年収400万円で1億円を貯めることは本当に可能なのか？

計算上は不可能ではないかも知れないが

魅力的なタイトルに釣られて、週刊プレジデント（8/13号）を買ってみました。本当に、年収400万円しかないのに、夢の1億円を貯めることは可能なのでしょうか？

まずは、想定している条件をチェックしてみましょう。

＜年収400万円（手取り330万円）＞

〇毎月投資金額　　10万円

〇想定運用利回り　　5％

〇運用期間　　　　　34年

一見、可能なようにも見えますね。でも、突っ込みどころが２つほどあります。

1つ目は、毎月の投資金額が10万円ということです。だって、この人、年間の手取りが330万円ということは、毎月の手取りは27万５千円しかないのですよ。

10万円を投資に振り向けると、この人17万５千円で生活しなければなりません。

独身で実家暮らしということであれば、可能かも知れませんが、将来の結婚や子供とかを想定すると結構厳しいのではないでしょうか？

２つ目は、運用期間が34年間ということです。新卒で始めても定年が見えてくることにようやく目標達成ということでしょうか？さすがに達成までの期間が長すぎですね。蓄財だけで人生が終わってしまいそうです。せめて運用期間は20年くらいにしたいですね。そうであれば、20代の若い人であれば40半ばにはセミリタイヤが可能な金額が貯まるわけですし、40代の人であれば６０代のうちに十分な老後資金が貯まることになります。

現実的には、まず、年収の２倍の貯蓄額を目指そう!

そもそも、貯蓄額はどれくらいあれば望ましいといえるのでしょうか？もちろん、年齢や年収の水準によって異なると言えるかも知れませんが、ファイナンシャル・プランナー系の講義だと、「年収の２倍」を目標にしなさいということがよく言われます。この「年収の２倍」というのは割と良く出来た数字で、年収が増えれば余剰資金が増える反面で税率が高くなるので、年収水準に関わらずそれなりの高めのハードルとなります。

それでは、先ほどの年収400万（手取り330万円）のケースだとどうなるでしょうか？

〇毎月投資金額　　　5万円

〇想定運用利回り　　5％

〇運用期間　　　　　10年間　　

想定運用利回りは５％のままですが、毎月の投資金額と運用期間を現実的な数字に変えてみました。

そうすると、10年間で約800万円（775万円）が貯まります。さらに、このまま5年間続けると（運用期間15年）、資産額は1,330万円となり、いい感じで貯まります。

毎月コンスタントに、積立で運用するのは複利効果で長期間になればなるほど利いてきます。積立のシミュレーションソフトは簡単にネットで引っ張れますので、いろいろ計算して実行してみましょう。