外資系金融機関で働くための英語力はどの程度必要?

まず、外資系金融機関といっても、いろいろある。

外資系金融機関と言っても、投資銀行(証券会社)、銀行、運用会社、生命保険会社といろいろある。このうち、生命保険会社は異色であり、アフラック、プルデンシャル、アクサなどのように国内系生命保険会社と事業形態が類似しているところも少なくなく、必ずしも英語力が求められるとは限らない。

もっとも、多くの人がイメージするのは、高給で派手さのある投資銀行(証券会社)だろう。従って、投資銀行を対象に検討したい。

新卒と中途採用では要求される英語力の水準は異なるはずだが…

投資銀行の場合でも、新卒で求められる英語力と、中途採用で求められる英語力は異なるはずである。新卒(要するに就活時点)では、英語力が不十分であってもある程度のトレーニングや現地トレーニー期間を経て、上達すれば良いからだ。

実際、昔(といっても90年代だが)はTOEICでいうと400-500点代の全くできない人たちもいた。

しかし、昔は今ほども投資銀行が注目されていなかった時代であり、今のような東大でも5%位しか内定をもらえないような超難関になってしまうと、そもそも英語がろくにできない学生が採用プロセスをクリアできるとは到底思えず、中途採用と変わらない高度な英語力は必須と考えた方がいいのではないだろうか?

中途採用の場合には、当然高度な英語力が求められる。

中途採用の場合には、当然高度な英語力が求められるわけだが、「高度」とはどの程度か?例えば、TOEICスコアでいうと900点以上は必要だろう。800点を何とかとれたというレベルでは厳しい。

TOEICスコアよりも面接での英会話力。

とはいえ、書類選考の時点でTOEICスコアの提出は必須ではない。外国人の面接でスムーズに会話ができれば問題ないからだ。このため、既に外資系で働いている場合には、そもそも英語力について事前に突っ込まれたりすることは無かったりもする。

TOEICスコアが高いからといって、英語がうまく話せるとは限らないが、その逆はあまりない。TOEICスコアが900点に遥かに及ばないレベルであるが、実践的な英会話力は抜群という人はあまり見たことがない。そうであれば、TOEICも自ずと900位はクリアするからだ。

もちろん、中には例外的に英語不問のポジションもあるが…

では、全てが英語ができる人ばかりかというと、そういうわけではなく、例外もある。例えば、IPO関係のドキュメンテーション、引受審査のスペシャリストについては、英語が全然できない人もいた。また、運用会社の目論見書、運用報告書等の開示資料作成担当者の場合、英語がビジネス上不要ということもあり、英語が全然できない人もいる。

ただ、もちろん、それらは少数派であり、上のポジションになればなるほど不利な点が生じてしまう。外国人のシニア・マネジメント層から気に入られるのは難しいからだ。

結論としては面白くも何ともないが、外資系金融目指すには、若い間から英語力を磨いておくしかない。

まあ、超難関の外資投資銀行を新卒で狙おうという野心のある学生は当然学生時代のうちに英語対応はするだろう。

問題は、最初に国内系金融機関に行って、途中から外資系でのキャリアを考えたくなった場合であろう。その場合には20代のうちに、面倒だが頑張って英語力を磨くしかない。TOEICスコア900点を目標に、2-3年間は英語学校に通うことは最低必要となるだろう。金融キャリアで稼ぎたい人は、学生時代のうちに英語を磨いておくことをお勧めする。