セミリタイヤと3つの財布
「50過ぎでセミリタイアしたいのですが…」、と40歳の大手企業の会社員から相談された。彼はバツイチであるが子供はいないので、比較的お気楽な立場にある。もっとも、それほど多くの貯金は持っていないし(800万円位)、投資には強くないので積立投資とかはやっておらず、全資産=預金というパターンである。
完全にリタイアしてしまうと収入が無くなってしまい、それを補えるほどの資産形成を今からするのは無理だとわかっており、年収が下がっても困らないほどの蓄えを持ちたいということである。
3つの財布を持ってみる!
年収数億クラスの富裕層は4つの財布を持っているという。
一つ目は給料の財布である。
二つ目は自分がやっている事業の財布である。
三つ目は不動産賃貸業に係る財布。
四つ目は(有価証券)資産運用に係る財布であるという。
通常の生活費は1つの財布で賄い、それ以外の3つ財布は貯蓄や投資に全額振り向けることができるというのがポイント。こうして富裕層はますます金持ちになっていくのである。
しかし、サラリーマンの場合には4つの財布は難しい。そこで、3つの財布を目指したい。一つは給料の財布である。
多くのサラリーマンはこの財布一つというパターンが多いだろう。
二つ目の財布は、副業の財布である。働き方改革によって大企業でも副業が緩和されてきている。それほどの金額でなくとも一定金額は副業として、二つ目の財布を持ちたいところである。
三つ目の財布は(有価証券)運用のための財布である。副業と家計の見直し等によってお金を浮かせて、それらを積立投資で複利で長期間運用を行うのである。運用手段としては、ウェルスナビとかTHEOとかを使えばいいだろう。
結構な金額が50代で貯まる!
独身で40歳の大手企業のサラリーマンであれば、元々月5万円程度の貯蓄は可能であろう。加えて、副業(アフィリエイト、家庭教師、クラウドワーク何でもいい)で3万円、家計の見直しで2万円浮かせたとしよう。すると、月々積立に回すことができる金額は、5万円+3万円+2万円=10万円となる。毎月10万円を、想定運用利回り5%で10年間運用すれば、何と1,550万円の資産ができる。
15年間運用した場合には、何と2,659万円。
大手のサラリーマンの場合には退職金や企業年金が厚いので、50代でこれだけあればかなり余裕ができるだろう。
日本のサラリーマンは副業や資産運用というのに馴染みが無かったが、コツコツやるかやらないかでは今後大きな差がつくことになってしまう。
このケースでは、ボーナスは一切運用に回さない想定としているので、旅行・耐久消費財等はボーナスから充てることができる柔軟な設計となっている。副業解禁を機に、頑張ってもらいたいものだ。