40代のサラリーマンが転職に備えて身に着けておくべき3つの習慣
40歳を過ぎると転職はますます厳しくなる
「転職35歳限界説」が言われた時期もあるが、40歳を過ぎても転職はもちろん可能である。しかし、年を取るにつれて、一般的に転職難易度は高まっていくことは否めない。40歳を超えてからのキャリア形成は重要で、実質的な定年が65歳くらいまで長期化していくことを考えると、生涯賃金や生きがいを大きく左右する時期である。
このため、若い時以上に努力をしていくことは重要であり、特に以下の3つの事象については強化していくべき習慣であると言える。
1. とにかく可及的に多くの転職エージェントと接点を持つこと
自分は15年以上、5社以上外資系金融機関で働いており、様々なケースを見てきているが、その中で痛感しているのが、転職は粘り強いものが勝つということだ。特段、実力や経験で差別化することが難しい状況においては、少しでも多くの転職情報をつかんだものが有利なのだ。
転職が前提となっている外資系金融機関の場合でも、常時コンタクトしている転職エージェントは1-2社、ひどい場合にはゼロという人もいる。しかし、何度もクビになってもしぶとく就職先を見つけている人たちの共通点は実に多くの転職エージェントと付き合いがあるということである。
求人企業が依頼する転職エージェントは3社位であることも多く、広く業界全体の求人を把握するには少なくとも5-6社の転職エージェントと付き合う必要があるのだ。また、同じポジションであっても、その中で一番その求人企業に強い転職エージェントに依頼をする方が得策だ。
さらに、最近では敷居が低くなったエグゼクティブ・サーチ・ファームにも登録をしておくことが重要だ。エグゼクティブ・サーチ・ファームとは、コーン・フェリー、ラッセル・レイノルズ、エゴン・ゼンダーのような、役員以上の人材をピンポイントで採用するコンサル的機能を持つ転職エwww.heidrick.co.jp/page/33/ージェントである。昔は自ら登録することは無かったのだが、最近では各社のWebサイトから求職者側から登録することも可能になっている。こういうところは、件数は少ないが、たまに声がかかったときには最終面接位までは行けることが多いので、その力は大きい。
Executive Recruitment & Global Management Consulting - Egon Zehnder
Leadership Advisory | Executive Search | Russell Reynolds Associates
Hay Group is now Korn Ferry | JP
Heidrick and Struggles Asia Pacific
2. 情報収集能力を高めること
特に、他業界への転身も視野に入れる場合には、意識して視野を広げることが必要である。
最近では、特に上場企業の場合にはWebを通じた情報開示体制が充実してきている。単に転職エージェント経由の情報をうのみにするのではなく、自ら企業のIR・決算関係情報に目を通すようにしておきたい。
また、Wantedlyは若手やジュニアポジションにしか役に立たないように思う人もいるかも知れないが、部長クラスの幹部ポジションについても対象となっている。
実際私も、全く縁もゆかりもないインターネット系ベンチャー企業について、転職エージェントでは書面も通過しなかったが、Wantedly経由だと何件も面接までたどりついた。アプリのダウンロードは極めて簡単だし、一旦自分の職歴情報等を登録しておくと気になった企業にボタン一つで応募できるので利便性は高い。
40歳を過ぎたサラリーマンこそ、是非活用してもらいたい。
3. 意図的に他業界の人脈を拡げるような活動をする。
多くのサラリーマンは業界を問わず、40代にもなると同業者とばかりの付き合いが多くなる。このため、常日頃から他業種への人脈を拡げるようにしておかないと、視野が狭くなりがちだし、十分な情報も収集できない。
また、どの業界でも、特に閉鎖的なインターネット・ベンチャー業界においては、コネクションが強力な転職の際の武器となる。
「そんなの、同窓会組織以外に、どうやって他業界に人脈を拡げるのだ?」ということであるが、お金はかかるが、いくつもの手段がある。
第1は、社会人向けビジネススクールを利用することである。その中では、グロービス早稲田がおすすめである。本科生として通学するのはパワーがいるが、そのネットワークの力は大きく、余力のある人は挑戦する価値があると思う。
第2は、社会人向けビジネススクールはヘビー過ぎるという場合には、有料オンライン・サロンもおすすめである。
サロンの人数にもよるが、関心があるビジネス・業界のサロンメンバーになると、高くてもつき月1万円程度で多くの情報が採れるし、オフ会とかもあるので、ネットワーク強化にもつなげることができる。
特に新しいビジネスは、書籍やネットでの情報がまだまだ不十分なので、他よりも良い情報を広く収集することが可能だ。例えば、仮想通貨、ブロックチェーン、IA、起業などの分野は有用なものも少なくない。
他にもやろうと思えばできることはあるが、サラリーマンにおいて40代は踏ん張りどころである。ここでキャリアアップ或いはキャリアの拡大ができるかどうかによって、これから先のまだまだ長い人生が変わってくるので、挑戦すべきだろう。