大企業からベンチャー企業に転職を考える際の留意点

ネットベンチャーは閉鎖的な社会なので、一旦入り込むと自分の居場所は見つけやすい

大企業に現在働いているエリートサラリーマンも、将来を考えて、ベンチャー企業に転職を考える人もいるだろう。

安定的で好待遇の大手企業から、不安定で薄給のベンチャー企業に行くのは、なかなか難しいのであるが、ネットベンチャーへの転身の大きな魅力は、ネット業界の中の人に慣れるということである。

インターネット業界は閉鎖的で、非上場段階の企業が多いというのもあるのだが、業界の外からはなかなか実態がつかめないし、ネットベンチャー企業も業界の外の事情には疎い。そして、ネットベンチャー業界の中では交流が盛んであり、いろいろなネットワーク・コネクションができる。

従って、一旦ネットベンチャー業界に入って、そこそこのキャリアを積めば、そこから先、ネットベンチャー業界で活躍できる場所が見つけやすくなるのだ。

例えば、話題のメルペイの幹部も皆ネットベンチャーの中の人だ

newspicks.com

こちら注目のメルカリがフィンテック事業で本格的に採用を開始したというニュースである。こちら、メルペイコネクトの経営陣が紹介されているが、社長の青柳氏はグリー出身、取締役の山本氏はGoogle日本法人出身、鈴木氏はネットベンチャー起業家、横田取締役はサイバーエージェント出身と、Googleベンチャーとは言わないかもしれないが見事にみんなネット業界の中の人たちだ。

一旦、思い切ってネットベンチャーの中に飛び込んでしまうと、いろんな業務経験とコネクションができるので、たとえ最初に転職した会社がコケてしまったとしても、次に行くところは見つかりそうな気がする。

しかし、業界或いはその企業の将来性については自分の頭で考えたい

とはいえ、大きなキャリアチェンジになるので、その業界或いは企業の将来性があるのかどうなのかについては、周りの意見に流されることなく、自分自身で多面的にじっくり考えたい。

これ、証券会社の人は「逆バリ」的な思考法を教育されたりするので、ある程度対応できるかもしれないが、他の大手出身者は順バリ的な思考が強く、周りの意見、雰囲気に流されてしまうおそれがある。

例えば、このメルペイコネクトの求人開始に関するNewsPicksの記事についても、いかに皆が肯定的なコメントを寄せていることか。それに、コメントをよく見ると、自分の考えで肯定的なコメントをしているのではなく、メルカリの言っていることをそのまま伝えているだけであり、深い考察に基づく意見ではないだろう。

でも、フィンテックに詳しくない大企業の人とかが見ると、応募してしまうのかも知れない。

ベンチャー企業に行くということは、人の指示ではなく自分自身の頭で行動するということなので、大企業から転職する場合には、冷静な思考と判断が必要だろう。