【ヤフー、楽天、メルカリ】大手ベンチャー企業の法務職を選択することについて考えてみた

 

1. 必ずと言っていい程、どこの会社にもある法務系の求人

司法制度改革によって、弁護士の数が急増し、それによって年収が低下したため、

弁護士の人気が低下しているという。

 

他方、ITベンチャー系の企業の求人を見ると、ほとんど全てと言っていい程、

どこの会社にも法務関係のポジションの求人がある。

 

これは、ヤフー、楽天、メルカリといった超大手系企業だけではなく、

Wantedlyで検索できるIPO前の小規模なベンチャー企業でも見られるところが

興味深い。

2. IT系ベンチャー企業の法務職に就くキャリア上の意義

①業界横断的な普遍的な専門スキルを習得できる

法務は多くの会社でニーズがある職種なので、特定の企業や業種に留まらず、

幅広い職種で活躍することが可能な職種である。

この点は、人事や経理といったコーポレート系のスキルと共通である。

このため、法務に関する知識と経験をしっかりと習得すると、

将来長期に亘って有効な専門スキルを有することができるわけである。

②IT系のビジネスに関する基本的な業界知識を習得できる

法務関係の部署に力を入れている業界としては、他に、

金融や製薬といった規制業種などもある。

 

しかし、IT系の企業は、テクノロジーの進化に伴い、まだまだ将来成長・発展

することが期待できる。

 

また、IT系以外の事業会社でも、第四次産業革命、IoT、

デジタル・フォーメーションといった切り口から、事業にIT系の技術を

取り込んだり、IT系の子会社を傘下に収めたりすることができる。

金融、商社、サービス業はIT系に強い人が少なかったりするので、

そういったオールド・エコノミー系の優良企業に転身する可能性もある。

③将来的には社内異動で経営企画、事業開発に転身することも可能

法務関係の仕事は、事業部の人々と一緒に仕事を進めることが多い。

従って、社内で信頼や優秀であるという評判を得れば、

経営企画や事業開発系の部署に社内異動することも可能である。

 

この点は、本部を超えた異動が難しい、オールド・エコノミー系の業種との

大きな違いである。

 

経営企画、事業開発というのは、聞こえはいいが、単なる予算策定だったり、

社内調整が多かったり、確固たるスキルを伴わない場合もある。

その点、最初に法務というコアスキルを形成してから、ビジネス創造系の

ポジションに就いた方が着実なキャリア形成ができる場合もある。

3. IT系のベンチャー企業の法務職を狙うにあたっての留意点

最大の留意点は、非弁護士が法務職に就く場合、弁護士資格保有者に

見劣りしてしまうということだ。

また、周りは気にしなくても、自分自身が弁護士資格保有者にコンプレックスを

感じたりするという問題点もある。

 

従来は、日本の司法試験制度は超難関であり、また、弁護士数が少なかったため、

弁護士資格保有者は、サラリーマンとして社内弁護士をやるよりも、

事務所経営・勤務の方が羽振りが良かった。

 

このため、大企業の法務部門はほとんどが非弁護士によって構成され、

社内弁護士は日本IBMとかゴールドマン・サックスといった、外資系企業の

一部位にしか存在しなかった。

 

しかし、弁護士数の急増によって、相対的に大手企業で社内弁護士をやる方が、

事務所経営・勤務よりも待遇が良くなってきた。

そして、徐々に企業で働く弁護士資格保有者が増えてきたのだ。

 

このため、将来を考えると、同じ法務部門で非弁護士と弁護士資格保有者が

混在することが通常想定され、非弁護士にとっては複雑な事情が生じる可能性は

高い。

 

もっとも、そういった問題に対しては、

コンプライアンス部門や知的財産部門といった、法務近接部署を狙うとか、

ビジネス系の部門に転身するといった対応策はある。

 

いずれにせよ、非弁護士の場合は、弁護士資格保有者と一緒に働きたいかという

点について考えておく必要はあるだろう。

4. 新卒で狙うか、中途採用で狙うか?

中途採用で大手IT系ベンチャー企業の法務ポジションを狙うには、

現在どこかしらの事業会社で法務関係のポジションに就いていることが

必要となる。

実際、募集要項にも、法務部門での業務経験をMUSTとしているところが

大半である。

 

もちろん、全然関係がない部署からでもポテンシャル採用ということで

法務部門を狙うことは不可能ではないかも知れないが、その場合は、

年齢が上になるほど難しくなることを踏まえなければならない。

 

法学部生が、新卒で法務部門を志望する場合には、志望動機、

学生時代に力をいれてきたこと等の説明がしやすい。

「弁護士を目指して法科大学院進学を目指してきたが、弁護士の現状と

取得までの時間とコストを考えると、大きな組織で法務について多様な仕事を

した方が良いと考えるようになった」

とこれに尽きるからである。

 

但し、このシナリオの場合、法律力の高さや賢さを証明することが

必要となる。「法科大学院云々」と言いながら、民法や商法の

成績がボロボロだったりすると説得力がまるでない。

 

また、法学部生の法律知識については、面接官が基本的な法務に関する質問を

すれば、すぐにレベルがわかるのでごまかしが効かない。

 

従って、新卒で法務職を狙う場合には、しっかりと法律科目の勉強をしておかないと

厳しいだろう。

 

最後に

ベンチャー系企業と言うと、新規事業とか事業開発系の仕事に人気が集中

するかも知れないが、一見、地味目なコーポレート系でしっかりとした

専門スキルを付けてから挑戦した方が、良いキャリア形成となる可能性がある。

 

一流大学の法学部に入って当初弁護士を目指していても、入学後に

その実態を知れば知るほど、民間企業への就職に切り替えようという学生は

少なくないだろう。

 

ベンチャー企業の特質として、職種別の採用にフレキシブルなことがあるので、

いろいろと検討するのが良いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーマンショック前に、外銀の若手の間で流行ったBMW5シリーズ。今は何が流行りなのだろうか?

1. 今の若者は車に関心が無くなったというが…

若者の車に対する関心が弱まってきているという。

確かに、ポルシェやフェラーリは50歳以上のオーナーが多い。

バブル世代(1960~1969年生まれ)とそれより上の世代は、

車がステイタスシンボルであったので、今でも車に対するこだわりは強いようだ。

 

とはいえ、かなり昔の話であるが、

リーマンショック前の好況期(2004~2008年頃)においては、

外銀の若手(20代のアナリスト或いはアソシエイト)の間でも、

高級車を購入する者は少なからず存在した。

 

2. 何故か、BMWの5シリーズが流行りであった

当時は、MDになる前のVPでも、フロント部門であれば、

余裕で5000万円を越える年収であったため、見栄を張ってフェラーリ

(当時は今よりも安かったのだが)を買うこともできた。

 

しかし、さすがに、20代のアナリスト・アソシエイトだと

良くて3000万円位であったのでさすがにフェラーリを買うわけにも

行かず、BMWの5シリーズを購入する者が結構いた。

 

何故、BMWなのかというと、20代だとベンツはオジサンくさいのかも

知れない。それから、当時はポルシェのカイエンが流行っていたので、

SUVが好きな者はそちらを選択する者もいた。

 

3. 現在のBMW5シリーズは当時よりも巨大化したようだ…
www.goo-net.com

当時のモデルはこちらで、流石に十数年以上前のモデルであり、

前の前の型にあたるから、かなり古臭いデザインに見えるが、当時は

これが最新型であった。

 

新車の本体価格が600万円代であったので、

オプションとか好きなものつけて、諸経費込みでも、BMW

値引きもあるので、トータルで800万円もあれば買えたはずだ。

 

当時の外銀の年収水準からすると、余裕であり、ローンを組む必要すら

なかったはずだ。

(もちろん、当時は生活も派手なので、それほど貯蓄は無かったのかも

知れないが。)

 

それに対して、最新版のBMWの5シリーズはこちらだ。

bmw-japan.jp

 

こちらの方がデザイン的にすっきりした感じがする。

でも、何故かサイズは一回り大きくなっており、

全長は5m近く(4945mm)、全幅は1870mmとなっている。

当時の7シリーズに近い。

 

また、値段も上がっており、車両価格が800万円を超えており、

オプションを好きに付けると、最終的に900万円を越えるぐらいだろうか。

 

まあ、この百数十万円位の値上がりは仕方がないが、

外銀の20代の若手社員の年棒水準は当時よりも明らかに低下している。

とにかく、ボーナスの水準が減っているので、アソシエイトでも

トータル年収が2000万円に届かない場合も珍しくない。

 

そうなると、貯蓄性向にもよるのだが、キャッシュでポンと買えるような

状況ではなくなってきている。

(他方、外銀の将来に対する危機感は当時よりも格段に強いので、

貯蓄性向は高まっている可能性がある。)

 

もう外銀を離れて10年以上が経つので、若手がどのような暮らしぶりを

しているのかはよくわからない。

転職エージェントや、外銀からバイサイドに来た者の話を聞く限り、

当時と比べるとネットで出ている諸情報の通り、外銀の年収水準は

大幅に低下しているようだ。

 

昔のように、羽振りの良い外銀の若手がフェラーリ(今だとトータルで

3000万円~)を買えるようになる時代は将来やってくるのだろうか?

 

外銀・外コン・総合商社完全制覇の就活生は、どこを選択するのが良いのだろうか?

 

1. そもそも3つから内定を取る必要があるのか?

就活難易度&ステイタスが最上位の、外銀・外コン・総合商社の

3業態であるが、そもそも、それぞれが特有の準備をしなければならないのに、

3業態全てから内定を取る必要があるのだろうか?

 

外銀・外コンの選考は早く、3年生の秋~冬までには内定が出るから、

外銀或いは外コンが堅い本命であれば、翌年の3月ころから採用プロセスが

始まる総合商社をわざわざ受ける必要は無いし、面倒である。

 

しかし、総合商社に関心がある場合には、外銀・外コン内定保有者は別枠で

採用プロセスに乗っかれるので、外銀・外コンが本命でなくとも

内定を予め取りに行く総合商社志望の学生はいるようだ。

 

外銀・外コン内定獲得者は、最優秀層でバイタリティもあるため、

人間の本能の1つである収集本能(空きがあれば埋めたくなる)によって、

総合商社(特に最高ブランドの三菱商事)からも内定を取っておきたいと

思うのかも知れない。

 

いずれにせよ、3つ内定を取っても、どれか1つを選択しなければならない。

その場合、どれを選ぶのが正解であろうか?

 

2. 選定のための判断軸

どれを選ぶのが正解かは、当然、その学生の価値観によって決まるという

ことなのだが、具体的にはどういうファクターによって判断するのかについて、

以下、いくつかのファクターを抽出して、

表にまとめて可視化してみた。

 

 

外銀

外コン

総合商社

年収

安定性

×

転職力

起業・独立力

×

×

海外赴任

×

 

ここで使用したファクターは、

年収、安定性(クビ・リストラのリスク等)、転職力、

起業・独立力、海外赴任のチャンス、

の5つを抽出してみた。

 

それを、私の独断と偏見で5段階(◎、〇、△、▲、×)でチェック

してみた。もちろん、これは人によって、ランクが違ってくるかも知れない。

 

これを見ると、以下の仮説が成り立つだろう。

①外銀を選択する人

これはわかりやすいかも知れないが、とにかく「お金」が沢山欲しい

人である。そのためには、ハードワークやリスクは恐れないという

タイプである。

 

外銀の場合、そもそも1千万円スタートである。VPに昇格すれば3000万円、

MDに昇格すれば5000万~1億円位が見込める業界である。

外コン、総合商社と比べて、年収の可能性は突出して高い。

ただし、リーマンショック以降は、収益性がぐっと低下したため、

1億以上稼ぐのはかなり厳しくなってしまった。

いずれにせよ、お金という点では、外銀の一択であろう。

 

②外コン選択者は自分のやりたいことを自由にやりたいタイプ

外コンの場合は、お金という点では激務やリスクという点を考慮すると

それほど大した金額は稼げない。

他方、転職力は高く、業界を問わず、あらゆるところからニーズがある。

また、企業経営全般に携わる業務を他業種において展開するため、

独立や起業には向いている。

 

従って、お金やステイタスを追求するというよりは、自分が好きなこと、

興味があることを自由にやりたい人が向いているのではないだろうか。

 

③総合商社は安定的にそこそこもらいたい人?

まず、海外赴任したいという人は総合商社の一択である。

ほとんどの者が海外で働けるチャンスがあるようである。

また、海外赴任時には充実した赴任手当が待って入る。

 

それ以外は、安定的にそれなりの給料をもらえるということだろう。

外銀と比べると、年俸的には見劣りする。

また、典型的なコンサバでバリバリの年功序列型組織なので、

起業するには向いていない。

また、普遍的なスキルが身に付くわけでは無いので転職力は

低い(特に40歳以降)。

 

とはいえ、終身雇用が保証される上、海外の現地法人

子会社で経営職に就くチャンスは高い。

また、企業によっては新規事業投資のビジネスに参画できたりもする。

したがって、それなりの多様なビジネス経験ができる可能性は高く、

このあたりは大手金融機関とは異なる魅力である。

 

総合的にバランスが取れているということは言えるだろう。

 

最後に

以上のように、その人の価値観によって行き先を決めればよい。

もっとも、20代、或いは30前半位までであれば、

3者間で、行き来できる可能性はある。

 

例えば、20代で、外銀・外コンから総合商社に転職するのはアリだ。

また、MBAを経由すると、外コン⇒外銀、商社⇒外銀・外コン、

はありである。

 

いずれにしても、この3業態のいずれかから内定を取ることができれば、

明るい未来が待ってそうなので、頑張って早いうちから準備を

して万全の対策をして臨みたいところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

かつての最年少上場社長の村上太一氏率いるリブセンス。今から中途採用で入社するのはどうか?

 

1. 忘れ去られてしまったリブセンス?

リブセンスという会社をご存じだろうか?

2011年に村上太一社長が25歳の時に上場させたということで、注目を集めた

会社である。

 

しかし、その後の業績は冴えず株価は大きく低迷し

(平成30年12月20日時点で時価総額約76億円)、リブセンスも村上社長も

メディアに出なくなったようである。

 

とはいえ、リブセンスは有利子負債がゼロの無借金企業であり、

自己資本比率は70%を優に上回り財務的には安定している。

また、売上高はここ数年50~60億円位で、数億円の利益は計上できている。

 

従って、そこそこ経営的には安定しているので、何か新規事業であてれば

浮上のチャンスはあるはずだ。

 

2. 事業企画に挑戦してみるか?

リブセンス社のホームページの募集要項を見ると、全職種について、

広く募集しているように見える。

 

そのうち、某転職エージェントのメルマガで事業企画に関するポジションの

案内が来たので考えてみたい。

  

募集職種詳細 | 株式会社リブセンス | 採用情報

3. 成長が止まったベンチャー企業での新規事業の創出

募集があるのは、事業責任者候補として、新規事業の創出、

既存事業の拡大を担うポジションである。

 

①事業企画の仕事とは

業務内容は、事業責任者であるので、

事業戦略の立案(管理会計、予算策定)、組織運営とマネジメントといった

内容である。

 

対象となる既存事業としては、アルバイト求人サイト「マッハバイト」、

不動産賃貸サイト「DOOR賃貸」、転職者向け情報サイト「転職会議」等

が考えられる。

 

求められる資格・経験については特段ハードルは高くなく、

事業企画や新規事業立ち上げの経験、マネジメント経験といったものである。

 

なお、年俸は1000万円以上も可能なようだ。

(といっても、そうそう簡単ではないと思うが)

 

②魅力があるポジションだろうか?

リブセンスの経営基盤は安定しているし、知名度もそれなりにある。

IT環境、バックオフィス、協力体制など、働くインフラも悪くないと思う。

仕事内容も、よくある事業開発系であるが、おもしろそうである。

 

しかし、何と言っても、ワクワク感があるポジションとは言えないだろう。

やはり、ベンチャーには勢い、新規性、成長性が求められる。

 

どうせ新規事業の開発等をやるのであれば、メルカリとかLINEとか

今をときめく会社でやってみたいものだ。

 

また、既上場であるので、ストック・オプションの妙味が無い。

このため、トップクラスのエンジニアとか、外銀・外コンのピカピカの

人材を採用するのは難しいであろう。

(もっとも、この段階で外銀・外コンの人材が必要かどうかは

よくわからないが。)

 

③とはいえ、結果を出せれば次につながるポジションではないか?

でも、派手さはないかも知れないが、ビジネス的なインフラは揃っているし、

人的な支援体制もしっかりしていそうだ。

従って、良いビジネスプランがあって、着実に実行すれば

良い結果を出せる可能性はある。

 

そうすると、ベンチャー企業でフレキシビリティがあるので、

どんどん上の仕事をしたり、子会社経営を任されたりするチャンスは

あるだろう。

その場合、ストック・オプションは無くとも、相応の年収やステイタスは

得られるのではないだろうか。

 

したがって、地味目でもしっかりとしたスキルがある人材にとっては

面白みがあるポジションと言える。

 

このため、年齢があまり若くないとか、レジュメの見た目が良くない

(前職にネームバリューのある会社が無い)等により、スペックで

やや劣るが、相応のスキルや経験を持っている人材にとってはチャンス

かも知れない。

4. ベンチャー企業HRMを真剣に考えなければ永遠に抜け出せない?

これは、リブセンスに限った話ではなく、

DeNA、グリー、Mixi、gumi、ガンホーコロプラGMO

じげん、メタップスクックパッドなど、

上場後に業績・株価が低迷しているベンチャー企業共通の話ではあるが、

HRM(人的資源管理:Human Resources Management)をしっかりやらないと

現状から抜け出すことは難しいのではなかろうか?

 

結局、いくら戦略を立てたところで、それを的確に実行できる

優秀な人材を確保し(リソース・マネジメント)、確保した優秀な

人材をフル稼働させ(モチベーション・マネジメント)、

それを継続的に実現していく仕組み(組織デザイン)ができていないと、

単発で採用を掛けて終わりとなってしまう。

 

したがって、ビジネス創出に注力するのは理解できるが、

その前に、一歩下がって、HRMシステムを見直し・創造してみるところから

始めた方がいいのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注目のLINEの金融事業。中途採用で狙うとすれば、どういった職種がよいか?

 

1. LINEの金融事業は戦略的な重点業務分野であるが…

LINEは金融事業を今後の中核事業に育てるため、戦略的な重点業務と

している。

 

実際、先日、みずほと提携し共同で新たなネット銀行「LINE Bank」を設立する

計画を発表したし、 

LINEとみずほが「LINE Bank」設立へ なぜ2社が新銀行を作るのか - ITmedia Mobile

 

 半年ほど前には、野村證券との証券ビジネス等における提携を発表している。

【LINE Financial】LINE株式会社、LINE Financial株式会社、野村ホールディングス株式会社による金融事業における業務提携の一環としての合弁契約書締結について | LINE Corporation | ニュース

 

しかし、まだ起ち上げたばかりのレベル感であり、ここから収益に結びついてくる

のはまだまだ先の模様である。

 

2. LINE Payは好調のようだが…

 この秋の、LINEの決算説明会資料によると、LINE Payのスマホ決済対応

予定箇所は92万箇所を突破し、順調に進捗しているとのことである。

 

https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

 

確かに、LINEの知名度、既存ユーザーの数、LINE Payのインフラ拡大

傾向から考えると、金融事業のうちの決済ビジネスについては、

思惑通りに行くのではないだろうか。

 

しかし、決済事業というのはそれ自体で大きく稼ぐことは難しい。

決済から先の、金融事業、要するに、銀行、証券、保険、仮想通貨、

といったビジネスにつなげて初めて儲けることができるのだ。

 

実際、LINEに関わらず、ソフトバンク/ヤフー、楽天、メルカリ/メルペイも

決済基盤を確保してから、その先の金融ビジネスで利益を上げる算段で

あろう。

 

3. それでは、決済から先のどういった金融ビジネスが有望か?

LINEの場合、決算説明会用資料の14pに、LINE Financialとして、

資産運用、保険、PFM(家計簿サービス)、その他金融サービスが

記載されている。

 

このうち、LINEほけん、LINEスマート投資はサービスリリース済である。

みずほとの提携の銀行は、「その他金融サービス」に入るのだろうか?

①保険ビジネスについて

このうち、おすすめできないのが「保険」である。

そもそも国内保険市場は飽和状態である。

LINEというのは、保険の申し込みの手段が簡素化されるというだけであって、

それによって、国内保険市場が拡大されるわけではない。

それは、あれほど上場から長期間かけてもなかなかうまく行かない

ライフネット生命を見れば明らかではないだろうか?

 

将来的には、Insur Tech(インシュアテック)も視野に入れているのかも

知れないが、既存の大手保険会社と競合するかも知れないし、

そもそも日本国内でどれほど市場が開拓できるのか未知数である。

②銀行・証券ビジネスについて

銀行と証券ビジネスを一緒にして分析するのは雑かも知れないが、

両者には共通点がある。

それは、既存の大手の金融機関と提携しているということである。

 

悪く言うと、LINE単独では銀行や証券のことはよくわからないから、

「野村さん教えて下さい」「みずほさん教えて下さい」

という立場である。

 

他方、野村やみずほからすると、「LINE7000万ユーザー」という既存

ユーザーの多さに着眼して提携しているのだろう。

しかし、LINEユーザーの7000万人の人達は、LINEのチャットやアプリが

目的でLINEのユーザーになっているだけであり、金融をやるために

ユーザーになっているわけではない。

LINEに銀行や証券がつながったところで、銀行や証券に対するニーズが

発生するわけではないのである。

 

また、野村やみずほの社員からすると、大型M&Aとか大ヒット投資信託

関わった方が自分のキャリアになるわけであって、LINEとビジネスを

やりたいとは思っていないだろう。

それに、LINE側には野村やみずほと対等に渡り合える金融のプロフェッショナルが

いないので(LINEの給料では雇えない)、結局、大手金融機関の既存サービスを

越える魅力的な新サービスが生み出されるとは思い難い。

 

実際、半年前に野村と起ち上げた証券事業はどうなっているのかよくわからない。

このあたりのスピード感も疑問である。

 

従って、大手と提携しなければ起ち上げることができない銀行・証券事業

に参画することには、個人のキャリアをLINEで形成するという観点からは

あまり魅力的には思えない。

4. チャンスは仮想通貨にあり

それでは、LINEの金融事業は、保険だめ、銀行だめ、証券だめ、

ということなら、全部だめなのかというとそういうことはない。

 

仮想通貨事業がある。

今年の年初のコインチェックの仮想通貨流出事件と市況の低迷により、

去年とは打って変わって、仮想通貨ビジネスは寂しい状況が続いているが、

仮想通貨交換業協会という自主規制団体が立ち上がり、

ICOに関して来年以降の法改正(金商法)の方も進捗しているようである。

 

政府は仮想通貨事業を否定しているのではなく、むしろ、しっかりとした

管理・監督をした上で、市場の発展を企図しているのだ。

 

また、LNEは決済事業は取れそうであるし、何と言ってもゲームが強い。

従って、LINE独自の仮想通貨との親和性も高いと考えられる。

 

仮想通貨市場がどれくらい発展するかはわからないが、Block Chain技術との

関連で、事業はコケたとしてっも、個人のスキルベースだと価値を高めることは

十分可能だ。

 

それに、銀行・証券のプロは沢山いるが、仮想通貨、ICOに関するプロは

ほとんどいない。

従って、LINEの金融事業を中途採用で狙うのであれば、

仮想通貨事業が面白いと思う。

 

現在も、仮想通貨事業について、サービス企画、ビジネス企画、

ビジネスサポート、技術職、デザイン職、

とあらゆる職種で採用活動をやっているようなので、

挑戦する価値はあるだろう。 

linecorp.com

PERSOL(パーソル)の直近決算資料から、人材ビジネスの方向性を読み取ってみる

 

1. PERSOL(パーソル)とは?

上場している人材関連企業の大手のPERSOLの決算資料(2018年

11月12日付)から、人材ビジネスの今年の方向性を読み取ってみたい。

 

なお、PERSOL社とは、テンプスタッフDODA、an等の運営会社である。

ビジネスにおける比率は、派遣ビジネスが大半である。

 

人材関連ビジネスの最大手はリクルートだが、リクルートは人材以外の

各種マッチングビジネスも手掛け、また、海外事業の割合も小さくないことから、

日本の人ビジネスにフォーカスするという意味では、むしろ、

PERSOL社が参考になるかと考えた。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2181/ir_material_for_fiscal_ym/55551/00.pdf

2. 2019年3月期第2四半期 決算説明会資料からのポイント

PERSOL社の決算内容は概ね順調の模様である。

①人材ビジネスは、派遣ビジネスを中心に全体的に好調

決算説明会用資料によると、2018年3月期実績の売上7221億円、営業利益

360億円に対して、2019年3月期決算予想は、売上9400億円、営業利益

425億円と、20%程度の成長であり、順調である。

②好調な派遣ビジネスと派遣事業における法改正の影響

PERSOL社の強みは、テンプスタッフブランドによる人材派遣ビジネスだが、

決算数値的には順調のようだ。

 

加えて、法改正の影響がポジティブに効いてくるようだ。

2018年10月以降、派遣法改正に伴う雇用安定措置の対応のために、

これまでと比べて無期化が進むと見込まれている。

 

無期化に伴い、約5~10%の請求単価UPを実現することができた。

 

一定の経験者の派遣社員は、安定した雇用契約を求めて無期転換を希望

する傾向があるという。

③リクルーティングセグメントの人材紹介の売上拡大

PERSOL社は、転職ビジネスにおいてはDODAブランドでビジネスを

展開している。

人材紹介の売上高成長率(対前年度比)は+25%超の高水準で推移

しているという。

 

この転職ビジネスも順調な背景としては、

20代から30代の転職に対する意識が変化していること、

企業の中途採用時の年齢上限の変化や、地方における人材紹介会社の

活用拡大ということがあるという。

要するに、転職市場自体が拡大しているということだ。

 

PERSOL社は、市場の拡大に合わせて、コンサルタントを積極採用すると

ともに、これまでに蓄積した求職者のデータを最大限活用し、コンサルタント

属人的な経験に過度に依存しないオペレーションを実現しようとしている

という。

④重点施策としての、国内既存事業領域や新規事業領域におけるM&Aの積極化

外市場における既存事業領域についてはM&Aを通じた規模拡大策は

一旦完了という。

 

ただし、国内既存事業領域については従来通り積極的にM&Aを推進すると

ともに、新規事業領域については、パーソルイノベーションファンド

による調査・投資活動に加え、「グループイノベーション推進本部」

を設置し、グループ全社視点でのオープンイノベーションを加速するという。

3. PERSOL社の方向性を参考にした人材ビジネスのトレンド予想

以上のPERSOL社の決算や方向性を参考に、人材ビジネスの方向性を

予想してみると、以下のイメージとなった。

①人材の流動化の進展と企業の人的資源管理スキルの巧拙の差の拡大

せっかく一生懸命新卒採用をしても、3年後には約3割は辞めてしまうという

ことが知られている。

しかし、20~30代の転職に対する意識の変化は避けようがなく、

好調な派遣市場のことも考え合わせると、人材の流動化の進展の方向性は

否定しようがないのではないかと考えられる。

 

まだまだ多くの日本の優良企業は新卒採用一辺倒で、中途採用

お付き合い程度に少しの若手(非管理職)を対象にのみ実施しているところが

少なくない。

 

そうなってくると、人が抜けても外から採用できないし、成長事業が

出てきても既存人材の配置換えで対応せざるを得なくなる。

 

これは人的資源管理(HRM)における、リソース・マネジメントや

モチベーション・マネジメントを駆使しなければならないということで、

人事部門のスキルの差が、業績の差につながっていく可能性があることを意味する。

 

人的資源管理、特に中途採用のスキルが不十分な旧来的に日本の大企業に

大して、クオリティの高いサービスを提供できる人材関連会社には

大きなビジネスチャンスがあると言えるだろう。

コモディティ人材に対するニーズの存在とAIによる省人化の実現

AIによってヒトが要らなくなる旨強調されているが、それは時間軸を

無視し過ぎている嫌いがある。

今すぐに、AIがヒトに代わって働いてくれるということはないのだ。

分野によっては数年後に実現可能な領域もあるだろうが、

10年以上経っても、AIによる省人化が達成できないジャンルも少なからず

あるだろう。

 

実際、派遣ビジネスに対する需要は旺盛のようで、AIによって派遣市場が

閑散とするのはまだまだ先の模様である。

 

そうなると、いつまでたっても派遣社員や正社員を抑制することができない

企業と、AIをうまく活用して効率化を実現できる会社との間で大きな差が

付く可能性がある。

 

そうなると、省人化を推進するようなアドバイスができる人材関連企業には

飛躍的に伸びるチャンスがあるだろう。

 

PERSOLのような人材派遣事業を手掛ける会社にとっては、痛し痒しの

ところはあるが、先を見据えると、省人化にむけたアドバイス能力を

向上させていく必要があるのではなかろうか。

③HRテックへの期待感の増大

PERSOL社も、リクルート社も、パソナ社も、人材関連各社の業績は

好調であるし、利益の規模も大きい。

各社ともに潤沢な資金を持って、新規事業に投資をしている。

 

また、クライアント側である事業会社(採用側)も、外銀などの一部の

少数の例外を除くと、人事部門はエリートであり、予算と権力を握っている。

 

したがって、HRテックという分野への期待感は高く、今後、いろいろと

盛り上がってくると思われる。

 

今からベンチャー起業をするのであれば、この分野が面白いのではなかろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外銀IBDのMDが、東京都港区の新築億ションを購入した場合のシミュレーションについて

1. 東京都都心部のマンションの驚きの価格

東京都都心部、要するに、東京、銀座、赤坂、六本木、渋谷といった

ビジネスの中心地に車で10分以内で行けるような立地のマンション価格は

物凄い値段になっている。

 

東京の住宅地に関しては、都心3区と言われる、港区、千代田区中央区

最も高いとされているが、そのうち、港区が最高峰と考えられている。

 

ネット検索するとわかるが、港区の新築マンションの坪単価は、

600~800万円位に高騰しており、特に話題の物件の最上階とも

なると、余裕で坪単価が1000万円を超えていたりする。

(例えば、延床面積130平米で4億円!)

 

リーマンショック前の好況期(2006~2008年頃)であっても、

坪単価400~500万円もあればそこそこの港区の新築マンションが買えたように

記憶しているが、2011年の震災にも関わらず、都心のマンション価格は

じわじわと高騰をし続けているのである。

 

2. 外銀IBDのMD向けの物件の選定

何と言っても、外銀IBDのMDである。

起業家などのオーナー経営者を除く、日本のサラリーマンにおける最上位である。

従って、港区と言っても、狭かったり、ショボいデベロッパーの物件を

買うわけにはいかない。

 

とはいえ、サラリーマンであるため、税金はがっつりと半分位かかって

しまうし、ボーナスのうち3割位はRSU(株)で付与される。

また、商社のように安定的な終身雇用では全くないので、

3~4億クラスになると、ちょっと厳しい。

 

そこで、1億5000万~2億円位が妥当であろうか?

 

検索してみると、こういった物件が見つかった。

  

<公式>プレミスト赤坂翠嶺|東京都|関東|ダイワハウスの分譲マンション

 

大手の大和ハウスが分譲の最高峰のプレミストシリーズ。

立地は港区赤坂で、現存する最高値物件が約1億5000万円である。

(とはいえ、71平米の2LDKである)

これぐらいであれば、外銀IBDのMDでもとりあえず恥ずかしくない物件と

言えよう。

 

3. 返済シミュレーション他

物件が決まると、次は返済プランということになる。

その前に、外銀IBDのMDの年収と貯金額を想定しなければならない。

 

支払うことができる頭金の額によって、その後の月々の返済額が違って

来るからだ。

①現状のベースとボーナスを想定

まず、現状のベースサラリーは比較的想定しやすい。

ベース自体には相場があり、各社極端な差は無いからだ。

従って、ベースサラリーは3500万円としよう。

従って、実質手取りは6割を下回り、月に160万円強くらいだろうか。

 

ボーナスは水物なので、また、RSU(株式による支給)も3割以上を

占めるだろうから、キャッシュ部分は減るので、ボーナスは全て

貯蓄に回すことを想定し、住宅ローン返済には使用しないこととする。

 

ちなみに、今だと期待すべきボーナス額は3500~7000万円くらいであろうか。

(欧州系だと、5000万超のボーナスは難しい気もするが…)

②現在の貯蓄額を想定

外銀IBDのMDに35歳で就任したとしよう。

20代の8年間は、アナリストとアソシエイト、

30~35歳の5年間はVPだとしよう。

 

そうすると、20代のアソシエイト以下の時期は大して貯蓄できない。

何故なら、せいぜいアソシエイトで2000万円程度であり、

20代の内にはせいぜい3000万円位の貯蓄くらいが精一杯だろう。

(外銀の場合、それなりの生活費がかかるから)。

 

そして、VPでもベース2000、ボーナス2000で、

手取りが6割弱であることを考えると、1年間で1000万円貯めるのも

容易ではない。

1000万円貯めたとして、5年間で5000万円である。

 

以上より、20代に3000万、30~35歳で5000万貯めたとして、

合計貯蓄額は8000万円となる。

③返済シミュレーション

貯蓄額が8000万円であれば、頭金に5000万円を充当できる。

そうすると、住宅ローンの借入金は、

1億5000万円ー5000万円=1億円となる。

 

住宅ローン金利は、今はとにかく安い。

各種銀行のサイトを見ると、三井住友信託銀行で1.05%というのが

あったのでこちらを使う。

 

返済期間は15年としよう。

商社のように60歳までの雇用は全く計算できないからだ。

 

これで計算してみると、

月々の返済額は60万円だ。

月々の手取りは160万円強なので、ちと割合が高い気もするが、

ボーナスは全額貯蓄に回すと想定しているので問題はない。

残り手取り100万円あれば、何とか相応の生活はしていけるだろう。

まとめ

東京都心部のマンション価格の高騰によって、

1億円ではマンションを購入できなくなり、外銀IBDのMDでも

楽勝では行かなくなった。

 

もっとも、MDまで上り詰めることができるのはほんの一部である。

 

そういうことを考えると、税制の上でも、起業して会社を売却する

途の方が早い気もするがどうだろうか?