メルペイコネクトの、経理担当或いは労務担当の求人から20代サラリーマンのキャリアを考える。
今週発表されたばかりの注目のメルペイコネクトのポジションは、20代のサラリーマンにとって魅力があるのか?
今月、8月28日に発表されたばかりのメルペイコネクトの創業メンバー募集であるが、何といっても注目のメルカリのフィンテック事業である。大いに注目され、今週末あたりから応募に向けた準備を始める者も少なくないだろう。
経営幹部候補やマネージャー候補は競争が厳しそうだが、担当者レベル(要するに平社員)の難易度はどうだろうか?
募集要項を見ると、年俸が1500万円以上も期待できるマネージャー職以上は、要求される条件が厳しそうである。他方、平社員レベルのポジションとして、経理担当と労務担当が募集されている。明らかに20代の若手サラリーマンを対象としたポジションだろう。果たして、若手のサラリーマンは応募する価値がありそうだろうか?
その前に、そもそも応募してもオファーがもらえないと仕方が無いので、採用難易度を検証してみたい。
実は老舗大企業と同じ。ベンチャー企業の採用については、もっともらしいウソが結構広まっているので、ここは冷静に分析する必要がある。
ベンチャー企業は実力第一だ。学歴、職歴、経験年数といった見かけは関係なく、本人の人柄や能力で判断されるのだという見方があるが、それは誤りである。
例えば、経理担当の募集要項を見てみよう。
「必須条件」が2項目あって、そのうち1項目に以下のものがある。
〇事業会社での月次決算業務の実務経験(MGRクラス:5年以上、メンバークラス:3年以上)
要するに、経理の経験が「3年」以上と明示されている。従って、経理の職務経験が無い人、もう少し具体的にいうと、レジュメに経理での職務経験が無い応募者はまず書面落ちだ。
「歓迎条件」は人気ポジションの場合は、「必須条件」だと考えた方がいい
次に「歓迎条件」として4項目並んでいるが、ここで注意しなければならないのは、人気ポジションの場合には、「必須条件」と捉えるべきだ。何故なら、多くのレジュメが殺到するので、その中で書面を通過するのは必須条件は当然として、歓迎条件を充足したレジュメだ。転職活動は絶対評価でなく、相対評価であることを認識しなければならない。
このうち、注目すべきは以下の2項目だ。
〇金融機関。Fintech企業での実務経験
〇決済ビジネス、オンラインサービス、モバイルテクノロジー等に関する事業経験
何と、「金融機関」「決済ビジネス」「モバイルテクノロジー」といったキーワードがある。要するに、現在金融機関かネットベンチャーで経理をやっている人が欲しいということだ。だから、無関係の業界、製造業とか会計事務所で経理をやっていても書面落ちしそうだ。
そもそも、創業役員のスペックから判断して、カッコいい会社にいる人が好まれる。
そもそも、メルペイはどういった人が好きなのかということだが、経営幹部のスペック見れば一目瞭然だ。青柳社長は外資証券&グリーの役員、山本氏は元Google等、鈴木氏は起業家、横田氏はサイバーエージェント役員という、誰にでもわかりやすいゴージャスな職歴が紹介されている。これは、そのような人に応募をしてほしいという隠れたメッセージだ。
以上を総合すると、このようなスペックの20代サラリーマンが通りやすい
ある意味、ポテンシャル採用ではなく経験者採用なので、新卒以上に書面のスペックがものをいいそうだ。
〇20代であること。
⇒30以上はよほど光るものが無いとゴミ箱行きを覚悟した方がいい。
〇現在金融機関やネットベンチャー企業で経理の職に就いている者
⇒大手で名前のある会社が優先される。金融なら、メガバンク、大手証券、大手保険。英語は関係ないけど、外資系金融は尚良し。
〇何らかのわかりやすいプラスアルファのあるもの
⇒新規事業とかにかかわった、英語が堪能など
結局、大企業の若手採用とそれほど変わらないのが実態であろう。