楽天経済圏というのはわかるが、メルカリ経済圏というのは大きいのだろうか?

アメリカには注力し続け、国内の新規事業を絞りつつあるメルカリだが…

2018年8月の上場後最初の決算発表で赤字拡大を公表し、株価が冴えないメルカリだが引き続き赤字の主たる原因となっている米国事業には注力し続けるようだ。

反対に、国内における新規事業には厳しい。物品現金化アプリとか教育関連アプリとかに関する事業は閉鎖している。

アメリカには投資をし続けなければならない分、国内では一番儲かる本業にフォーカスすべきであり、すぐに目が出なそうな事業をやっている余裕はないということか。

国内の新規事業を絞り込むのは悪くない。

メルカリが国内の新規事業を厳しく評価していくという姿勢は肯定できる。何故なら、IPO後の大型ベンチャー企業の場合、巨額の資金を手にし、財布の紐がゆるくなりがちで新規事業を起こしたり、よそのベンチャー企業を買収したりしがちだが、大体失敗する。DeNA、グリー、ミクシーあたりがそうだ。

IPOに成功したからといって、浮かれて新しいことをやりたがる風潮を作らせない山田社長の姿勢は悪くないのではないか。

特に、国内メルカリ事業は順調に拡大しているので、そちらにフォーカスする方がビジネスとしての効率性は良いだろう。

メルカリ経済圏というのに投資家は期待しているのだろうか?

メルカリ経済圏という言葉があるが、果たしてそれは何を意味するのだろうか?どうじう事業まで拡げることが期待されているのだろうか?

フィンテック事業という切り口で見てみると…

例えば、フィンテック事業という切り口で見ると、楽天の場合はわかりやすい。

巨大なカード会社、それから銀行、ネット証券、(まだまだ小規模だが)保険会社、それから楽天ペイという決済サービスは、楽天のEC事業と結びついて大きな経済圏を形成していることがうかがえる。将来的には、楽天コインというものを発行し、仮想通貨交換業を営む子会社を起ち上げれば、ますます、楽天経済圏の拡大は期待できるだろう。

メルペイ事業は、どのような発展の余地があるのだろうか?

フィンテックというと、メルペイという決済を担う会社が注目されている。確かに、メルカリでは恒常的にメルカリのプラットフォームで売買がなされ、金銭が滞留するので決済サービスは親和性があるだろう。

ところが、メルペイから他の金融事業に発展する可能性、意図はあるのだろうか?カード事業を展開するとして楽天に勝てるのだろうか?ネット証券やネット保険会社を作ったとして既存のメルカリ事業と関連性はあるのだろうか?あるいは銀行を作って、融資事業をやりたいのだろうか?

フィンテックという観点で見ると、メルカリが経済圏を拡げるためにメルペイがどのような役割を果たすのかなかなか想像できない。

一つ面白いのは、仮想通貨関連事業だろう。メルカリコインが発行されれば面白いが、今のところ動きは見えない。ICOを含む仮想通貨関連の法規制の整備を待っているのだろうか?