三菱UFJの店舗の再開発は、将来のリストラや人員削減に向けた布石か?

 

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最近何かと雇用不安を煽られがちな銀行であるが…

AIによる機械化の進展、フィンテックによる他業態からの攻勢等を受け、何かとメディアは銀行をネガティブな視点で見始めている。

直近では、NewsPicksが「銀行は要らない」特集をやっていた。

一般的に、店舗売却はリストラの一手段と捉えられがちだが…

そこに、このヤフトピの記事である。業界トップの三菱UFJでさえ、リストラを本格化するのかとも想像させる見出しである。

実際、内容はどうか?

記事の中味を見ると、「都心や駅前などの立地の良い店舗」が対象とあり、店舗数で「100店を超える可能性がある」ということだ。これを見ると金額的なインパクトも小さくなく、重要な経営戦略の一つかとも読める。

もっとも、「店舗は移転だけでなく、再開発後のビルやマンションへの再入居も検討する。」ということなので、全て売り切りというわけではなさそうだ。

「商業施設やマンションなどに建て替え、収益力を高める」というのが目的のようで、一等地の物件取得が難しい不動産市況の好況下、ビジネスパートナーの三菱地所にとっても悪くない話なので、リストラを主目的とした対応ではなさそうだ。

銀行に人は要らなくなるというのは、現時点では行き過ぎた報道

銀行が要らなくなってしまうというのはインパクトのある話なので、その手の話題は行き過ぎのように思える。

AIの進展に伴う機械化によって、メガバンクが大幅な人員削減を行うニュースが派手に報道されたが、みずほの1万9000人こそ大きな数字であるが、三菱UFJ銀行は6000人程度であり、自然減や新卒の採用抑制で収まる程度の話である。

また、フィンテックで異業種から金融業が侵攻されるということも、度々とりあげられるが、LINEや楽天の決済事業は、銀行業でいう国内為替業務の一部に過ぎず、それによって銀行の収益源が大きな影響を受けるわけではない。

このため、銀行の将来は必ずしも明るいものではないものの、慌ててリストラに備えて転職活動をしなければならないというほど切羽詰まったものではない。

しかし、銀行員としては、この猶予期間のうちに何らかの将来に向けたキャリア対策を採っておくことが賢明

もっとも、危機が今すぐ来るわけではないというだけであって、銀行員としては自分の将来を楽観視すべきではない。しばらくの間は、高い給与水準、それなりの社会的ステイタスは維持されるだろうから、その間に将来に向けた手を打っておくべきだ。

若手の行員であれば、英語をマスターして外資系に逃げる選択肢を作ることが時間的に可能だ。また、ベンチャーへの転身を図るために、社会人向けビジネススクールに通って、スキルを磨いたり、ベンチャー企業とのコネクションを作ることもできる。

これから、こういったニュースが出るだろうが、慌てず今の間に長期的な対応策を考えておくのが吉だろう。