外資系企業の場合、職種の転換を伴う転職が危険な理由

転職には、業種の変更を伴う場合と、職種の変更を伴う場合がある。

国内系、外資系を問わず、転職においては業種の変更を伴う場合と、職種の変更を伴う場合とがある。

業種の変更は、金融業界からインターネット業界、金融業界から不動産業界といったケースであり、そもそも業界自体が変わってしまうので、転職者にとっては大きな環境変化となる。

業種については、サブセクターに分類できる場合もあり、金融業界といっても、銀行業界から証券業界、証券業界から保険業界への転職は実質的に業種変更に準じて考えることもできる。

職種の変更は、証券業界においてリテール営業から投資銀行部門、トレーディング部門から経理部門に移るような場合をいう。

外資系企業の場合、国内系企業よりも、相対的に職種の変更を伴う転職は難しい。

外資系企業の場合、国内系企業よりも役割分担やポジションの数が厳格に管理されがちなので、採用は欠員が生じた場合や業容拡大に伴う人員増が原因となって行われるので、即戦力採用のケースが大半である。

従って、営業⇒営業、トレーディング⇒トレーディング、人事⇒人事、といった同一職種間での転職が基本である。

もちろん、MBA生を対象とした実質的な新卒採用や、若手を対象としたポテンシャル採用も行われるが、あくまでも例外的な位置づけである。

外資系企業、特に外資系金融機関の場合、職種の違いは極めて大きい

外資系金融機関の場合、職種が違うと、安定性、給与水準、給与体系、昇進の速度などが大きく異なるので、職種は極めて重要である。

例えば、外資系証券会社の場合、トレーディングや営業部門はミドル・バックオフィス(人事、経理、IT、コンプライアンス、オペレーション等の直接収益を産まない部門)と比べて、給与水準が高い。

基本給の部分は変わらないが、ボーナスの割合が全くことなる。例えば、30歳で同じVice Presidentという課長職の場合、営業のボーナスが2000万円で人事のボーナスが200万円といったことはザラにみられる。

その代わり、リストラされるリスクは営業部門の方が人事部門よりも高いと言える。

しかし、外資系企業の場合、職種の転嫁を伴うのはリスクが高い

このため、より多くのボーナスを求めて、ミドル・バックオフィスから営業への職種変更を転職によって狙おうとする若手も存在する。社内での職種変更が容易ではないのは国内系企業と同様である。

ところが、私が最近知った事例では、ミドルオフィスの若手が営業部門への職種転換が目的で同業他社に転職したがわずか3か月で退職してしまったという話がある。

外資系では、中途採用で入ってくる人に優しく丁寧に仕事を教えてくれる人は多くない

その理由は明らかである。外資系企業の場合、社員数も国内系企業よりも少ないし、研修制度が整っていないことが多い。

それに、中途採用の場合は同一職種を対象にしていることが普通なので、初日から即戦力で働くことが期待されている。

しかも、営業部門は歩合的な色彩が強く、ハイリスクでもハイリターンを狙おうという人たちなので、同じ会社とは言えお互いのライバル意識が強い。

従って、同業他社から入ってきて営業のことがわからないのであれば、さっさと潰してしまえという雰囲気になることは想像に難くない。

もちろん、採用の責任者である営業部門の部長は、育てようという意識があるから営業経験が無くとも採ったわけであるが、別にそれが最優先事項ではないので、全面的に助けてもらうことを期待できない。

 

したがって、特に外資系金融の場合には、職種の転換を伴う転職はあまりお勧めできないのである。