高学歴の学生や若手社会人は、いつまでコンサルタントに憧れて就活・転職するのだろうか?

 

1. 人気度の上昇が止まらないコンサルティング・ファーム

外銀と外コンは就活における最難関の企業である。

特に外コンは、リーマンショック以降に外銀が不調続きなこともあり、どんどん人気度が高まってきている。

 

そして、外コンというと、マッキンゼーやBCG等の戦略系のみを想起する人もいるのだろうが、現在では総合系と言われるDeloitte、PwC、KPMGといった旧Big4系のファームや国内系のファームの人気度も急速に高まってきているようだ。

 

高学歴でもトップクラスの、東大と京大の学生のみを対象としたアンケートでは、

上位10社のうち6社をコンサルが占めるという異常事態になっている。

 

これでは、好景気の中、引く手あまたの高学歴の学生でも、コンサルティング・ファームは高嶺の花となっているのが現状である。

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2. 高学歴の学生には朗報? 間口を拡げるコンサルティング・ファーム

ところが、コンサルティング・ファームを目指す高学歴の学生には朗報か?

コンサルティング・ファームが間口を拡げており、従来よりも入りやすくなってきているようだ。 

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この記事は、中途採用について間口が拡がってきているという話だが、中途採用でのニーズが高まれば、新卒における採用枠も拡がる傾向にあるので、新卒でも入りやすくなるし、新卒で落とされても、中途採用でリベンジできる可能性も高まっているというわけだ。

 

3. それでは、拡がった枠を利用して、今の間にコンサルティング・ファームに無理してでも、もぐりこんでおくのが正解か?

大学入学時からコンサルに憧れており、何が何でもコンサルをやってみたいという人は別として、一般的には、よく考える必要があると思う。

 

これを見ると、間口が拡がったのはオペレーション系の仕事が明らかに増加していて、「従来よりも低い能力であってもコンサルティング会社は受け入れています。」とある。

さらに、「調査、資料作成代行、資料作成レクチャーなど想像以上に地味な仕事も引き受け始めています。」とある。

 

そうなってくると、所属しているのはコンサルティング・ファームであるが、やっている仕事内容はコンサルではないということになってくる。

仕事内容が単純になっても、死ぬほど働かされるという労働環境は変わっていないようなので、単調な仕事の場合だとモチベーションが持続できるのか不安である。

 4. 最大の不安要因は供給の増加に伴うコンサルの価値の低下

もっとも不安な要因は、コンサルという人材の供給過多に伴う、将来のコンサルの価値の急落である。

 

需要が増え続けない限り、供給を増やすと価格は下がるというのが、経済法則の基本である。

この単純な経済法則によって、価値が急落した専門職は弁護士である。

法科大学院制度に伴い弁護士数は4万人を超え、10年間で1.5倍になった。

その間、訴訟件数は横ばいであったため、弁護士の年収は激減してしまった。

 

コンサルに対するニーズは将来も増え続ける可能性は十分にあり得るが、

コンサルの場合、試験とか研修制度という制約がない分、供給は弁護士以上の

ハイペースで増え続ける可能性がある。

需要が増え続けると言っても、単価が低い仕事が増えているので、コンサルの人数が増えると、将来の不安が残る。

5. コンサルは一定期間働くだけだから大丈夫なのか?

コンサルはスキル獲得や箔付けのために一定期間働くことができれば十分であって、

他社に好条件で転職できれば問題ないという考えもある。

確かに、金融と違って、コンサルのスキルは業界横断的に使えるものなので、

転職できる機会は十分あるだろう。

しかし、コンサルの数が増えれば、コンサルスキルを持つ転職予備軍のプールが大きくなるということなので、価値の下落のリスクは依然として残る。

 

6. コンサルは、クライアントの将来を緻密に分析した上で打ち手を考えるのが仕事であるが…

コンサルというのは、将来性を緻密に分析した上で打ち手を考えるはずなのだが、自分自身のキャリアについては「紺屋の白袴」になっている人もいる。

 

そういえば、DeNAとかグリーとか、ガラケーゲームの全盛期の後、東大生がこぞって新卒採用に集まり、ブーム化した気がするが、そこがピークだったような気がする…

 

さて、コンサルはどうだろうか。

供給を増やしても、案件を拡げることにより、市場は拡大をし続けるのだろうか。