転職で嫌われる履歴書の3パターン。大学院への進学や転職は戦略的に行おう。

自分は長年外資系にいるので、採用活動に関与することも多い。そういった中で、明らかに書面段階で落とされてしまう可能性が高い内容の履歴書がある。

外資系企業でもそうなのだから、よりコンサバな国内系企業だとなおさら落とされてしまう可能性は高い。

若気の至りということもあるが、サラリーマンとしてキャリアを積み重ねていくことを考える場合には、将来大きなハンディになるような進学とか転職は回避したいところだ。

1. 複数の大学院+ブランク期間=年齢の割に短い職歴

年を取ってキャリアを重ねれば薄まる場合もあるが、若手のポジション(30歳前後までの年齢を想定)において、真っ先にゴミ箱に直行するパターンがこれである。外資系の同僚と話してみても、満場一致で書面落ちとしてしまう。

具体的には、30歳の時点で職歴が2年程度しかないケースである。

大学卒業⇒大学院進学⇒就職(すぐやめる)⇒海外の大学院、

このパターンである。得てしてこういった場合、国内の大学院と海外の大学院の専攻内容に一貫性がなく、いかにも行き当たりばったりというのが読み取れる。

何故ダメかというのは説明するまでもないかも知れないが、これだと社会適合性が無いと思われるからである。別の言い方をすると、ピーターパン・シンドロームで、働くのが嫌で大学院に逃げているという風に思われても仕方がない。

また、採用者側には「こんなに大学院ばかり行けて気楽でいいな。実家が裕福で学費とか出してもらっているのだろう。」というやっかみ的な要素も加わるかも知れないので、つらいところである。

理系のよほど特殊な分野は知らないが、大学院なんて1つあれば十分で、2つも要らないのだ。

2. 仕事も進学もしていない、履歴書の空白期間が長い

ここでいう空白期間とは1年以上を言う。空白期間が3年以上になるとかなり厳しくなる。

もちろん、空白期間について納得のいく説明がつけばいい。例えば、結婚・出産とか、旦那の海外転勤についていったというケースである。

何がまずいかというと、こちらも一緒に働くの不安になるからである。例えば、前の会社で精神的に支障を来したとか、何か問題を起こしたのではないかとか、ネガティブな想像がいくらでも出てくる。

こういった場合において、合理的な理由があれば、予め転職エージェントに伝えておくべきであろう。求職期間について、納得いく説明を数行程度、職務経歴書のどこかに書いておけば変な想像を避けてもらえるし、「ちゃんとこの人は周りが空白期間を気にすることを理解できてるな」と思ってもらえて挽回の可能性が出てくるからである。

3. 職歴に一貫性が無い

これは、上の2つのパターンと比べると、一発書面落ちになるとは限らない。職歴の一貫性の無さの程度にもよる。

ただ一つ言えることは、書面落ちを回避でき面接まではたどり着けたとしても、一貫性がない職歴は競争力を欠き、一貫性のある他の候補者に見劣りしてしまうということだ。

例えば、外資系金融機関のケースだと、証券会社⇒保険会社⇒銀行⇒運用会社、と業種に一貫性を欠くパターン。

また、オペレーション⇒営業⇒経理、という職種に一貫性を欠くパターン。

それから、国内⇒外資⇒国内⇒外資、という国内系と外資系を行ったり来たりするパターンもある。国内と外資の往復は必ずしもダメとは限らないが、面接で「やっぱり私には国内(外資)系は合わないと思った。」というのはあまり信用されない。

会社は変わっているけど、営業一筋、人事一筋、という方が選好されやすいのは間違いない。

まとめ

外資系だから実力主義というそんな単純なものではない。

たとえ実力があったとしても、最初は履歴書(書面)で判断されてしまうので、戦略性を欠く思い付きの進学や転職をしてしまうと自分の市場価値が下がってしまうことがある。

転職はしてみないとわからないこともあり、失敗することもあるが、だからこそ慎重に先を見据えた行動を取りたいものだ。