就活においては、会社名(就職偏差値)だけではなく、「職種」にもこだわりをもって活動すべきである。
将来が見通しにくい時代においては、会社名だけでなく、職種が重要である。
AIでいろいろな仕事がなくなってしまうという、世の中の変化が早く、将来が見通しにくい時代においては、数十年後にどのような企業が勝ち組になり、どのような企業が負け組になるかは予想できない。
例えば、今ではマッキンゼーやゴールドマンサックスにも匹敵するほど入社難易度が高いと言われる総合商社であるが、30年位前のバブル期においてはそれほど入社は難しくなかった(もちろん一定以上の大学の学生にとってであるが)。当時は商社冬の時代と言われ、給与水準も今ほど高くはなく、単なる中抜きビジネスである商社は将来不要になるとまで言われていたのだ。そもそも、ネット企業など影も形もなかったのだ(当然だが…)。
職種が大事なのは、会社が傾き始めた場合に脱出するために必要だから
将来、入社時においては就職偏差値が高い会社であっても数十年、いや、数年後には没落している可能性は十分にあるのだ。例えば、東芝とかシャープなんて典型だ。
そうなった場合には、転職も視野に入れた行動をせざるを得ず、転職する場合には会社名だけではなくそこでどういう仕事をしているかという、「職種」が重要になるのだ。
中途採用の場合には、新卒のような一括ポテンシャル採用ではないので、何らかの「職種」に該当するスキルが必要なのだ。
具体的には、IT、営業、経営企画、人事、経理、広告宣伝、法務などである。
こちらの画像は、サイバーエージェントのキャリア採用(中途採用)のページだが、ちゃんと「職種で選ぶ」という仕組みになっている。
職種の前に、「業種」も重要なファクターとなる。
営業、経理、人事と言った職種は普遍的でどこの会社でもある普遍性の高いものである。しかし、注意しなけければならないのは、その業種にしかない普遍性の極めて低い職種も存在するということである。
例えば、化学業界、セメント業界、鉄鋼業界等の製造業においては、その業界特有の仕入れや製造工程、品質管理などの職種があるが、その業界の外ではほとんど需要がないものもあり、要注意である。
また、経済のサービス化は進展する一方で、今後も製造業よりはサービス業の方が普遍性は高いと考えられる。
このため、そういった製造業を選択する場合には、将来的に転職力が低くなるリスクも考慮しなければならない。
一般的な職種について考える。
先ほどのサイバーエージェントの例だと、以下のような職種について募集がされている。
〇エンジニア
〇デザイナー
〇プロデューサー・ディレクター
〇経営企画
〇経理
〇法務
〇人事
〇宣伝
〇編集
〇営業
この中だと、「編集」がメディア企業特有で普遍性が低いかも知れないが、他の職種であればインターネット業界の外でも需要があるものである。
このうち、どれが特におすすめということはなく、それはその人の好みや特性によるのだが、就活の際には自分はどういった「職種」でキャリアを積みたいかも念頭に置いた方がいい。
問題なのは、日本企業の場合部門別(職種別)採用をしてくれないこと
しかし、問題なのは自分のやりたい職種があっても、内定時点では確約・保証してくれない企業が多いということだ。この点、ベンチャー企業とかだと職種(部署)を前提としたフレキシブルな対応をしてくれる会社もあるだろう。
そういった場合、会社名では相対的に落ちるが職種を考慮した上でその企業を選択するということも十分リーズナブルだ。
反対に、皆がうらやむ就職偏差値の高い会社に就職できたとしても、職種の汎用性が低い場合には、将来転職価値が下がり後悔してしまうこともあり得る。
したがって、就活時には「職種」も考慮して活動をすべきだ。