下方修正の評価

巨額の損失をこのタイミングで公表するのはけしからんとか、

今までの見通しが甘かったのではといったネガティブな意見がある反面、

損失を計上できる余裕がある、膿を前倒しにすることによって、来期以降の

収益力が改善するのではといったポジティブな意見もある。

 

とはいえ、メガバンクの中でもみずほだけというのが気になるところである。

3. そもそもメガバンクで良いのか?

①早稲田、慶応だとメガバンクは「勝ち組」ではない?

これはみずほの話であるが、早稲田や慶応の学生は他のメガバンクにも

大量に内定者を出しており、メガバンク全般について考えるいい機会であろう。

 

そもそも、早稲田や慶応の学生にとっては、メガバンク内定は勝ち組とは

見られないらしい。

 

外銀・外コン・総合商社を落ちたからとか、国内系金融機関の専門職コースに

落ちたからとか、体育会で忙しすぎて他をあたれなかったからといった、

見方をされるらしい。

メガバンクの総合職コースでは金融プロフェッショナルにはなれない?

就活の目的が金融プロフェッショナルになってスキルを付けることであれば、

メガバンクの総合職コースだと目的を達成できないのではないだろうか?

 

大半の者が配属されるリテール部門、本社部門であっても、

そこから外銀や外資系運用会社に転職することは相当厳しい。

 

かといって、コンサルとか総合商社に転職をすることも難しい。

 

同じ金融と言う理由だけで、外銀、国内系金融専門職⇒メガバンク総合職、

という発想でいいのだろうか?

 

金融と言う発想を切り替えて、アクセンチュアやデロイトトーマツなどの

総合系ファームは狙えないだろうか?

③給与水準は現行の水準が将来も続くと考えてないだろうか?

最難関の外銀・外コン・総合商社或いは国内系金融機関の専門職コースに

落ちた場合、メガバンクを選ぶ理由として給与水準の高さが大きな理由と

なっているのだろう。

 

確かに、国内系企業の中では給与水準は明らかに高い方であろう。

 

しかし、10年後、20年後も今と同じ給与水準が続くという保証はどこにもない。

少子高齢化に伴う国内市場縮小、IT・AIの進展に伴う店舗・人員等の

非効率化、海外市場での競争力の無さ等を勘案すると、20年後には、

給与水準が20%位下がっている可能性は十分にある。

 

現に、特に部店長とかの上級管理職については20~30年前と比べて、

20~30%は下がっている。バブル期や金融危機前までは、

メガバンク(旧都銀)の部店長だと年収2400~2500万円位はあったのだが、

今だと1800万円位ではないだろうか。

 

仮に、給与水準が今より1割或いは2割下がるとしたら、メガバンク

選択するかどうかについても考えた方が良い。

④他に代替案は無いか?

早稲田や慶応のような上位校の学生は、年収面において、

メガバンク>他のメーカー、サービス業と考えているフシがある。

 

確かに、年収水準が上位のメーカーやサービス業でも、

メガバンクには届かないのが現状だ。

 

しかし、将来1割程度メガバンクの年収水準が下がり得ると想定すると、

ワークライフバランス等を加味すれば、選択肢は拡がらないだろうか?

 

例えば、KDDIJR東日本といったインフラ系や、味の素、旭硝子、キリン

といった給与水準の高いメーカーなどと比較して見るといいだろう。

4. メガバンクの中で何故みずほか?

もともとメガバンクの中でも、みずほだけが銀行システムの統合で

失敗したり、今回のような特損計上をしたりと、他の2行より遅れを

取っている。

 

とはいえ、三菱UFJ・三井住友と比較して、それほど難易度が

異なることはないだろう。

 

それは、他のメガと比べて安いという話もあるが、給与水準が大きく

違わないからではないだろうか?

 

みずほ銀行の場合、

初年度は400万円程度で、4年目で600万円、6年目で700万円、

そして8年目にストレートで課長代理に昇格できれば850~1000万円位に

上昇する。

そして、10年目に課長職に該当する調査役に昇格できると、年収は

1100~1300万円位となる。

さらに、14年目位に副支店長に昇格できると1300~1400万円となる。

部店長クラスにはなかなかなれないが、昇格できると、1800万円位には

なるだろう。昔はもっと高かったのであるが。

 

総合商社とか、国内系専門職には及ばないが、他のメガバンクと比較して

得に劣っているレベルではないだろう。

 

しかし、今回のような巨額の損失を、みずほだけが今後もちょくちょく

計上することになると、年収水準は他の2メガバンクとじわじわ差がついていく

ことはあり得る話だ。

 

そうであるならば、メガバンクを志望する場合でも、難易度に大きな差が

あるわけでは無いので、他の2メガバンクにフォーカスした方がいいのでは

ないだろうか?

最後に

3/1からのOB/OG訪問は、実質的な採用選考なので、下手な質問はできないが、

今回のプレスリリースの最後の頁(5P)に載っている、将来の重点領域

について質問してみてはどうだろうか?

 

「更に、ライフスタイルの多様化やシェアリングエコノミーの拡大等の

構造変化に対応するために、異業種等とのオープンな協業や戦略投資

を通じた事業ポートフォリオの組み換えを積極的に実施し、

「金融・非金融が融合する分野」においても、顧客基盤や

ソリューション領域を拡大していきます。」

 

「金融・非金融が融合する分野」とは具体的に何のことを言っているのか

質問してみたらよい。

おそらく、若手の行員は答えられないのではないだろうか?

 

場合によっては、このプレスリリースさえ読んでいないかもしれない。

 

そうだとすると、そういう会社に就職していいかどうか等、

いろいろ考えることが出てくるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京大学法学部の就職と課題について。京都大学法学部と比較するとどうか?

 

1. 東京大学法学部の就職事情は他の大学の法学部とは大きく異なる

一般的に、就職というと民間企業への就職を想像し、どこそこの企業に何人

くらい就職したかというのが関心事項となる。

 

ところが、東大法学部の場合は、こちらの大学公式HPの通り、その他の

大学とは、以下の点で全く異なっているのだ。

http://www.j.u-tokyo.ac.jp/admission/wp-content/uploads/sites/4/2017/11/H2903shinro.pdf

 

(1)公務員(特に中央官庁)への就職者が非常に多い

(2)法科大学院等、大学院への進学者が非常に多い。

(3)「その他」留年する人数が非常に多い。

 

官僚、弁護士(法曹関係)志望者が多いというのはイメージ通りであるのだろうが、

民間企業への就職者数・割合が思っていた以上に少ない(低い)気がした。

せめて半分位は民間企業に就職すると思っていたが、実際は1/3位であった。

 

東大法学部生の進路(平成29.3卒業生)
法科大学院進学者 78 20%
公務員 91 24%
民間企業就職 129 33%
それ以外 88 23%
合計 386  
※大学HPの数値を基に作成  

 

京都大学法学部の場合は、法科大学院進学者の割合が高い(約四分の一)点は

類似しているが、公務員への就職者の割合がこれほど高くなく、

また、「それ以外」というカテゴリーもこれほど多くはない。

(なお、京都大学法学部の就職状況はこちら。)
blacksonia.hatenablog.com

 

また、慶応大学、早稲田大学一橋大学の各法学部についても、

民間企業への就職者の割合は7割位はあるので、東大法学部のように1/3

というのは驚きの数字では無いだろうか?

2. 東京大学法学部から公務員(特に中央官庁)になる者は今でも多い

東大法学部というと、財務省経済産業省、外務省といった中央官庁を

想像する人は多いであろうが、以前ほどは官僚の人気も低下したと聞く。

 

給与水準が低い、世間からの評価が低下してきた、年功序列といった

要因から、官僚の人気が低下し、若くから活躍出来て高給がもらえる

外銀・外コンのようなところを目指す学生が増えたからだという話もある。

 

しかし、それでも公務員(中央官庁81人、地方公務員10人)に

なる者の比率が24%もあるので、まだまだ官僚志向は弱くは無いのでは

ないだろうか。

3. 東京大学法学部から法科大学院に進学するパターン

①思ったよりも弁護士志望者は多くない?

昔は「上位1/3が法曹を目指す」というように言われたこともあったが、

法科大学院に進学する者の比率は約20%であり、思ったよりも

多くは無かった。

 

もっとも、近年では、法科大学院に通うよりも、予備試験経由で弁護士を

目指す学生も増えてきたという。従って、法科大学院に進学する者以外に

弁護士を目指す学生もいるだろう。

 

むしろ、最優秀層は面倒で回りくどい法科大学院経由よりも、在学中から

受験ができる予備試験ルートを好むという話も聞く。

そういった学生も「その他」のカテゴリーに一定数はいるのだろう。

②今から弁護士を目指すのは勝ち組か?

文系トップの東大法学部から、今更、弁護士を目指すのは果たして

勝ち組と言えるだろうかというのが気になるところである。

 

弁護士の総数は減るどころか、今後も増え続ける。

他方、需要が拡大するという見込みはあまりない。

 

そうであると、弁護士の年収は、今でも厳しいと言われているのに、20年後、

30年後は更に厳しくなるのではないかという見方もある。

 

しかし、東大法学部の場合は事情が異なる。

何故なら、大手渉外法律事務所のパートナーというプラチナ・キャリアが

残されているからである。

 

各大手渉外法律事務所のHPで開示されているが、パートナーの過半数

東大法学部出身である。

今でも、大手渉外法律事務所のパートナーに就任すると、

年収4000~5000万円スタートで、エクイティ・パートナーともなると、

1億円を余裕で超える。

しかも、外銀のように45歳実質定年とか、突然リストラをされるリスク

というのは低い。

 

もちろん、パートナーになれるのは同期入所の5人に1人と予想されたり、

就任年齢が40歳以降になったりと、昔よりは厳しくなったが、

まだまだ美味しいポジションであることは間違いない。

 

従って、東大法学部⇒法科大学院(或いは予備試験)⇒新司法試験合格

司法研修所⇒大手渉外法律事務所⇒パートナー、

という長い長い道のりではあるが、東大法学部生に限ると、

弁護士での勝ちパターンはまだ残っているのだ。

 

他方、東大法学部出身でも、大手渉外法律事務所ではなく、いわゆる街弁に

なるのであれば、学歴は関係ないのでかなり厳しいキャリアになるのでは

ないだろうか?

(東大法学部と弁護士の年収等については、こちらの過去記事をご参照

下さい。) 

blacksonia.hatenablog.com

4. 東京大学法学部から民間企業へ就職するケース

ようやく、民間企業である。

大学の公式HPの、民間企業への就職状況についての開示状況は極めて

悪い。ある意味、京都大学法学部とは対照的である。

具体的な企業名の開示は無く、セクター別の就職人数を開示しているのみ

である。

このため、推察という要素が多くなってしまうが、東大法学部からの

民間企業への就職については、以下のような特徴があると思料される。

①企業側の立場からすると、東大法学部生を採用するのは極めて困難である

そもそも、東大法学部から民間企業に就職してくれる学生数は

わずが129人しかいない。

 

従って、採用側である企業の立場からすると、東大法学部生を採用

するのは極めて困難である。

 

「うちは学歴には興味が無いから、無理して東大法学部生を

採る気はないよ。」と言えればいいが、そうは言えない業種・企業が

沢山あるのだ。

 

例えば、以下のような業種については、役員に占める東大比率が高く

東大法学部生を採れないとなると、人事部長は厳しい立場に置かれて

しまうことは想像に難くない。

(もちろん、こういった企業もタテマエとしては「うちは学歴だけを

見るわけでは無いので気にしません。」というのだろうが、

大企業で採用関係の仕事に就いたことがある人なら、それはウソである

ことがわかるだろう。)

 

〇銀行(政府系金融機関含む)

〇大手生損保、大手証券、

重厚長大系、素材系メーカー(重工業、鉄鋼、化学など)

〇インフラ系(NTT系、JR系、電力・ガス)

 

時々メディア等で、「東大(法学部とは限らないが)でも内定が全然取れない」

的な話を過度に協調して取り上げたりするので、東大でも就活は楽勝とは

言えないというイメージを持つ人がいるかも知れないが、

少なくとも東大法学部に限ると、通常そういうことはあり得ない。

多くの需要に対して、供給が全然足りないのは明らかである。

 

外銀・外コン・総合商社クラスになると、東大法学部でも全落ちするケースも

あるかも知れないが、それ以外の大手だとフリーパス状態のはずだ。

②トップ層の一部は外銀・外コンに?

従来だと、東大法学部のトップ層は司法試験を目指していたのだろうが、

最近では、法曹には興味が無く、最初から外銀・外コンを志望するトップ層が

出てきているようだ。

 

確かに、外銀・外コンの新卒採用においては、大抵東大法学部がいるので、

そういった傾向は出てきたのであろう。

 

もっとも、リーマンショック以降、外銀のパイ自体が今後拡大するとは

あまり期待できない。

また、外コンについても、マッキンゼーやBCGは最近では1学年40-50人

もの大量採用をしているようだ。従来は、MBBは1学年4~5人位

しか採らなかった時代が長かったので、ここ最近の業界全体の

採用急拡大は将来のコンサルの価値下落を招きかねないところが

気になるところである。

 

少なくとも、あと4~5年位は東大法学部生の外銀・外コン人気も続きそうであるが、

中長期的にはどうなるかはわからない。

5. 東京大学法学部の就職における課題

東大法学部生は結構フレキシビリティも高いようで、弁護士や官僚が

イマイチかも知れないとみると、素早く外銀・外コン・総合商社

という流行りに切り替えることが出来ている。

 

また、起業という点においても、マネックス証券松本大氏、

村上ファンド村上世彰氏、ライフネット生命岩瀬大輔氏、

と有名起業家を輩出している。

 

それに、弁護士や官僚が将来的に人気や年収が低減していくとしても、

トップ層はそれなりなはずなので、ここのトップ層を押さえている

東大法学部は強いだろう。

 

従って、特に課題というのは見当たらないのだろうが、強いて言えば、

以下の点があげられるだろうか。

内需型非グローバル企業に就職し、転職力を欠く場合

少子高齢化に伴い、国内市場はほぼ確実に縮小が見込まれる。

そこで、海外で稼いだり、新規事業を創造しないと長期的には

生き残れない、或いは、今の収益性を維持できない。

 

グローバル対応やIT周りに弱そうな、内需型企業に就職し、

語学や専門性において競争力を欠くまま、40代に突入してしまうと

いくら東大法学部出身とは言え、それだと転職するところがない。

 

例えば、銀行(特に地銀)、生損保、地方のインフラ企業、

などは要注意である。

②稼げる個人事業者の輩出

東大法学部生の優れたところは、フレキシブルに稼げそうな業種・職種に

素早く目を向けることが出来る点である。

このため、ベンチャー起業に着眼している学生もいる。

 

とはいえ、東大法学部卒の(稼げる)ユーチューバーやブロガーは

まだいないはずだ。

 

トップクラスのユーチューバーの年収は5億円以上で、ブロガーでも

トップクラスは1億円以上を稼いでいる。

 

2020年から予定されている5G時代の到来に伴い、

動画化の流れが来ると、個人メディアの影響力は今以上に高まって

来ることが予想される。

 

個人で面白いコンテンツを作成し、動画、SNSを絡めて発信すると、

一気に億単位の収入を得ることが可能になるのだ。

 

東大法学部生に唯一弱みがあるとすれば、エンターテイメント性が

弱いかも知れないということかも知れない。

要するに、一般大衆の笑いや娯楽を理解できるかという点だ。

これは、学力とは全く別物だからだ。

 

しかし、東大法学部生からも、笑いや娯楽のセンスを持つものが

いると、優秀なので桁違いの成功を収めることが可能だ。

 

起業を飛び越えて、成功するユーチューバーやブロガーを東大法学部から

輩出するとなると、ますます無敵になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベンツ?BMW?ポルシェ?年収2000万円の人におすすめなクルマについて考えてみた。

 

1. 年収2000万円の意味

数字のキリがいいからか、「年収1000万円」という基準は非常に多くの

場面で使用される。

 

年収1000万円もらえる企業、年収1000万円で買える家、年収1000万円の暮らし、

等、全般的にはそれなりの高収入という意味で使用されている。

 

それに対して、「年収2000万円」という切り口の使用頻度は大きく下がる。

何故なら、稀少性が年収1000万円と比べて、グッと上がってしまうからだ。

 

反対に、年収2000万円というのはかなりの価値があり、達成するのは

容易ではない。

また、サラリーマンの場合は、給与所得者であっても「確定申告」が

必須となる。この点、国も年収2000万円以上というのはそれなりの

富裕層と考えているということであろう。

 

自営業の場合も、実質年収が2000万円位を超えてくると、株式会社化

した方が有利になると言われている。

自営業者にとっても、節目となるのが実質年収2000万円のラインだ。

2. 年収2000万円でフェラーリランボルギーニは買えるか?

サラリーマンでも、自営業者でも、かなりの高収入と言えるはずの

年収2000万円だが、それでは憧れのフェラーリランボルギーニ

購入可能であろうか?

 

結論的には、残念ながら難しいと言わざるを得ない。

もちろん、他を切り詰めたりするれば物理的に買えないことは無いかも

知れないが、到底おすすめできない、バランスを欠いた暮らしぶりに

なってしまう。

(新車で購入する場合の話。かなりの年式の中古を買うのであれば別である。)

 

フェラーリの場合であれば、年収4000万円位は欲しいところだ。

blacksonia.hatenablog.com

 

また、ランボルギーニについては、フェラーリよりも若干年収が低くても

購入できそうであるが、それでも、年収3000万円は欲しいところだ。 

blacksonia.hatenablog.com

3. 年収2000万円の人におすすめのクルマは?

フェラーリやランボは厳しくても、年収1000万円くらいだと手を

出しずらく、年収2000万円の人におすすめのクルマはこのあたりであろうか。

①ベンツのAMG

一番のおススメはこれである。

何故なら、「ベンツ」というメジャーな知名度と、「AMG」という

個性の両方を備えていて、かつ、実用性も高いクルマだからである。

 

今更、普通のベンツのEクラスとかCLSあたりだと面白みもインパクトも

欠けるかも知れないが、「AMG」というとかなり個性的である。

 

昔は、2000万円~3000万円くらいしていて、フェラーリやランボと

並ぶ位のイメージであったが、いまではCクラスベースだと

諸経費込みで1000万円強で購入可能である。

 

しかも、売れ筋はCクラスベースなので、実用性の高いこのサイズで

丁度良いのではないだろうか? 

blacksonia.hatenablog.com

②BMW5シリーズ

今更、BMW5シリーズかよ、という人もいるかも知れないが、

そこまでクルマばかりに力を入れたくないという人にはおススメだ。

 

また、AMGとかポルシェのような派手なクルマは好きではないという人も

いるだろう。

それでも、普通のベンツやアウディと比べると個性的だし、

マセラティあたりと比べると、遥かに実用性が高い。

 

リーマンショック前には、外資系証券会社の若手(20代!)の間で

流行っていたことからも、何となくBMW5シリーズというのは

知的な感じもする。

 

それに、価格的にも800万円台で購入でき、お買い得感がある。

(もっとも、下取り価格はそれほど魅力的ではないが) 

blacksonia.hatenablog.com

③ポルシェ ケイマン

いかにもスポーツカーを好み、飛ばしたい人にはおススメのクルマが

これである。

 

本当は、実用性が高く、下取り価格も極めて高い、カレラを

買えればいいのだが、新車のカレラだと込々で1500万円位になってしまう。

 

やはり、年収の半分位までを購入価格としたいので、カレラは

若干予算オーバーという感じである。 

blacksonia.hatenablog.com

 

もっとも、ケイマンは十分に魅力的だ。

性能的には、完全にスポーツカーであるし、故障もしない。

見た目の個性、インパクトも十分にある。

 

今は何でもかんでも大型化している中、都内では運転しにくく

なっているが、ケイマンは小型であり、都心で利用するのにも便利

である。

 

価格も、諸経費込みで850万円程度であり、下取り価格もそこそこで

あることを踏まえると経済性もある。

 

但し、最大の問題は、2シーターであることだ。

1人暮らしならまだいいかも知れないが、2人だと、旅行に行く場合には

荷物をボンネット下に格納しなければならず、1台だけの所有を

前提とすると少々不便である。

最後に

年収2000万円というと、それなりに成功した者の証であって、

かなりの高級車を購入可能である。

 

とはいえ、フェラーリランボルギーニになると少し手が届かない。

 

将来はフェラーリランボルギーニを意識して、その間は、上記の

AMG、BMW5シリーズ、ポルシェケイマンあたりに余裕をもって

乗っていて、年収4000~5000万円を目指せばいいのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京大学経済学部生の事業会社(非金融)への就職について考えてみた

 

1. 東京大学経済学部生の就職状況

東大経済学部生の就職状況について、大学のHPによる開示はあまり詳細

ではない。

学生向け情報

 

このように、就職実績先の具体的な企業名については開示しているものの、

各企業への就職者数が良くわからない。

 

しかも、金融機関は「サービス業」に含まれているので、どれ位のシェア

かはよくわからない。

 

また、「その他(不詳)」が22.7%とある。

 

とはいえ、主な就職先に紹介されている企業名を見ると、

3メガバンク、大手生損保、大手証券、大手外銀の名前があるので、

早慶同様、それなりに多数が大手金融機関に就職していることがうかがえる。

2. 金融機関以外に就職をしたくなる場合

大手金融機関の場合、年収水準は高いし、それなりのネームバリューは

あるので恰好はつく。

しかも、東大の場合は、入社後も配属や昇格において有利な場合があるので

十分に合理的な選択肢として考えられる。

 

実際、何十年も前から、特にやりたい仕事があるわけではないので、

とりあえず金融機関というパターンは珍しくなかった。

 

しかし、金融機関は収益のほとんどを国内で稼ぐというか、海外で

稼ぐことができない。

そして、少子高齢化のため国内市場は将来先細っていく蓋然性が高い。

 

また、AIやフィンテックの進展によって、金融機関の業務は将来、

機械化・省力化が予想され、メガバンクの人員削減策の発表とも

相俟って、金融機関に対する就活人気度は低下したようだ。

 

スキル的にも、M&Aやトレーディングなどの業務は別として、

特にリテール業務は他業界で転用できるスキルではないため、転職力

という観点からは、東大を始めとした高学歴の学生の間でコンサルなどが

好まれたりしている。

 

このため、東大経済学部の学生の中でも、あえて、金融機関以外の事業会社

に就職することを考えたいという学生が増えてもおかしくないだろう。

3. 東大経済学部生が事業会社を選択するにあたっての判断軸

これは、人それぞれなのだろうが、以下の判断基準に基づいて

事業会社(業界)を検討することとしたい。

①入社することが難しい(採用数がある程度少ない)

せっかく東大に入学することができたので、東大にふさわしい企業に

就職したいという願望はあるだろう。

それを一歩進めて、「東大でなければ入りにくい」企業を抽出したい。

②給与水準がそれなり(生涯賃金メガバンク並み)

学生の段階では、実際に働いたことが無いので、興味ややりがいといった

主観的な事情に基づき、選択するのは危険である。

何故なら、そういったものは実際にやってみないとわからないし、

そもそも、日本の企業の場合、部門別採用では無いので、やりたいと

考えていた職種に就ける保証は無いからである。

 

そうなると、重要なのが給与水準である。

事業会社においても、メガバンク並みの生涯賃金が期待できる業界・企業を

選択したいところだ。

③転職力が付く(或いは安定している)

現在稼げている企業でも20年後、30年後はどうなっているかはわからない。

会社自体は無くなっていないかも知れないが、競争力・収益力を失い、

給与水準が大幅に下がっているかも知れない。

このため、いざという場合でも、転職力があれば、給与水準や待遇を

回避することが可能となる。

4. 魅力のある事業会社(業界)について考える

コンサルティング・ファーム

コンサルティング・ファームは最近、急速に採用を強化している。

マッキンゼー、BCGといった戦略系ファームの最高峰も、ここ数年では

マッキンゼーでも40~50人位新卒採用をしている。

 

そして、総合系ファームの中でも最大手のアクセンチュアは500人位新卒

採用をしているとも言われている。

 

門戸が広くなったこと自体は、学生にとっては喜ばしいことかも知れないが、

このような大量採用が長年継続すると、インフレによって、

コンサルの価値が低下してしまうリスクがあることを十分にふまえる

べきだ。

 

最強の資格であった弁護士でさえも、司法制度改革に伴う供給の増大により

10年も経たないうちに価値が急落したことがその例だ。

 

従って、コンサルティング・ファームを選択するにしても、

トップティアのファームに絞るとか、確固たる専門スキルを習得するよう

心掛けるなど、何らかの対応をしておかないと、10年後位に自分の市場価値が

落ちてしまうことに留意しなければならない。

 

なお、コンサルティング・ファームの年収やキャリアパスについては

こちらのサイトが詳しい。

コンサルタントの仕事内容とキャリア - 戦略コンサルによる転職ブログ

②総合商社

今は、東大生の就職人気ランキングの上位を占める総合商社である。

金融機関志望者(特に外銀)も金融機関を希望しない学生も、

総合商社には興味があるのではないだろうか?

 

とはいえ、総合商社も20~30年前は今ほどは人気が無かった。

当時は、大手金融機関の方が年収レベルは高かったし、販売の中抜きという

ことで「商社冬の時代」と言われていたこともあったからだ。

 

しかし、金融機関の長期的な収益性・人気の低下と、資源価格高騰に

起因した総合商社の収益性の向上と年収水準の増加によって、

すっかり地位は逆転してしまった。

 

総合商社に就職することは悪いとは思わないが、ただ、このような人気が

20年後、30年後も継続しているかは保証の限りでは無いし、

総合商社の場合は、金融プロフェッショナルやコンサルのような確固たる

スキルが身に付かないので、転職力には欠けるということには

留意する必要がある。

③マスコミ、大手代理店

フジテレビ、日テレ、TBSなどのキー局である。

ここはコネが無いと、少人数しか採用せず、かつ超人気職業なので、

東大のような学歴が無いと難しい。

 

また、電通博報堂も同様である。

 

テレビは将来ネットに覇権を奪われるということはよく言われるが、

メディア・コンテンツ作成能力というのは転用可能なスキルなので

キー局に入ること自体は悪くないと思う。

 

また、物やサービスの機能的・スペック的な価値はどんどんコモディティ化

していくので、ブランドとか広告が将来はますますビジネスにおける

カギになっていく可能性は高いと思われる。

 

従って、電通博報堂で広告やブランドを学ぶことができれば、転職力も

修得できると思われる。

 

なお、広告代理店の場合だと、東大経済学部であっても、電通博報堂

は保証の限りでは無いので、「主な就職先」にも載っている、

ADK東急エージェンシーぐらいまでなら、行ってもいいと思うが

いかがだろうか?

 

個人的には、総合商社に行くよりは、「メディア・コンテンツ」、

「広告・ブランディング」といったスキルを習得できるこちらの業界に

行きたいと思うが、好き嫌いが分かれる業界であろう。

三井不動産三菱地所

地味ながら、超難関企業である。両社ともに数十人しか採用しないからである。

また、選考基準が、外銀・外コン・総合商社のような「グローバル人材」を

求めているわけでは無いので、単なるスペック勝負ではない。

 

OB/OGとのコネクションとか、リクルーターとの相性がカギになってくる

ところである。

 

三井不動産の場合は特に給与水準が極めて高い。

40歳時点で1600~1800万円くらいある。

メガバンクよりは高く、総合商社レベルは十分にある。

 

課題は、転職力である。不動産業界の外には出ていくことが難しいし、

不動産業界の中で同業他社を探すと、給与水準が大幅にダウンしてしまう。

 

もっとも、バリバリの終身雇用なので、リストラ等によって他を探さなければ

ならないリスクは極めて低いが…

野村総合研究所NRI)、三菱総合研究所MRI)

両社は収益的には①のコンサルに含まれるのかも知れないが、

昔からの2大シンクタンクということで別カテゴリーとした。

 

三菱総研の場合は、給与水準が大手金融機関と比べると劣ってしまうが、

産業界におけるネームバリューは極めて高く、昔から東大経済学部の

中でも地味ながら人気が高い。

 

野村総合研究所は、とにかく業績が好調で儲かっているので、

給与水準が高い。40代の課長だと年収2000万位も可能である。

 

よくある就活の基準の「モテ度」という切り口においては、

商社や代理店に大きく劣るかも知れないが、産業界或いは高学歴の

学生/社会人からは評価されるので、東大経済学部生好みの渋めの

就職先と言えよう。

外資消費財メーカー

P&Gに代表される、近年、就活生に人気の外資消費財メーカーである。

P&Gはマーケティングスキルということと、年俸もそこそこということで、

トップ学生の間において人気が高いことは理解できる。

 

但し、外資消費財メーカーは何でもいいという訳ではない。

ユニリーバ、ルイヴィトン、ネスレ、ロレアルあたりもかなりの

人気のようだが、とにかく給与水準が高くない。

 

また、外資系⇒若いうちから活躍できる、というのも要注意な発想である。

外資系の場合、完全に中途採用文化が根付いているので、管理職以上は

外部から入ってくる場合が多い。

従って、新卒でヒラから始めても、自分の上に外部から上司が

入って来たりするのは面白くないであろう。

中途で管理職以上で入社するということも検討すべきである。

 

従って、国内系消費財メーカーの本当にいいところ、サントリー

味の素あたりを狙うのも手なのだが、「外資系」というところにカッコよさが

あるようだ。

 

また、東大経済学部位になると、サントリーや味の素だと沢山採用するので

特別な感じがしないというのもあるかも知れない。

外資系IT企業

GAFAマイクロソフトシスコシステムズ、オラクルあたりである。

結構給与水準も悪く無いし、転職力も磨かれる(部署・職種によるが)。

 

東大経済学部生が狙うとするならば、⑥の外資消費財メーカーよりは

こちらではないだろうか?

 

もちろん、経済学部の場合には、通常プログラマーとしての入社では

無いので、どういった職種を狙うかがカギになるだろう。

最後に

銀行や保険会社が20年後は無くなることはないであろうが、

給与水準が2割下がる可能性は十分にあるだろう。

 

となると、仕事の面白さとか、転職力を考えると、何となく金融と言うのは

リスクが高いことがわかるであろう。

 

コンサルを選択するというのは問題ないが、終身雇用では無いので、

セカンドキャリアを予め意識しなければならない。

そして、コンサルのセカンドキャリアで一番多いのは事業会社であるので、

学生のうちから、いろいろ考えて視野を広めておきたいところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部との就職の比較について

 

1. 慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部の就職状況

①就職状況に関するデータソース

慶應大学の場合、学部別に上位就職先企業(3名以上上位20社)について

HP上で開示をしてくれている。

 http://www.gakuji.keio.ac.jp/life/shinro/3946mc0000003d8t-att/a1530669479061.pdf

 

早稲田大学の場合は、全学部合計で5名以上の就職先について、学部別に詳細な

開示をHP上で行っている。

このため、全学部で5名以上就職している企業については、各学部からの

就職者が0~4名でも開示されているため、便利である。 

https://www.waseda.jp/inst/career/assets/uploads/2018/07/2017careerdata.pdf

慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部の就職状況

慶應大学の法学部は、法律学科と政治学科とにわかれており、早稲田大学

法学部は法律学科のみなので、慶応大学法学部の法律学科(政治学科は含まず)

早稲田大学法学部とを比較することとした。

 

なお、就職者の総数であるが、慶応大学法学部(法律学科)は455名で

あるのに対して、早稲田大学法学部は629名と、約4割程度、

早稲田大学法学部の方が母集団が大きくなっている。

 

就職者数合計 455 629
  慶應大学法学部法律学 早稲田大学法学部
三菱UFJ銀行 10 9
みずほ銀行 9 7
東京海上日動火災保険 9 16
三井住友銀行 8 8
東京都 7 27
野村證券 7 1
デロイトトーマツコンサルティング 6 1
伊藤忠商事 5 6
三井住友海上火災 5 6
三井住友信託銀行 5 9
三井物産 5 4
三菱商事 5 2
住友商事 5 3
電通 5 0
日立製作所 5 2
弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所 5 NA
丸紅 4 6
国土交通省 4 NA
損害保険ジャパン日本興亜 4 4
日本銀行 4 0
野村総合研究所 4 2

 

2. 慶應大学法学部(法律学科)と早稲田大学法学部との就職の比較

慶應大学法学部(法律学科)の上位20社のリストを基に、早稲田大学法学部の

就職者数を参照する形でリストを作成した。

 

基本的に、両校両学部ともに伝統あるトップ校で就職状況が全体的に良好なのは

間違いないが、もう少し細かい点を業種別に以下で比較してみた。

①大手金融機関への就職について

まず、3メガバンクについては、慶応大学法学部(法律学科)からは

合計27人(5.9%)に対して、早稲田大学法学部からは24人(3.8%)

就職している。若干、慶応の方が就職者の割合が高い。

 

他方、東京海上三井住友海上、損保ジャパンの大手損保については、

慶應大学法学部(法律学科)からは合計18人(4.0%)、

早稲田大学法学部からは26人(4.1%)とほぼ互角である。

 

また、野村證券については、慶応法学部(法律学科)から7人に対し、

早稲田大学法学部からは1人と差があるようだが、

早稲田大学法学部からは日本生命に6人、第一生命に6人と

大手生保では早稲田の方が多い。

 

結局、大手金融機関については、ほぼ互角と言うことでいいのではないかろうか。

②総合商社について

大学(学部)の就職力を測る上でのバロメーターとなり得るのは、

最難関とされる総合商社への就職力では無いだろうか?

 

そのうち、大手5社について比較すると以下のようになっている。

  慶應大学法学部法律学 早稲田大学法学部
三菱商事 5 2
三井物産 5 4
住友商事 5 3
伊藤忠商事 5 6
丸紅 4 6
合計 24 21
就職者総数に対する比率 5.27% 3.33%

 

就職者総数に対する比率で、慶応大学法学部(法律学科)が早稲田大学

上回っている。

また、総合商社の中でもトップとされる三菱商事について、

慶應大学法学部(法律学科)が5名に対し、早稲田大学法学部は2名と

なっている。

 

従って、総合商社に対する就職力においては、若干慶應が早稲田を

上回っているというところだろうか。

③コンサル、マスコミ等のその他の業界について

まず、人気の電通博報堂については、慶応大学法学部(法律学科)からは、

電通5人、博報堂はNA(3名以下)である。

他方、早稲田大学法学部は電通博報堂ともにこの年は0名であった模様だ。

もっとも、NHKには4名就職しており(慶應大学法学部法律学科はNA)、

マスコミについては、慶応大学法学部(法律学科)が明らかに強いという

ことは言えないであろう。

 

また、人気のコンサルティング・ファームについては、

慶應大学法学部(法律学科)からは、デロイトトーマツコンサルティング

6名だが、それ以外は不明である。

早稲田大学法学部は、デロイトトーマツコンサルティングこそ1名だが、

アクセンチュア3人、アビームコンサルティング4人、

イカレントコンサルティングに2名であるので、この点については、

両学部に特に差は無いのではないだろうか。

まとめ

慶應大学法学部(法律学科)も早稲田大学法学部も、

大手金融機関、総合商社、コンサル等に就職者を送り込んでおり、

量的な面では特に両校両学部の差は特に無く互角と言えるのではないだろうか。

 

ただ、総合商社において慶應大学法学部(法律学科)が若干上回っているので、

この点が慶應が良く見えるところかも知れない。

 

もっとも、法学部(法律学科)の優劣というのは、従来は司法試験合格者数

というのが大きく、かつては、この点で長らく、早稲田法>慶応法(法律学科)

であった。

しかし、法科大学院における慶応法科大学院の活躍や、弁護士の人気低下に

伴い、弁護士の数で法学部を比較する時代ではなくなっているのかも知れない。

 

そして、両校両学部ともに、法科大学院に進学する者の割合はせいぜい15%

位なので、弁護士を目指す者の割合はそれほど高くは無い。

そうなると、経済学部や商学部ではなく、何故わざわざ法学部(法律学科)

を選択するのかについて、将来のキャリアを踏まえた上でじっくり考える

ことが重要だと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

京都大学法学部の就職と課題について。東大法学部と比較するとどうか?

 

1. 京都大学法学部の進路における特徴

法科大学院への進学率が高い

京都大学法学部の就職を見る前に、まず、進路の特徴を把握しておく

必要がある。

 

というのは、京都大学法学部の特徴として、大学院進学、特に、

ロースクール法科大学院)への進学者数が大変多いのだ。

学部卒業生の進路 | 統計で見る法学部・法学研究科 | 京都大学 法学部・法学研究科

 

上記のリンクは、京都大学法学部の公式HPからであるが、

この中で直近の年次を見ると、325人の卒業者のうち、100人(31%)が

大学院に進学している。

 

そのうち、81人が法科大学院への進学者であり、その比率は25%である。

何と、京都大学法学部の場合は、約4人に1人が法科大学院に進学しているのだ。

 

実はこの比率は東大法学部よりも高い。

東大法学部の場合は、386人の卒業生のうち、法科大学院進学者は78人であり、

比率でいうと20%である。

京都大学法学部の方が、東京大学法学部よりも法科大学院進学率が5%

高いのだ。

 

これは少々意外感があるが、法曹志望者の割合が高いのが京都大学法学部の

大きな特徴だ。

②公務員への就職者も多い

京都大学法学部の特徴として、公務員に就職する学生が多い。

直近の卒業年次で見ると、325人の卒業生のうち、21人が中央官庁に、

13人が地方公共団体に就職し、合計34人(約11%)が

公務員に就職しているのだ。

 

この比率は、東京大学法学部(91人/386人=24%)と比べると、

その比率は低い。

2. 京都大学法学部の民間企業への就職状況について

上記の通り、京都大学法学部の場合、何と4人に1人が法科大学院に進学し、

他に法科大学院以外の大学院に進学する者や、公務員となる者が多い。

従って、民間企業に就職する者の比率は約半分とかなり少ない

ことが特徴である。

 

京都大学の就職に関するディスクロは大変よく、就職者が1人でもいる

企業名を全て開示してくれているが、1人の就職先も含めると

かなりの量になるので、2名以上の就職先に絞って記載すると、

以下のようになる。(民間企業のみ)

 

三井住友銀行 9
大阪ガス 5
日本生命 5
みずほFG 5
東京海上日動火災保険 4
丸紅 4
三菱UFJ銀行 4
イカレント・コンサルティング 3
関西電力 2
サイバーエージェント 2
シティ・コム 2
新日鐵住金 2
住友商事 2
住友生命保険 2
JR東海 2
トヨタ 2
JR西日本 2
三井住友信託銀行 2
メルコホールディングス 2

 

 このリストにある企業への就職者数合計が61名で、全民間企業就職者の約4割しか

カバーしないので、特定の企業や業種には他の有力校と比べて集中していない

ように見える。

 

また、大阪ガス関西電力JR西日本という関西ローカル的な企業も

ランクインしている者の、その割合は特に顕著とは言えず、

京都大学経済学部と同様に、中央志向が結構強いのではないだろうか?

 

いわゆる、高就職偏差値企業・人気企業ランキング的な視点からすると、

京都大学経済学部の方が、就職状況はいいようにも見える。

京都大学経済学部の就職状況についてはこちら。) 

blacksonia.hatenablog.com

3. 京都大学法学部の就職の課題について

①多くは弁護士の将来のステイタス性に掛かっている?

京都大学法学部の就職先のトップシェアは、法科大学院であり、

その比率は約四分の一もあり、東京大学法学部よりも高い比率となっている。

おそらく、日本の大学で最も法科大学院進学率が高い法学部であろう。

(ちなみに、法科大学院進学率は、早稲田、慶応の法学部で約1割、

一橋大学の法学部で約15%)

 

法科大学院卒業後、裁判官や検察官になる者もいるが、大半は弁護士に

なるだろう。

 

そうすると、弁護士の社会的評価が京都大学法学部(というか有力校の法学部全体)に

影響をするだろう。

 

司法制度改革が浸透する前、リーマンショック前くらいまでは、弁護士のステイタスや

収入レベルは高く、司法試験合格者数や合格率が高い法学部は評価も高かった。

しかし、既に弁護士の人気や評価は下がり始めているので、10年~20年後は

どうなるのかが気になるところである。

②外銀・外コンを目指さなくていいのか?

東京大学法学部の場合、昔は、「上位三分の一は司法試験を目指す」と

言われていた時代もあったようだが、最近では、最上位層が外銀・外コンを

志望するようになってきているという。

 

他方、京都大学法学部の場合は、外銀・外コン志向はまだ見られないようだ。

京都大学の場合、1名以上就職者がいる企業は全開示してくれているのだが、

ゴールドマン・サックス等の外銀、マッキンゼー、BCG、ベインといった

戦略系の外コンへの就職者は見られなかった。

 

この辺りは、弁護士>その他の民間企業というコンサバな価値観が残っている

からかどうかはよくわからないが、もし、弁護士のステイタス・年収水準が

このまま少しずつ下がり始めたとすると、法学部自体の評価もつられて

下がりかねない。

 

この点は、既にゴールドマン・サックス証券JPモルガン証券、BCGといった

外銀・外コンに就職者がいる、京都大学経済学部とは異なっているようだ。

感想

京都大学法学部の特色は何といっても、法科大学院進学率の高さである。

東京大学法学部よりも比率が高いというのは意外感があった。

法科大学院の人気・難易度は明らかに低下しているようだが、定員を減らして

供給を抑制したからか、有力大学の法学部の難易度は特に低下していない

模様だ。

 

しかし、法曹(或いは公務員)を目指さないのであれば、法学部に進学する

意味は何かということになる。最初から民間企業への就職を考えているので

あれば経済学部・商学部の方がいいのではないかということだ。

 

この点は、中長期的に興味深いところだ。