将来お金持ちになりたい外資コンサル狙いの就活生は、「年収チャンネル」のシャイニング丸の内さんのYouTubeを見て考えてみよう

 

1. 外銀の凋落により、外資コンサルが就活生の間では最難関になっているようだが…

リーマンショック以降のV字回復はなく、外資系証券(特に欧州系)の凋落が続き、外資コンサルの難化が続いているようだ。

 

確かに、コンサルとしてのスキルや経験を持っていると、普遍的に他業界でも応用が効くし、ネームヴァリューも付くので、将来性は明るい。

したがって、就活生の間で人気があるのは理解できる。

 

しかし、外資コンサル(特に戦略系と言われるマッキンゼー、BCG、ベイン)を目指すような高学歴の就活生は、ただ入社するのが難しいから、他の学生からうらやましがられるからといった大学選びのような理由で目指している人も少なくないのではなかろうか?

 

2. 実はコスパが悪い外資コンサルの世界

外資コンサルは高給だがハードワークで知られている。

しかし、その「高給」というのは一般レベルの「高給」であって、驚くほどの「高給」ではない。

高いレベルでの「高給」を目指すのであれば、外銀を目指す他は無い。

 

例えば、外資コンサルの中でも最高峰のBCGの場合、

アソシエイト⇒シニアアソシエイト⇒コンサルタント⇒プロジェクト・リーダー(PL)

⇒プリンシプル⇒パートナー

という階層になっているところ、管理職クラス(外銀だとVP)に相当するPLでようやくトータル年収が2000万円という。

PLになれるのは、新卒、シニアアソシエイトからの中途を含めて、2割にも満たないのではないだろうか?

さらに、一つ上のプリンシプルでトータル年収が3000万円ということであるが、ここまで到達できるのは1割にも満たないであろう。

heikinnenshu.jp

 

ということは、せいぜい昇格できるとしてコンサルタント位にしかなれないのであれば、年収1200-1500万円レベルであれ、銀行員とそれほど生活水準は変わらない。

 

3. そもそもサラリーマンでは金持ちになれない

それから、さらに、これを言ってしまうと元も子も無いのであるが、そもそもサラリーマンではいくら優秀、いくら出世してもたかだか知れているのである。

(このあたりについては、こちらの過去記事をご参照下さい。) 

blacksonia.hatenablog.com

 

何故サラリーマンだと大してお金持ちになることができないのだろうか?

それは、別にサラリーマンが劣っているとか、そういう意味ではなく、

世の中の仕組みがそうなっているからである。

 

そのうちの大きな理由の1つが、「税制」である。

稼げば稼ぐほど累進税率に引っかかってしまい、年収が増えても手取りは増えない。

年収5000万円でも、手取りが2600-2700万円程度と半減してしまう。

これだと、年間1000万円貯金するのは至難の業であり、年収5000万円という超高給であっても、1億貯めるのに10年以上かかるという計算になる。

サラリーマンはガッツリと課税されてしまうので、この点、経費が使える自営業との違いである。

 

もう1つは、給与収入というのはフローであり、資産というストックを活用した収入に負けてしまうからである。

例えば、株や不動産(長期譲渡所得の場合)の売却益は税率20%の分離課税と税制上有利である。

また、株(自分で作った会社の株)を売却する場合、利益の5~10年分で売却できれば、5年~10年分のフローを一気に先取りできるわけだ。

従って、年収1000万円に満たないベンチャー企業の経営者が、自社株を1億円で売却できた場合には、年収5000万円のサラリーマンが10年かけて実現できる貯金額を一気に達成できてしまうのだ。

 

このように、いくら高給を稼げたとしても、税金が高い上に、一気に将来の稼ぎを実現いないので蓄財するのに時間がかかりすぎてしまう。

これがサラリーマンが金持ちになれない理由だ。

 

4. それでは、どうしたら金持ちになれるのか?

この点については、与沢翼氏が詳しい。

彼も「給与収入で金持ちになることを考えてはいけない」と語っているが、

金持ちになるには、自らが経営者となるか、投資をするか(或いは両方)しかないのである。

 

要するの、給与収入の場合だと、自らの労働の提供の対価として給与を受け取るわけだ。どんな優秀な人間でも、時間は1日24時間、手と足は2本ずつ、頭は1つということなので、物理的な限界があるからである。

 

他方、経営者であれば、労働者を自らの手足として使うことによって、この壁を破ることができる。

また、投資であれば、間接的に保有している株式の従業員が働くことによって株価を上げてくれるということが同時に可能となるからだ。

 

与沢翼氏は、これを「レバレッジ」と表現されている。

本当にお金持ちになるには、何らかのレバレッジが必要なのだ。

例えば、ヒカルとかヒカキンのようなトップのユーチューバーの年収は5億クラスだそうだ。また、イケダハヤト氏のようなプロブロガーでもトップクラスの年収は1億円に到達する。

これは、ネットのプラットフォームを利用することによってレバレッジをかけているのだという。

 

従って、本当にお金持ちになろうと思えば、経営者になるとか、投資家になるしかないのだ。(なお、プロブロガーやユーチューバーは、税制上の理由もあり、トップの人達は会社形式にしているので、経営者のカテゴリーになるだろう。)

(この辺りについては、以下の与沢翼氏に関する過去記事をご参照下さい。) 

blacksonia.hatenablog.com

 

賢いトップ就活生が、純粋にコンサルという仕事が好きで、お金はそこまでこだわらないというのであれば、激務の割にそれほど高給ではない外資コンサルの世界で厳しい競争に挑めばよい。

しかし、今は実際に働く前なので、いざ激務と競争を目の当たりにすれば、他に儲かる途を探したいと思う人もいるだろう。

 

5. 変わってきている外資コンサルのビジネスモデル

さて、ようやく外資コンサルの話をしよう。

実は、自分は外銀キャリアなので、外資コンサルの人とはほとんど面識が無い。

直接知っている人は前の会社に一人いた位である(東大出身で確かに優秀であった)。

 

私も含めて、今40歳以上の人達は、自分たちが就活をする時の外資コンサルのイメージしか持ち合わせていないのであろうが、今はかなり変わってきているようだ。

 

その点、年収チャンネルのNo.78のシャイニング丸の内さんという元リクルート外資サル⇒現在独立、の人の話が大変新鮮であった。

この内容は既に知っているという就活生もいるかも知れないが、よくまとまっていて有用だと思う。

(なお、画像のテロップは内容と直接関係ありません。

中味は完全にビジネスの話ですが、男性だけだと華が無いので、女性を読んでビジュアル的に工夫している番組のようです。)

 www.youtube.com

 

シャイニング丸の内さん(大学理系⇒リクルート外資コンサル⇒現在独立)の外資コンサルの話をまとめた上で、自分がネットで調べた情報と合わせると、以下のような内容となる。

 

外資コンサル、特に、トップ中のトップであるBCGとマッキンゼーが戦略を変えた?

シャイニング丸の内さんによると、近年、BCGが戦略を変えて、コンサルの大衆化を図ったそうだ。

従来、戦コンというとお高く止まっていて、高額なプロジェクトしか受注しないという感じであったが、安い若手を多く採用し、低額なプロジェクトでも受注するように切り替えたという。

例えば、大企業の部長向けのプレゼン研修(高くても1千万円位か?)なども受けるようになったという。

 

日本では、この戦略があたったようで、BCGは拡大路線を継続している。

 

そして、マッキンゼーもしばらくはBCGの動きを傍観していたようだが、最近は振り切ったらしく、急速に拡大路線に切り替えたようだ。

 

実際、新卒採用の人数を見ると驚きだ。

BCGで20人、ベインで10人、マッキンゼーに至っては40人も採用するという。

昔であれば、新卒採用は1学年数人から片手位だったのが、大幅に社員数が増えているのである。

 

②戦略系>総合系とは限らない

また、就職偏差値とか、給与水準だと、戦略系といわれるBCG、マッキンゼー等の方が、総合系と言われるビッグ4系のPwC、デロイト、アクセンチュアあたりより格上と言う認識がある。

 

しかし、ビジネス的には総合系の方がうまく行っているという。

何故なら、ITシステムと戦略とをワンストップ・ショッピングのような形で受注できるので、クライアントからすると便利だし効率的だからである。

 

また、グローバルで、コンサル企業が広告代理店を買収する動きが出てきている。

これも、、マーケティング戦略立案から広告・宣伝の実施まで一気通貫のサービスができるようなり、クライアント企業からの需要も高いからだという。

 

戦略系の得意とするピュアな戦略論的なビジネスは、差別化が難しくなったそうだ。

例えば、PPMみたいなフレームワークも、20年以上も経つと知れ渡るし、特にネット情報社会になるとクライアントが知識を入手してしまい、以前のようなありがたみがなくなっているからだという。

 

このため、マッキンゼーなんかも、戦略の立案だけでなく、戦略の実行(implementation)サービスも提供するようになり、業務内容が以前とは変わってきている。

 

このように、業務の内容やビジネスの成功度を見ると、入社時における難易度だけでは判断できないことがうかがえる。

③起業・独立を考えるなら、むしろ総合系の方が有利という点に注目したい

このYouTubeの中で、シャイニング丸の内さんがおっしゃっていたのは、

起業・独立を考えるのであれば、戦略系よりもむしろ総合系(PwCとかデロイト等)の方が有利だということだ。

 

何故かと言うと、こういうところはITシステム導入のサービスとセットになったコンサルなので、より特定された専門的なスキルを習得することができるからだ。

抽象的な「経営戦略の立案」よりも、「〇〇に関するITシステムの導入・変革とそれに即した戦略立案」と言う方が、顧客のより具体的なニーズに合致するため、独立に際しては有利と言うことなのだ。

 

まとめ

サラリーマンではいくら頑張ってもお金持ちにはなれない。

お金持ちになりたければ、経営者として起業・独立するか、投資家になる他ない。

したがって、賢いトップ就活生は、将来を踏まえた上で、どういった外資コンサルを選ぶのが賢明かじっくり考えるべきであろう。

単に、「難しいから」「みんなに凄いと言われたい」という理由で、超絶ハードワークな割に対して儲からない外資コンサルを選ぶのは、「戦略」的とは言えないだろう。

 

ところで、与沢翼氏も、年収チャンネル主催の株本さんも、二人とも早稲田で学生の時からビジネスをどっぷりされている。

自分も今から大学生に戻れるなら、早稲田(特に楽な学部)で、ベンチャーでバイトしたい。東大とか慶応の方が授業とか面倒臭そうだし…