サラリーマンが億万長者になるためのキャリアプランを考えてみた。

サラリーマンが億万長者になるにはどうすればいいか?

サラリーマンが億万長者になることは可能だ。現にそういう人は実在する。例えば、年収300万円代のサラリーマンが超倹約生活でコツコツと株式投資で5000万円を40代で達成し、その後アベノミクス相場になって、株式保有残高5億円にまで増やしたという人もいる。

「億万長者」の定義によって、それを達成する方策、キャリアプランは異なってくるので、ここでは、以下の2つの条件を設定して考察することとする。

〇コツコツと積立の複利効果で定年時に何とか億り人になるというのは、誰にでも可能性があるが面白くないので、遅くとも40代で数億は貯められることとする。

〇少なく収入で超倹約するというのは面白くないので、年収は遅くとも40代では数千万円以上あり、主として運用ではなく収入がメインで数億貯めることに成功できる。

要するに、ストック、フローの両面でリッチだと思われるオーソドックスなパターンである。

1. 外資系金融機関又は戦略コンサルティング会社に就職する。

まず、一番単純なパターンである。新卒で入社して後は順調に昇進すればめでたしというパターンだ。ところが、これも難しくなってきた。何故なら、リーマンショック以降外資系証券会社(投資銀行)の環境は激変し、昔は普通に1億以上も見られた外資系証券会社でも、年収1億円を達成するのは厳しくなってきている。最上位のMDに到達したうちの一部かも知れない。しかも、ボーナスが収入の大半なので、継続的に1億超えを達成するのは更に厳しい。いくら本人が頑張っても相場という外部環境の影響をモロに受けるからである。

反対に、アメリカでも、リーマンショック以降は投資銀行の窮状に鑑み、トップクラスの学生はコンサルを志向するようになった。日本でもその傾向が出てきているようである。なお、ここでいう戦略コンサルティング会社とは、マッキンゼー、BCG、ベイン、ATカーニーあたりまでの外資系のトップファームのみを意味し、マイナー外資や会計事務所系、国内系はここに含まない。

戦略コンサルティング会社の場合は、転職先には困らないのだが、外資系証券会社ほどは給料はもらえない。上からの2番目のプリンシプル(部長クラス)でも3000万~良くて4000万位であり、若いうちはもっと給料は安いので、ある程度節約しないと40ちょいで1億円は難しい。となると、年俸4000万円以上のMD(或いはパートナー)という最上格まで行かねばならず、極めて達成するのは難しい。

2. 上場前のメガベンチャーに幹部として入社し、十分な額のストックオプションをもらう

リーマンショック以降は、サラリーマンとしての最も美しい成功パターンはこれかも知れない。一流企業に入社し、そこでスキルを磨き、上場できそうな優良ベンチャーのポジションを要領良く見つけ、ストックオプションで上場によりキャピタルゲインをどっさりともらう流れだ。部長クラスの幹部候補で入社すると、例えば、時価総額の0.3-0.6%程度のストックオプションを支給されるというのが一つの目安だ。そして、そこそこイケている企業であれば、上場後300億以上の時価総額を付けることは十分可能だ。そうすれば、上場により、0.9-1.8億円の収入を得ることが可能だ。

しかし、これについては以下の難点がある。

ベンチャー企業は若いので、いくら優秀で見栄えのいい肩書であっても、40歳以上のサラリーマンが良いポジションを見つけるのは至難の業である。

ストックオプションは、通常行使できるまで2年間ある。従って、上場に成功し高い株価をつけても、入社から2年間経たないとお金は入らない。

ベンチャー企業はトップクラスでも、現金ベースでの給与はせいぜい1千万上限なので、一旦年収が下がってしまうことが多い。特に結婚して子供がいる人は、嫁ブロックって転職の機会を失うこともある。

結局、これはサラリーマンと言っても40以上の中高年には厳しく、若いエリートサラリーマン向けのキャリアプランである。

3. 自分で小さな会社を作って、短期間でサクッと売却する。

これは、Early Exit狙いの起業とも言われ、自分で起業するのだから中高年のサラリーマンでも可能である。最近でてきた大変魅力のあるキャリアプランなのだが、自分が起業して社長になるのだから、それじゃあ、そもそもサラリーマンとしての話じゃなくなってしまうかも知れない。

4. 高給のサラリーマンが継続的な資産運用を長期間行う。

これは、無茶な倹約をせず、高給サラリーマンがある程度贅沢な暮らしをしつつ、コツコツ相応な投資も行うというプランである。しかし、毎月10万円を5%複利で25年間運用しても6000万円にしかならない。毎月15万円を25年間で、やっと9000万ほどである。しかし、20代から毎月15万円を休みなく25年間複利で運用し続けるというのは現実味がない。途中で使ってしまうだろうし、25年間だと40代といっても50近くなってしまう。やっぱり、株式投資で途中相場になって、投資額が倍増くらいという事象がないと厳しい。日本企業の場合だと、役員を除くと、40代で最高良くて2000万円位だろうから、コツコツとした投資じゃ難しい。

こうやって考えてみると、サラリーマンが普通にやって1億以上蓄財するのは難しい。副業とかも駆使しなければならないのだろうか。