「年収チャンネル」を高学歴の学生に強くおすすめしたい理由
1. 就職格差の一因は情報格差にあり
①高学歴の学生に存在する物凄い就職格差
ここでいう「高学歴」とは、最難関の総合商社の採用実績が毎年ある学校を言う。
具体的には、旧帝大、有力国立大学、早慶上智ICU、MARCH、関関同立あたりが
該当する。
不思議なのは、同じ大学・学部なのに、驚くべき就職格差が存在する。
例えば、慶応であれば、外銀・外コン・総合商社総なめ組から、上場企業にすら
入れない学生までいる。
就職格差にはいろいろな要因が考えられるが、「情報格差」もそのうちの
重要な要因の一つであろう。
②情報格差を埋めるために学生が対応すべきこと
高学歴の学生は等しく一流企業に入れる可能性があるのだから、情報格差を
付けられないように、以下の点に留意して行動すべきである。
(1)なるべく多くの企業とその実態を知ること(幅の充実化)
高学歴の学生でも企業に対する知識が不十分である。
特に、消費者向けのビジネスを展開していないB to B型の企業に弱い。
例え、志望企業が消費者向けの企業であっても、B to B型の企業との取引は
あるわけで、実態を深く理解するためには他業態への知識も不可欠である。
(2)なるべく深く企業の儲けの構造(ビジネスモデル)とその実態を知ること
(深さの充実化)
総合商社の採用担当者が言うには、「学生はビジネス情報に弱い」という。
高学歴の学生でも、企業がどういうビジネスモデル、或いは、戦略で儲けている
のかということを深く考えていない。
従って、これは情報格差だけでなく思考力の格差も包含しているのだろうが、
企業のビジネス構造を深く理解する必要がある。
③「年収チャンネル」によって解決できる点
「年収チャンネル」は、上記の問題点を解決するための一助となる。
しかも、Youtubeというメディアを使って、1回あたりわずか4~5分で
隙間時間を使って無料で簡単に閲覧できるようになっている。
上記の問題点である、(1)なるべく多くの企業を知ることについては、
商社、IT、コンサル、金融、リクルート、Sierといった人気業態から、
会計士、フリーランス、ユーチューバーまで幅広い業態を動画を
見るだけで知ることができる。
また、(2)の儲けの構造についても、ゲストが実態をいろいろ語ってくれているので
考えることの一助となるだろう。例えば、企業ではないが、
人気ユーチューバーは年収5億クラスである。どうして儲けることができるのか、
どういうことが差別化要因になるのかということを好奇心を交えてでも
考えてみるのは、将来成功したい者にとっては重要なことである。
また、高学歴の学生が一旦、人気企業に就職した上で、もっと上の世界に
行くためにフリーランスを目指すという途も示されている。
こういった情報は、学校や先輩たちは教えてくれない。
従って、この高学歴の学生達は「年収チャンネル」を利用しない手は無い。
2. 「年収チャンネル」がYouTubeというメディアを使っていることを考えよう
「年収チャンネル」の見方と面白いサンプルの話をする前に、何故YouTubeという
メディアを使用しているかについて考察したい。
ネット技術の進展と主要メディアの変遷というのは、産業界に大きなインパクトを
与える。学生は、スマホとかアプリの使用法は詳しいが、その背後にある
ネット技術やメディアの意義についての理解は浅いので、少しここで確認したい。
①ようやくentertainmentからビジネス・ユースでのフェイズに入ってきたYouTube
メディアとしてのYouTube自体は目新しいものではない。
Googleが、ほとんど売上も立っていないようなYouTubeを16.5億ドル(約2000億円)
で買収して、多くの人が度肝を抜かれたのが2016年10月のことである。
その後、音楽(ジャスティン・ビーバーのデビューのきっかけとなった)とか、
娯楽(例えば、2016年のPPAPのピコ太郎)で、既にグローバルに浸透している。
しかし、音楽にせよ、お笑いにせよ、利用目的は広い意味のentertainmentであり、
ビジネス目的での使用は目立たないものであった。
ところが、最近になってようやく、ビジネス目的での供給に向けての動きが
静かに始まっている。
この点、月間250万PVを誇るトップブロガーのイケダハヤトさんも、
ブログ、ツイッターに加えて、YouTubeを導入し始めた。
www.ikedahayato.com
「年収チャンネル」の運営者の株本さんの本業は、Webコンサルタントである。
本業のWebコンサルティング・ビジネスにおいて、従来のHPだけでは不十分で、
これからはYouTubeを駆使して行かないと勝てないという点を熟知されている
わけである。
このため、半歩先を行って、就活情報でも敢えてYouTubeというメディアを
実験も兼ねて活用されているわけである。
YouTubeを大企業が使いこなすのは難しいため、ベンチャー企業がYouTubeを
巧みにつかって、一気に大企業の縄張りに風穴を開けるチャンスは十分に
あるので、大変面白いメディアだと思う。
この点、ハイエンドの学生向けに就活情報を提供している「就活情報」や「one career」の牙城に、「年収チャンネル」が一気に食い込んで行ける可能性が
あるので楽しみである。
②5G時代の到来と動画メディア
ここは、「年収チャンネル」から少し話がズレるが、重要なので、触れておきたい。
IBD志望の学生は、財務モデリングとか言っていても、このあたりの世界は
弱そうなので。
「年収チャンネル」がYouTubeをメディアとして使用した背景として、
通信インフラの変革、すなわち5G時代の到来を踏まえたものであると思料される。
過去、大体10年単位で通信インフラの変革が起き、特に携帯電話が登場する2G以降、
それは通信業界だけでなく、産業界及び社会生活全般を変えるパワーを
持ち始めた。
1G(1979) |
2G(1993) |
3G(2001) |
4G(2012) |
5G(2020予) |
~1980年代 |
1990年代 |
2000年代 |
2010年代 |
|
・携帯電話 ※平野ノラが 持ってる弁当箱 位の大きさ
|
・ポケベル、 PHS、 携帯電話
・メールが可能に |
・携帯電話、 スマホ時代に 突入
・携帯端末からの Web閲覧が可能に |
・スマホ社会の 進展
・動画も閲覧可能に |
・スマホ社会の 更なる進展
・10Gbpsの 超高速通信時代に
|
こちらの表を見て欲しい。
2G世代である1990年代後半に携帯電話が登場し、徐々に普及し始めた。
そして、2001年に3G世代に突入すると、通信容量が増え、i-modeのようなデータ
通信が普及し始め、後半になるとスマホが登場した。
スマホの登場によって、ネット社会とリアル社会がつながり、社会生活の多くが
影響を受けるようになった。
2012年の4G世代になると、スマホ社会と前提としたうえで、容量の大きい
動画がスマホで閲覧できるようになった。
そして、2020年に予定されている5Gの運用が開始されると、通信容量が
飛躍的に増大し、バッテリーや通信コストを抑えつつ、当たり前のように
動画の閲覧が可能となる。
すると、企業と個人、または、個人と個人の間のコミュニケーションが
ビデオ動画のような内容になり、HP、ブログ、SNSも、
文字・画像から、動画の割合・存在感が高まることが予想される。
これは、個人が望まなくても、通信キャリア、スマホメーカーを始めとして、
産業界自体が仕掛けてくるので、個人も嫌が応でも動画社会に巻き込まれて
いくのだ。
こういった通信インフラの変化(5G)を見据えた上で、就活情報メディアである
「年収チャンネル」もYouTubeで仕掛けていると思料されるのである。
金融・商社志望の高学歴の学生も、この点は疎かったりするので、トップ企業を
目指すのであれば当然意識しておいて欲しい。
③何故、水着の女の子が真ん中にいるのか?
この質問、必ずと言っていいほど、YouTubeのコメント欄で見受けられる。
株本さんは、「おじさんばかりじゃ詰まらないから」「何となく」という
回答をされているのだが、改めて回答を考えてみた。
(1)YouTubeはentertainment系のメディアとして発展してきたから
株本さんは、メディア関連の仕事をされているので、ビジネス系のテーマで
あっても、YouTubeが歴史的にentertainmentとして発展してきた経緯が
あるので、基本に忠実にentertainment的な要素を入れたかったのではないかと
思料される。
(2)他のビジネス系のメディアとの差別化としてのマーケティング的配慮
就活、転職と言ったキャリアについて伝えるYouTube番組は他にもあって、
Utsu-san チャンネル、castdice TV、TJ advisersなんかは、
結構いい情報を提供してくれていたりする。
しかし、悲しいかな、全く認知されるに至っていない。
その理由の1つとして、おじさんが単数或いは複数でしゃべっているだけで、
全く色気も華も無いのだ。
極端に言うと、動画でやる意味があまりなく、ラジオのような音声だけで
いいような動画となっている。
そこで、株本さんはそういった、中身はいいんだけど、おじさんばかりで
見る気が起きない番組とは差別化する意味で、思い切って、
水着の女の子を配置するマーケティング戦略を採用したのではないだろうか?
(3)デメリットは女性のユーザーを遠ざけること
水着の女の子は、entertainment性があるし、他のおじさん系の就活・転職
番組と差別化することに成功していると思う。
但し、避けられないのは女性のユーザーを遠ざけることだろう。
高学歴でトップ企業を目指すインテリ系の女子学生からすると、
真ん中の水着の女の子を見ると、アレルギー反応を起こしても致し方ない。
しかし、現状のトップ企業の志望者数に占める割合は男子生徒が多数であるから、
この点は割り切ったということであろう。
スターバックスと喫煙者の関係ではないが、経営とは捨てることをいうので、
これは仕方がないという他は無い。
3. 「年収チャンネル」の効果的な見方とサンプルのご案内
①効果的な見方 ~情報整理と自分の考えをまとめること~
「年収チャンネル」は毎回4~5分位で閲覧でき、多くの企業や職業に関する
情報を吸収出来て便利なのだが、漫然と見ていると、記憶に残らなかったり
して勿体ない。
このため、気になった情報を箇条書きで整理しておけば便利である。
別に、紙のノートでもワードでも何でもいいが、簡単に箇条書きで
残しておくと、後日、一覧で記憶を喚起できる。
また、番組を見て知った情報を箇条書きした後、それについて自分自身が
気づいたこと、思ったこと、感じたことを別途メモしておくとよい。
学生(というか社会人)も、「思考停止」している人は少なくない。
世の中の事象を眺めるだけでなく、思考し、自分自身の考えを
持つことは、将来成功する上で有用なトレーニングになるだろう。
以下、上記方法に基づいて、過去の「年収チャンネル」の
番組の中で、おすすめのものを紹介したい。
②過去のおすすめ番組と私の感想
(1)伊藤忠商事編
<わかったこと>
・年収、国内系企業としては半端なく高い。600万スタートで、
3年目で1000万円。
・海外赴任は大体の社員が可能で、駐在時は実質年収2000万円に。
・年収の上限はある。役職者になると2000万円だがかなり先の話である。
・合コン相手の多くはCA。この点は、金融やメーカーとは全然違う。
<考えたこと、思ったこと>
・伊藤忠は非資源部門が牽引して業績絶好調。ボーナス比率が高いので、
業績下がると年収下がることに要注意。
・普段は7~8時に終わって、CAメインの合コンということを考えると、
外コン(MBB)よりはいいのでは?
(2)外コン(シャイニング丸の内編)
<わかったこと>
・BCGがコンサルのすそ野を拡げる戦略に打って出て、従来はやらなかった
部長向けプレゼン研修等の非戦略系小案件も手掛けるようになった。
・マッキンゼーも遅れてBCGを追随し、決まった戦略の実行支援名目で、
常駐サービスを展開するようになった。
・ITサービスの実行支援との関係で、実はビジネス的に一番成功しているのが
デロイト、アクセンチュアなどの総合系。
マーケティング支援を一気通貫でするために、広告代理店を買収したりしていて、
すそ野がどんどん広がっている。
・独立するには、IT支援等の確固たるスキルが身に付く総合系、会計系が
おすすめ。戦略構築は差別化かが難しくなってきている。
・MDになれるのは1%以下。マネージャーレベルで1500-1600万円なので、
年収重視であれば、外銀の一択である。
<考えたこと、思ったこと>
・そもそも戦略を売るにするはずのマッキンゼーが、BCGを追随して、裾野を
拡げ始めるというのはおかしくないか?社員の学歴やIQは高いかもしれないが、
ビジネスで成功させる能力とは別物であることを痛感した。
・ビジネス的にも、スキル的にも、格下と思われている総合系が優れているのは
意外。
・独立や転職による成功を考えるのであれば、就活時には難易度・ランクが
落ちるデロイトやアクセンチュアを狙うべきではないか?
(3)サイバー・エージェント
<わかったこと>
・派手で可愛い女子社員は実は仕事もできる。
・全員ハードワーカーである。
・年収は30歳でマネージャーに順調に昇格して1000万円程度。
他の優良企業と比べて、年収の魅力は劣る。
・合コン相手は、伊藤忠のようなスペシャルな相手ではなさそう。
・独立する人が多い。人数が1000人規模の起業家OBネットワークがあり、
お互いに情報交換等、助け合っている。
<考えたこと、思ったこと>
・年収やモテ度については魅力は少ない。
・他にない最大の強みは、起業する人の多さとそのネットワークである。
起業によるアップサイドを狙う学生は、一旦ここで勉強するのも
悪くないかもしれない。
(4)フリーランス編(株本さんの話)
<わかったこと>
・フリーランスによって月収700万円が可能
・独立のポイントは、キークライアントを押さえること
・学生時代に小規模ベンチャーでどっぷりバイトをすることは独立するのも、
転職するにも極めて有用
<考えたかと、思ったこと>
・良いクライアントと、良いビジネスパートナーが見つかれば、
フリーランスで外銀・外コンのパートナーを上回る年収が達成可能。
・フリーランスと起業を比べた場合の弱みは、フリーランスは企業売却による
EXITがやりにくいこと。子会社を作っておいたり、その点は戦略的に
対応する必要がある。
・売り上げが2000万円を超えると、経費が活用できてくる。
ここは年収2000万のサラリーマンにはないうま味である反面、売上が
1000万とかだと、社会保険とか年金・退職金を考慮すると、同じ
年収のサラリーマンが有利である。
(5)ユーチューバー編(ラファエルさん)
<わかったこと>
・トップクラスのユーチューバーの年収は、軽く数億であり、
外銀・外コンのトップも到底敵わないレベルである。
・ユーチューバーの収入源は、アドセンス(閲覧回数連動)と企業タイアップ
案件である。比率はアドセンスが高い。
・ユーチューバーの派生ビジネスとして、アプリやキャラクタービジネス
があるが、比率は低い。
・トップクラスのユーチューバーはトークが上手い。
・一時的に年収が高くても、継続性に不安がある。(高リスク)
<考えたこと、思ったこと>
・ユーチューバーの年収がここまで高いのは、単に社会から需要がある
に他ならず、Entertainmentへの需要とか、個人メディアへの需要の
高さが背後にあると思う。
言い換えれば、既存の大企業が提供するメディアやコンテンツに
満足していないからであり、今後も個人メディアには十分な
ビジネスチャンスがあるだろう。
・ユーチューバーも税金と経費の問題は重要であり、株式会社の枠組みで
うまくコントロールをする必要がある。
・ユーチューバーはフロービジネスであるので、株式売却によるEXIT
ができない。この点は、フリーランス・モデルと同じであり、
傘下に株式会社を作って売り上げを出して売却を図るなど、
「ストックビジネス」につなげられることが重要だろう。
・トップクラスのユーチューバーはトークが上手い。
動画時代になるとますますトーク術というのが重要になり、
プレゼンテーション・スキルを磨いておくことは、将来の
自分の稼ぎをアップさせることができるだろう。
最後に
「年収チャンネル」の登録者数が2.2万人に達した。
順調にいくと、数十万人規模の登録者数は十分あり得るだろう。
その登録者数に占める、トップ学生の割合が増大することを期待したい。
まだまだ、トップ学生の間での「年収チャンネル」の認知度は低いが、
東大とか慶応の学生に浸透すると、一気に他の有名大学の学生に
伝わっていくことも可能だ。
このへん、特定の有力校にフォーカスできれば面白い。
動画と言うメディアを使って、「外資就活」とか「ワンキャリア」の牙城に
風穴を開けるのを見てみたい。
なお、「年収ガイドブック」も併用したいところだ。
現在更新中ということであるが、前のバージョンについては、
こちらの過去記事を参照していただきたい。