ロボアドバイザーのウェルスナビが預かり資産900億円を突破!

ロボアドバイザーとは何か?

ロボアドバイザーとは、従来の証券会社や投資顧問会社とは異なり、顧客と直接面談せずに、インターネットやスマホを通じて提供される個人投資家向けの資産運用サービスである。

アメリカでは、3年ほど前から進展し始め、現在では独立系大手のベターメント(Betterment)やウエルスフロント(Wealthfront)の預かり資産額はそれぞれ100億ドルを突破している。また、専業ではないが、ロボアドバイザー事業を兼業している投資信託大手のバンガード(Vanguard)社は、ロボアドバイザー事業の預かり資産が930億ドルと日本円にして10兆円のレベルに到達している。

日本では、表題のウェルスナビ社が最大であるが、2018年の7月9日時点で預かり資産が900億円に達したと報道された。

同時に、口座数が12万口座に達したことも報道されており、1口座平均の預かり資産は75万円と比較的少額であることがうかがえる。

ロボアドバイザーを利用するメリットとは?

アメリカと比べるとまだまだ浸透度が低いロボアドバイザーであるが、そもそも利用するメリットは何だろうか?

それは、少ない運用資産額でも、全自動で長期・積立・分散の資産運用を行ってもらえることだ。個人投資家でも、高度な知識や手間なくして機関投資家と同様の国際分散投資が可能になるのだ。

ウェルスナビの場合、最低投資額は10万円と少額であり、手数料は年率1.0%(税別)である。

また、毎月決まった金額(1万円以上)を積み立てながら投資をする「自動積立」機能もあり、いわゆるドルコスト平均法に基づく投資家が可能となり、相場の変動に惑わされることなく淡々と運用資産を積み上げていくことができる。

ウェルスナビ社のホームページによると、顧客の6割以上がこの「自動積立」のサービスを利用しているそうだ。

預かり資産1,000億円調達とIPOによってロボアドバイザーの浸透が加速するか?

ウェルスナビ社のプレスリリースを見ると、約2か月毎に預かり資産が100億円増加している。そうすると、節目の1,000億円に到達するのは9月ころと見込まれる。そうなると、報道や広告によってロボアドバイザーの認知度が高まり、浸透度が高まることが見込まれる。

さらに、ウェルスナビ社はVC(ベンチャーキャピタル)から多額の資金を出資されているため、IPOを目指していると言われている。IPOに成功すると、メディアが取り上げ注目度が高まるとともに、IPOで得た資金を広告に振り向けることができる。そうすると、更なる預かり資産の拡大が期待できるだろう。