総合商社、大手代理店、金融最大手?国内系企業の最高峰、「年収1500万円」のサラリーマンの東京暮らし
1. 国内系企業で「年収1500万円」の意味
国内系企業において、年収1500万円は最高到達点だと言える。
今だと、最速で到達するのは総合商社だろうか?
入社後10年の30代前半で達成できそうだ。
最近だと、日本生命、東京海上、野村證券という、金融の各サブセクターにおける最大手企業でも課長(30代半ば)だと、余裕で1500万円に到達する。
国内系企業の問題点は、ここから先で、1500万円には10年ちょっとという比較的短い期間で到達するのであるが、その先の2000万円に辿り着くまでが長い。
総合商社にせよ、最大手金融機関にせよ、2000万円というのは50歳近い。
1500万円から、残りの500万円を増やすために15年以上もかかってしまうのだ。
とはいえ、終身雇用どころか、3年先も同じ会社にいることが保証されていない外銀や外コンと比べると、十分に恵まれている。
言わば、無リスクで比較的若い時期に達成できるのが、この年収1500万円なのである。
2. 年収1500万円の東京での住まい
ところが、家賃の高い東京では、年収1500万円であっても、住むところは制約されてしまう。税金、社会保険ともに結構搾取される年収であるので、いいところに住もうと思えば、それなりに工夫して探さなければならない。
ファイナンシャル・プランニング的に、家賃(或いは住宅ローン)の目安は、年収の2割程度という。そうであれば、年収1500万円だと、家賃25万円程度が基準となる。
とはいえ、駐車場代(城南地区で20000~25000円と結構高い)も含めて月25万円を目指したいところである。
というのは、年収1500万円だと、手取りはざっと7掛けの1050万円程度であるが、これを12で割ってはいけない。
何故なら、国内系企業は年2回のボーナスがあり、これが結構な割合を占めているので、月々のキャッシュフローはもっと少なくなるからだ。
月々の額面が80万円代強で、1回あたりのボーナスが税込み250万円というのが一般的か。
とすると、月々の手取りが55万円、1回あたりのボーナスの手取りが170万円というイメージである。旅行とか贅沢品、まとまった貯蓄はボーナスで行うというのが日本の大手サラリーマンの生活スタイルである。
こういった企業の勤務地は東京駅周辺にあるので、通勤は片道1時間以内に抑えたい。
そして、ある程度環境の良い所に住みたいとなると、城南地区だ。
すると、予算内に収まる物件としては、世田谷区の等々力でこのような物件がある。
もっとも、これは結婚を想定している場合だ。
独身であれば、もっと余裕があり、少々見栄を張ってタワマンに住んでいる人たちもいる。
こちらは、田町の芝浦アイランド。巨大なタワマンが2棟あり、とにかくホテルのような共用部門が立派だ。
家賃は駅から遠いにも関わらず結構高い。25万円以下だと、下の方(十数階)にしか住めない。
しかし、同じ港区でも山手線の内側の高輪とかになると、もっと家賃が高くなってしまう。
このように、東京の一等地の場合には、家賃20万円以上出しても50~60平米位の物件が多く、住まいに関しては年収1500万円でも選び放題ではないところが厳しい。
3. 年収1500万円のクルマ
クルマについては嗜好性が高いものなので、人によってお金をかける人もいればそうでない人もいる。
たまたま自分の知っている後輩が、財閥系総合商社で、レクサスのISを買ったので、このあたりが人気かなあと思う。
もちろん、クルマが好きな人であれば、残価設定ローンを使って、BMW5シリーズとか、ポルシェのケイマンあたりを狙うのもありだ。
もちろん、クルマにお金をかけ過ぎると、住宅費とか外食費を抑制するなどしてバランスを取らなければならない。
4. 年収1500万円の貯蓄と投資
年収1500万円というのは、それなりの暮らしができるが、家賃の高い東京だと、
クルマや外食やらファッションやら旅行やらと好きに使うと、全く貯金ができなくなってしまう。
コツコツ貯められる人と、浪費してしまう人と大きく差が付く年収帯と言えるだろう。
この週刊プレジデントの記事はまさにこの点に言及したものである。
ファイナンシャル・プランニング的には、年収の2割を貯蓄できるのが望ましいというが、年収1500万円で年間300万円を貯めるのは厳しい。
現実的には200万円位がいいところではなかろうか?
国内系企業の場合、ボーナスの比率が高いので、ある意味これは貯蓄しやすい環境にあると思う。
年収を12分割して支給されると、月々のキャッシュフローが増えるが、手元にお金があると浪費しがちなので、貯金しにくいと思う。
ボーナスであれば、1回あたり100万円を目標に蓄財したいところだ。
また、国内系企業のいいところは、何と言っても抜群の安定性である。
終身雇用が保証されているので、住宅ローンを使って、持ち家を選択するのがある意味健全である。
ここ数年東京の物件はバカ高くなっているので、あまり買う気がしないが、家賃だと何も残らないので、妥協して買う方がいいかも知れない。
城南地区のいいところだと、60平米の狭い2LDKで7000万円位してしまう。
かといって、年収1500万円というのは日本では最高水準の給与かつステイタスの高い会社なので、さすがに千葉・埼玉あたりは気が進まない。
そういう意味で、川崎、横浜といった神奈川県の物件もあるが、通勤時間が1時間を超えてしまうのがつらいところである(川崎の流行りの武蔵小杉は都心まで近いが、その分価格が城南地区並みになってしまっている。)
例えば、慶応OBには、懐かしい日吉の物件などもいいのではなかろうか?
5. 安定を取るか、勝負をするか?
30代で年収1500万円に到達したサラリーマンは、これからどうするか?
「もうこれくらいで十分だ」と考えるのであれば、そのまま会社に残ればいいだろう。
他方、もっと上を目指したいとなると、結構大変になってくる。
転職するにも、30代となるとポテンシャル採用は無いので、行き先が限られるからだ。
さすがに、30代になると、外資コンサルは厳しい。
総合系であれば、無いことはないのだろうが、年収的にはダウンとなるし、仕事もきつくなるだろう。
他方、ベンチャーという手もあるが、最大手企業で10年以上働いていると、自己完結できる仕事からは程遠く、カルチャー的にもフィットしにくい。
そうであれば、副業をコツコツと頑張って、あと500万円年収を増やすというのが手堅いやり方である。何よりもリスクが無い。
その500万円があれば、結構暮らしは違ったものになる。
年収2000万円と年収1500万円との間には、何とも言えない大きな壁があるのだ。
ある意味、リスクを取ったものにしか享受できない生活と言えるのかも知れない。
(年収2000万円のサラリーマンの暮らしについてはこちらの過去記事をご参照下さい。)
まとめ
年収1500万円というのは、サラリーマンとしては最も恵まれた部類である。
とはいえ、優秀な人たちが多いので、もっと上を目指したいという人もいるだろう。
そういう場合、リスクを伴う転職や独立・起業をすることに陥りがちなので、
慎重にやらないと勿体ない。
副業あたりでいろいろと可能性を検討するのが手堅いやり方ではないだろうか?
年収2000万円になると、また別のステージとなるので、挑戦してみる価値はある。