ポルシェ?ジョンロブ?うかい亭? 年収1200万円の独身サラリーマンが、どのくらい贅沢な暮らしができるのか考えてみた
年収1200万円の独身サラリーマンとは?
サラリーマンで年収1200万円に到達するのは、勝ち組の部類である。
メガバンク、大手生損保、大手証券、マスコミ、総合商社あたりは30代で達成可能であろう。
通信、JR、メーカーの一部も40代では到達できるだろう。
それでは、年収1200万円ではどれくらいの暮らしができるのだろうか?
それは家族構成によって大いに異なるので、今回は独身者を想定することとした。
実際、エリートサラリーマンは従来は30までに結婚する人が大半であったが、
最近では40歳になっても独身の人が増えてきているそうなので、年収1200万の独身サラリーマンの数は増えてきているはずだ。
年収1200万円の手取りはどれくらいか?
年収1200万円だと税金も高いし、社会保険も結構かかる。
所得税・住民税・社会保険控除後の手取り額は、年間880万円程度となる。
実際は、額面月収70万、年2回のボーナスの額面がそれぞれ180万円ずつというように、ボーナスの比率が高いケースが多いのだろうが、簡略化するために、
ボーナスも含めて計算すると、一月当たりの手取り額は73万円ほどとなる。
最低限生きていくために掛かる費用を控除してみる
その人の価値観・生活観に関係なく、必ず必要となる費用項目がある。
これについては、リクルート系の住宅情報誌に、年収1300万円強の世帯の平均値が載っていたので参考になる。
もっとも、これは結婚していて子供がいることを想定しているので、ある程度修正してみたい。
下の数字の左側が子供がいる年収1300万円の家庭の支出の平均値で、右側が独身者用に修正してみた数値である。
〇水道光熱費: 2.5万円⇒2.5万円
〇通信費 : 2.1万円⇒1.5万円
〇医療費 : 1.5万円⇒1.0万円
〇保険代 : 4.5万円⇒2.0万円
〇日用品雑貨: 1.5万円⇒1.5万円
〇教育費 : 6.3万円⇒0.0万円
〇食費 : 10万円⇒ 7.5万円
独身者の場合は、教育費が0なのが大きい。
なお、ここでの食費は普段の日常的な食費であって、外食費は含まない。
これらを足し算すると、16万円となる。
貯蓄もゼロというわけには行かない。
さすがに独身だからといって、この年収で貯蓄ゼロというわけには行かない。
せめて年収の1割は貯蓄に回したい。
そういうわけで、月々10万円を貯金することとする。
何にウエイトを置くか、メリハリをつけた贅沢となる
月々の手取り額73万円から、必ず必要な生活費16万円と、貯蓄額10万円を控除した、
47万円が自由に使えるお金となる。
住居費、クルマ、外食、持ち物と、全て贅沢に使うことはできない。
従って、どれか一つの項目に重点を置けば、どういった贅沢ができるかについて検討したい。
クルマが好きであれば、ベンツのEクラスでもポルシェのケイマンでも結構いいものが買える。
ベンツのEクラスクーペでもポルシェのケイマンでも車両本体価格が800万円程度なので、諸経費込みで1000万円位で十分買える。
そして、半額の500万円を残価設定ではない通常ローンを使用した場合、金利3.9%で月々の支払額が15万円以内で収まる。
従って、47万円ー15万円の32万円で、家賃とか外食とかに充てればいいので、無理なく高級車を手に入れる暮らしができる。
<ポルシェ・ケイマン>
https://www.porsche.com/japan/jp/models/718/718-cayman-models/718-cayman-s/
外食にこだわる場合
クルマには興味が無いが、贅沢な外食にこだわりたいという人はいるだろう。
そういった場合、シャネルのベージュ、銀座奥田、イタリアンのアッピア、鉄板焼きの五明など、一回2人で5万円くらいするとした場合、週1回位は行ける計算となる。
もちろん、バカ高いワインとか酒を沢山注文したら、これでは収まりきらない。
また、うかい亭とか寿司の青木とかだと、一回2人で5万円は超えてしまう。
そう考えると、好きなだけ有名店で外食をするというのは、結構ハードルが高いということになる。
時計とか靴にこだわる場合
クルマや外食はそこそこでいいけど、時計とか靴といった持ち物にこだわりたい人もいるだろう。
靴と言うと、最高峰のジョンロブとかベルルッティあたりで一足20万円位なので、ボーナス毎に一足位買ってもいいのではないか(月当たり3万円強)。
また、時計についても、並行輸入店だと金利ゼロで36回ローンとかも使えるので、結構何でも買える。
もちろん、1000万円を越える、パテックフィリップとかオーデマピゲのトゥールビヨーンものは無理だが、ロレックスのデイデイトとか、オーデマピゲ、ブレゲあたりの300万円級のトップモデルでも2年に1個位買えるのではないか(月当たり12万円)。
(※もちろん、この手のものは本来1個あれば十分で2年に1個ずつ買う必要はない。)
そう考えると、年収1200万円で独身であれば、モノについては結構好きなものが買えることがわかる。
production-emea1-berluti.demandware.net
残念ながら、住宅については厳しい…
自分はクルマ、グルメ、時計なんかには興味が無い。
その代わり、住まいにはこだわりたいという人もいるだろう。
ところが残念なことに、不動産価格が高騰している東京では、年収1200万円でも、
それほど凄い物件は買えなくなってしまった。
どういうことかというと、年収1200万円で、住宅ローン金利1.5%、ローン期間30年、年収に対する返済率が平均的な20%と想定した場合、借入できる金額は5800万円程度だ。
そして、頭金を2割充当すると考えても、予算は7000~7500万円が限界である。
この予算で港区の物件を検索しても全然素晴らしい物件が出てこない。
古い、狭い、鉛筆のように細長いといったものばかりである。
その中で、まずまずの物件がこれであるが、50平米前半だと、一人で住むには十分だが、二人だと広いとは言えない。
感想
独身で年収1200万円であれば、好きなクルマや持ち物は結構いい物が買える。
他方、意外に厳しいのが外食で、普通の食費とは別に、外食費の予算を20万円とったとしても、週1回好きな店に行くというのは厳しい。
もちろん、これは2人で行って相手の分も支払うという想定なので、1人で行ったり、割り勘だったりすると別だが。
もっとも、寿司屋は例外かも知れないけど、ロブションとかアッピアには流石に一人では行けないだろう…
本当に厳しいのは住まいだ。
ここでは、港区の物件が高いことを紹介したが、それは賃貸にしても同じだ。
家賃25万円でもそれほど凄いところに住めるわけではない。
もっとも、これは東京での話なので、大阪とか名古屋とかであれば、
年収1200万円で独身であれば、クルマも持ち物も、外食も、結構贅沢できるだろう。