外資系投資運用会社(アセマネ/バイサイド)の就活における特徴

 

1. 外資系か国内系か?

証券会社と比して、地味目で一見何の仕事をやっているのかわかりにくい存在として

投資運用会社が存在する。

 

証券会社がセルサイドというのに対して、運用会社はバイサイドという呼ばれ方を

されたりもする。

また、会社名の語尾に「アセット・マネジメント」というのが付く会社が

多いことから、略して「アセマネ」という呼ばれ方をされたりもする。

 

証券会社の場合、外銀と呼ばれる外資系証券会社と、リテール部門を持つ

国内系証券会社とでは就活における対策が異なってくる。

同様に、投資運用会社の場合も、外資系と国内系とで対応法が異なってくる

ので、今回は外資系投資運用会社について言及したい。

2. 外資系投資運用会社(アセマネ/バイサイド)の就活について

①そもそも新卒で募集している会社数及び採用人数が少ない

日本で活動をしている外資系投資運用会社の会社数は多い。

これは、外資系投資運用会社の魅力なのだが、1社あたりの従業員数が

20~100人位と少人数であるところが大半である。

このため、新卒採用をしている会社は以下の会社位である。

 

外資系金融機関系>

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)

JPモルガン・アセット・マネジメント

UBSアセット・マネジメント

ドイチェ・アセット・マネジメント

 

<独立系>

ブラックロック

〇フィデリティ

外資系投資運用会社の就活で求められるスペック

外資系投資運用会社も、外銀同様に、新卒・若手の段階から給与水準は

高い。また、将来も金融プロフェッショナルとして自分のスキルによって

どんどんキャリアアップが可能な業界であることは同様である。

 

このため、自分に自信のあるハイスペックな学生が応募するため、

狭き門であること自体には変わりない。

 

また、実は、入社後は外銀ほどは使用頻度は少ないのだが、英語力を

問われるので、高度な英語力(最低でもTOEIC860以上)を持ち合わせて

おく必要がある。

③性格における相性

同じ外資系といっても、外銀と運用会社とではかなりカルチャーは異なる。

運用会社は、長期的な視点で運用を行う会社であり、ストックビジネス

である。

このため、運用資産残高(AUM:Asset Under Management)さえ存在すれば、

何もしなくても、運用報酬が入ってくる。

外銀のように、顧客に頻繁に有価証券の売買や、M&A/ファイナンス

してもらわないと稼げないビジネスとは異なるのである。

 

よって、比較的穏やかでのんびりしているタイプが適しており、短期な

人には向いていないかも知れない。

 

面接では、優秀かどうかというより、結局は好きか嫌いか、「一緒に

働きたい」と思ってもらえることが重要である。

 

したがって、知識の凄さをアピールしたり、アグレッシブに自己主張したがる

タイプは合わない。(外銀IBDもそうだが)

 

相手の話をよく聞いて、にこやかに対応する戦略が堅実であろう。

④準備しておきたいスキルに関する知識

ハイスペックな学生が競争するので、外銀ほどは就活時点での知識は

厳しく問われないだろうが、基本的な投資に関する知識は学習しておく

必要がある。

 

おすすめなのは、証券アナリスト試験(CMA)で1次試験3科目に

合格しておくと、話が早い。

費用も数万円程度だし、入社後も必要な知識を予め学習できるので

やっておくといいだろう。

外資系でも、証券アナリストの1次試験に合格しておくと

そこそこ差別化は可能であるし、国内系運用会社、或いは、

国内系証券会社(コース別)の就活においても汎用的に使える。

 

また、市場・相場に関する好奇心は持っておくべきだ。

昨日時点での日経平均株価、NYドル、円ドル為替相場位はフォロー

しておきたい。

できれば、少額でもいいので、株式投資をやっていると自然な形で

投資に興味が持てるのでこちらもおススメである。

⑤就活においての心構え

本当に外資系投資運用会社で働きたいのであれば、仮に新卒採用で

落とされたとしても、国内系運用会社で経験を積めば、将来外資系に

転職することは十分可能である。

この点は、外銀との違いである。

外資系運用会社の就活時におけるポジション数は少ないが、反面、

中途採用になると、会社数が多いため、きっちりした国内系での

業務経験さえあれば外資系への転職は難しくないのである。

 

従って、最終的に就職するかどうかは別として、国内系運用会社も

併願し、「仮に就活で外資系に落とされても中途で行けるから

問題ない。」という気持ちで臨むのがいいだろう。

 

外資系運用会社の就活でのチャンスは多くないので、無用なプレッシャーを

持たずに自然体で臨めることが重要なのだ。

まとめ

まだまだ投資運用会社の魅力については、十分に認知されていない。

証券会社よりも運用会社の方が性格的に向いている人はいるので、

相場や投資に興味がある学生は挑戦してみてはどうだろうか?

 

なお、外資系投資運用会社の年収等については、こちらの過去記事を

ご参照下さい。 

blacksonia.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東大生(法学部、経済学部)の、将来の就活・勝ち組キャリアプランについて予想してみた

 

序. 就活や勝ち組キャリアは20~30年単位では変化する?!

世の中の変化に伴い、大学生の就活の人気企業とか、勝ち組キャリアは

20~30年もすると変化するものだ。

 

例えば、東大生(主として文系)の場合も、外銀・外コンなんて30年前には

影も形もなかった業種である。

また、東大法学部の中でも、弁護士が最高の勝ち組、続いて官僚、そして

民間企業という序列があったが、薄給でステイタスも凋落傾向にある

官僚の人気は無くなってきている。

 

さらに、東大法学部卒業生の間でも羨ましがられる存在であった弁護士も

司法制度改革による弁護士数の急増により、以前ほどの人気は無いだろう。

 

他方、東大生の間ではまだまだマイノリティかも知れないが、

ベンチャー起業⇒IPO/M&AによるEXITというキャリアは30年前には無かった。

 

現在の東大生(特に法学部、経済学部等の文系)にとっての、人気トップ3の

外銀、外コン、総合商社も5~10年位のスパンでは上位に留まっている

のだろうが、20~30年位先になるとわからない。

 

そこで、ここでは、20~30年先の東大生の就活・キャリアプランについて

長期予想をしてみることとした。

1. 将来予想をする上での基本的な視点

就活やキャリアプランの将来予想をするには、社会全体がどのように

なっているかの予想が前提となる。

ここでは、以下のような基本的な視点に立って、予想を行うこととする。

(平凡な項目で申し訳ないが…)

少子高齢化

面白くもなんともない、聞き飽きたテーマであるが、ただ、これは20年位

先でも外すことはないであろう。

また、現在の企業の採用においても、この考え方が前提になっている。

 

少子高齢化が進展すると国内市場が縮小する。

しかし、経済界の主体である大企業(上場企業)は成長を余儀なくされており、

売上・利益・株価時価総額を成長させていかなければならない。

そうなると、海外市場で稼ぐとか、新しい財・サービスを創造させていく他ない。

このため、就活においてもグローバル人材が求められているのだ。

 

この少子高齢化に伴う国内市場の縮小と、グローバル人材・新規事業創造人材

というテーマは継続して行くだろう。

②極限までの東京一極集中化の進展

今は東京オリンピックのイベントネタ、或いは、東京オリンピックの後には

不動産価格が下落するのではないかということが取り上げられたりする。

 

しかし、問題はそのような短期的な問題ではなく、今後も続いていくであろう

東京一極集中の動きが止まらないことだ。

 

現在の東京都の人口を即答できるだろうか?

従来は長らく1200万人と答えれば正解であった。

では、今は1300万人?

正解は、何と1400万人(1386万人、平成31年1月1日現在)である。

そして、「東京」というのは「首都圏」と置き換えても構わない。

神奈川、埼玉、千葉県も増加しているからである。

札幌、仙台、広島、福岡のように県全体では人口が増加していないが、

県庁所在地が県内の人口を吸収したという事情とは異なるのである。

 

意外にヤバイのが、神奈川県の人口が918万人(平成30年8月1日現在)と

1000万人に迫る勢いだからである。当然、大阪府(882万人)より多い。

 

ちなみに、埼玉県は733万人、千葉県は627万人と、こちらもかなりの

ものである。

 

ここ数年は、東京都は年10万人程度のペースで増加しているので、

単純にこのペースが継続するとなると、20年後には1600万人になってしまう。

もし、年20万人ペースになると、20年後には2000万人が視野に入って

来てしまう。

 

東京都の人口増加のペースが高まることは十分に考えられる。

人が多く集まると、ビジネスがし易い。ビジネスがし易いと、投資資金や

情報がますます集中する。そうなると、ビジネスがますますし易くなり、

仕事が増えて人がますます多く集まる。そうすると、投資資金や

情報に加えて、エンターティメント、飲食店等の娯楽施設もますます

充実する。

そうなると、エンターテインメントを求めて、ますますインバウンドの

外国人観光客にとっての魅力がますます高まる。そうすると、更に

東京都にお金が落ちてますます栄え、人が増え続ける。

 

さらに、地方の少子高齢化に伴うネガティブな影響は深刻であり、

地方が衰退すればするほど、職あるいは刺激を求めて、東京に人が

集中する。

 

この動きを食い止めることは困難である。

 

もちろん、人口が増え続けると、環境、通勤、犯罪等、ネガティブな要因も

増えるのだろうが、東京がますます繁栄し、地方がますます衰退していく

という流れを反転させるのは難しいのではなかろうか?

 

この東京集中の一極化は、後述のIT化の進展とも相俟って、東京でビジネスを

始めることにより、ベンチャー、起業等、個人経営で一発当てることが

し易い環境になるのではないかと推測される。

③IT化の進展と高まるエンターティメントへの渇望

IT/AI技術の進展に伴う雇用の影響云々ということは、聞き飽きるくらい

あちこちメディアで取り上げられている。

 

しかし、この流れが外れるということは無いであろう。

シンギュラリティがどうのこうのと言っても仕方がないが、単純に考えても

IT関係、AI関係の市場・雇用は拡大するのであろう。

 

その中で強調したいのが、エンターティメントに対する人々の渇望の

増大である。

衣食住に必要なものはとうに揃っているし、途上国経済が進展すると、

コモディティ的な農産物、工業製品、或いは事務処理サービス等はどんどん

途上国にアウトソースされるだろう。

そして、人々の自由時間、余暇の時間が増えるに連れ、エンターティンメント

に対する人々の欲求は増大するであろう。

 

実は、エンターティメントに係る職業の収入レベルは、以前よりも遥かに

高まっているし、増加傾向にある。

スポーツ選手の年収、映画俳優、ミュージシャンの年収は、海外のケースを

見ると明らかだが、桁が違ってきている。

 

日本でも30年ほど前には、落合選手あたりのダントツトップの選手で

ようやく年俸1億と騒がれたが、今ではトップクラスの選手の

年俸は5~6億程度になっている。この間、物価水準は5倍にもなっていない

はずだ。

 

例えば、トップクラスのユーチューバーの年収が5億円クラスであるが、

これはエンターティメントに対する需要が高いということが裏側に

あるのであろう。

 

今後は、ますますエンターティンメントで大きく稼ぐことができるように

なると考えられる。ここはまだまだAIに作れるとは思われないからだ。

(何故、エンターティンメントビジネス従事者が大きく稼げるかについては

こちらの過去記事もご参照ください。) 

blacksonia.hatenablog.com

働き方改革の影響(労働時間、副業、フリーランス

現在、政府が推進しようとしている働き方改革である。

不思議なことに、学生、特に東大のようなトップ学生は、就活の企業選びの

ファクターに「労働時間が少ないこと」をあげていないようだ。

年収にはこだわるが、「時給」にはさほどこだわりはない。

というか、長時間労働、ハードワークを選好しているようにさえ、

見える。

だからこそ、勤務時間が長い割には給与水準は外銀ほどには高くない

外コンが人気なのである。

 

しかし、これは副業禁止とも関係があるのではないだろうか?

要するに、副業が禁止されていると、労働時間に余裕ができたところで、

そのぶん副業で稼ぐということができない。

そうであれば、現状の仕事に集中投下した方が、昇格、スキルの習得

といった点で、有利なのだ。

 

ところが、副業が解禁・緩和され、アルバイトに毛が生えたような月数万円

程度の副業ではなく、月に数十万円稼げるような仕事が可能になると

状況は変わってくる可能性がある。

副業がOKか否かで、実質的に年収が数百万円単位で変わり得るからだ。

 

そうなってくると、ヤフー、メルカリといった新しい会社の人気度が上昇

してくる可能性がある。

 

時間の問題だけではなく、エンターティメントへの需要と、IT技術

進展によって、ますます個人の情報発信による収益化が簡単になると、

C向けのIT企業がノウハウの取得という点においてもメリットが生じて

くることとなる。

2. 現在の東大生からの人気職種はどうなるか?

上記の基本的な予想に基づき、現在多くの東大生が就職している企業・

業界はどうなるのかについて予想してみた。

メガバンク・生保・損保

比較的予想しやすいのが、このセクターではないだろうか?

少子高齢化によって、国内市場はまず縮小するだろう。

かといって、海外市場で稼ぐのは容易ではなく、安易なM&Aに走ると

野村證券のリーマンブラザーズ買収のように、大損するリスクが

高い。クロスボーダーM&Aは大変難易度が高いM&Aだからである。

 

また、IT/AIの進展によって、既存の実店舗、従業員等は余剰資産に

なっていく可能性が高い。

 

もっとも、先鋭的なメディアが時々取り上げているような、銀行が

要らなくなるということはないだろう。

独立系FINTECH企業は既存の金融機関に依存しようとしているし、

LINE等の事業会社は金融機関経営のスキルが全くないからである。

 

以上より、20~30年後もこういった既存の大手金融機関は存在

しているが、年収水準は今より2割程度下がると想定しておくのが

無難ではないだろうか。

実際、メガバンクの年収水準はこの20~30年間で、部店長クラスは

2割は減少しているだろう。

外資系金融機関

外資系金融機関のうち、外銀、外資系証券会社は、会社数は減少

するかも知れないが、ゴールドマン・サックスJPモルガン、UBS

あたりのトップファームはまだ生き残るだろう。

歴史も長い業界だし、グローバルでトップクラスの人材が集まる

企業だからである。

 

したがって、今よりはマイナーな存在になるかも知れないが、

金融プロフェッショナルというスキルとサラリーマンとしては最高の

年俸水準を武器に、東大生の中でも人気業種であり続けるの

ではないだろうか。

 

外資系金融機関のうち、運用会社(バイサイド)またはヘッジファンド

存在感は今よりも高まる可能性がある。

今では新卒採用をしていない会社が大半であるため、認知度は低いが、

外銀に準じる高額な年俸と、金融プロフェッショナルという点は

共通点があるからである。

グローバルで運用が求められる資金量は継続して拡大することが

予想される以上、業界としては健在ではないだろうか?

 

また、ヘッジファンドでは今でも1億円以上の高額な年俸が狙える

職業であり、もう少し注目されてもいいだろう。

③外コン

サービス業、ITビジネスの進展に伴い、外コンという職種に対するニーズは

まだまだ増加していくし、無くなることは無いと考えられる。

 

ただ、問題は需給であって、近年、戦略系も総合系も人材採用のペースが

早すぎるきらいがある。昔は4~5人位しか新卒採用をしなかった

マッキンゼーやBCGが40~50人も採用している。

 

また、総合系ファームも同様で、アクセンチュアは400~500人位

新卒採用をしている。

 

さらに、戦略系、総合系ファームはいずれも中途採用にも熱心である。

 

そうなると、弁護士でさえ、供給(合格者数)が増えればあっという間に

人気が急落したので、外コン系は要注意である。

④総合商社

総合商社は、グローバルでありとあらゆる業種を展開できるというのが

特徴のグローバル・ポートフォリオビジネスである。

従って、その存在価値が無くなることがないというのが強みである。

 

問題は、どういったビジネス分野に注力をし、その見通しが当たるか

どうかということである。

 

その点、金属・エネルギー資源に偏りすぎな三井物産はリスクが高い

ように思われる。

他方、伊藤忠住友商事はバランス的に面白い。どういうテーマが

来てもそれなりに対応できる素地がありそうだ。

 

ただ、総合商社全般に言えるのが、今後ますます存在感が高まる

IT分野でどう稼ぐかだ。バリバリの年功序列で生え抜き至上主義の

総合商社のカルチャーとITビジネスとの相性が悪いからだ。

このため、GAFAとか、アリババ、テンセントといったところで

大儲けをし損なっている。

 

今後は、IT分野で稼ぎ損なうことが無いよう、対応できるかどうかが

カギであろう。

⑤弁護士、官僚

官僚の薄給、長い労働時間、年功序列、副業規制、周りからの厳しい目を

考えると、まだまだ東大生における人気は下がって行くだろう。

 

弁護士については、1500人程度の新司法試験合格者数は継続すると

予想され、全体としてはまだまだ厳しくなっていくだろう。

もっとも、弁護士は歴史的にもグローバル的にも、一定の存在感の

あるエリートの職業であり、ニーズ自体は根強く存在する。

このため、渉外事務所のパートナークラスについては、

まだまだ1億以上の年俸が期待できるし、個人経営の事務所も

何らかの分野で存在感を示せれば大儲けすることもできるだろう。

3. 新しい勝ち組は、会社経営・個人事業者・フリーランスではないか?

実は一番言いたいところは、これである。

今は、ほとんどの東大生が考えていない、会社経営、個人事業者、

フリーランス、要するに組織に属さないで個人の力で稼ぐことが

できる職業だ。

 

典型的なのは、ユーチューバーとか、個人ブログ運営者だ。

既に、トップクラスはユーチューバで年収5億以上、

個人ブログ運営者で年収1億円以上を稼いでいる。

 

また、ベンチャー起業家も今まで以上に存在感を増すだろう。

 

そうなってくると、東大生から、これらの個人事業者、経営者を目指す

者も増えて来るのではないだろうか。

 

そのあたりの理由について、以下まとめてみた。

①サラリーマンとのあまりにも大きな年収格差

起業家にせよユーチューバーにせよ、成功すると数億円クラスの年収と

なる。しかも、20代で達成が可能だ。

 

これに対して、サラリーマンの場合は、上場企業の場合だと

30年かけて役員に昇格しても年収は数千万円位にしかならない。

 

実は、東大生は多くの年収を稼げる職業に動く。

外銀が典型だ。きれいごとを言ったところで、もし外銀の年収が

メガバンクと同じになれば、東大生は誰も外銀に行かないだろう。

 

リスクがあるのを承知で、東大生は外銀に挑戦しているのだ。

外コンも、年収水準は外銀には及ばないが、似たような理由であろう。

 

ただ、東大生は慎重なので、そういった美味しい話にはすぐには

飛びつかない。

しかし、周りの目を気にする点は他の人達と同様、いやそれ以上に

強く、一定数の東大生が目指すようになれば、一気に追随する

学生が急増するのだ。

一見リスキーに見えるが、周りの東大生がパラパラと志すように

なると、安心して追随するのだ。

 

外銀・外コンもそのようなプロセスを経て、一気に東大生の中で

浸透したのだ。

 

東大生ユーチューバーとか、東大生ブロガーというのは今だと

今では想像できないかも知れないが、数人、数億稼ぐ人がでてきたら

変わる可能性がある。

②引続き需要があるであろう新規事業の創造ができる人

グローバルでの運用対象資金は引き続き増加が見込まれ、先進国の

経済成長に伴い、VCを含むオルタナティブ資産への資金の増大が

見込まれる。

 

また、既存の事業会社も、新規事業の創造が苦手であり、また、

手っ取り早く売り上げを作れるM&Aへのニーズは消えない。

 

そうした環境下、相場環境によって左右されるものではあるが、

ベンチャー起業家の存在感はまだまだ高まって行くだろう。

 

特にここ数年、IPOだけではなくM&AによるEXITが増えてきており、

数億円規模であれば、最初からEXIT目的での起業も可能である。

 

株式譲渡による所得については、税制上も大いに有利であり、

年収、お金という観点からは極めて魅力的だ。

 

起業、事業者としての能力は、学歴に必ずしも比例するわけではないが、

東大からベンチャー起業を目指す学生は徐々に増えていくのではないだろうか。

③個人事業者/会社経営者と、サラリーマンの、税制上の不均衡

サラリーマンの場合、「経費」というものが事実上使えないため、

同じくらいの年収であれば自営業者が有利である。

 

外銀で成功して年収1億円になっても、きっちり半分は税金でもって

行かれてしまう。

 

サラリーマンの場合、給与収入が2000万円を超えない限り、確定申告さえ

不要なので、税金に対する理解が不十分な人が東大生でも多い。

 

沢山稼ぎたい場合には、税制を考えると、サラリーマンよりも個人事業者、

会社経営者が有利なのである。

 

(もっとも、実質年収が1000万円に満たないような、稼げない自営の

場合は社会保険とか、退職金・年金の面で、同じくらいのクラスの

サラリーマンに劣ってしまうので、これは稼げる自営業者についての

話である。稼げないとそもそも、「経費」云々を使える局面が

無いからである。)

 

なお、このあたりの新しい稼ぎ方については、こちらの過去記事をご参照ください。 

blacksonia.hatenablog.com

4. 将来、大きく稼げる東大生に求められるスキル

①情報発信力

個人で低コストで手っ取り早く稼げるビジネスは、ブログ・SNSを駆使した

ビジネスである。

上で引用した過去記事の通り、ブログビジネスの強みは、低コスト、というか、

ほぼコストゼロなので、売上が起てばほぼ利益である。

 

そのために必要となるスキルが情報発信力である。

SEOとか、ツィッターYouTubeといったテクニック的なスキルも当然重要だが、

根本的にコンテンツを作成し、情報を発信する能力が試される。

 

このような情報発信力を習得するには、まず、実践してPVを獲得する感覚を

身に着けることだ。自分自身のブログ・SNSにPV、要するに集客できることが

できれば、後はマネタイズの方法に過ぎない。

 

学生時代から、ブログやツィッターで情報発信を行う練習を始めるのがいいだろう。

ブログの始め方については、既に多くの書籍やウェブ情報が沢山ある。

ちなみに、こちらはブログ界の大御所イケダハヤトさんのブログより。

 

ブログ初心者だった頃の自分に教えてあげたいこと。 : まだ東京で消耗してるの?

②個人の経営センス

東大生に弱点があるとすればここである。

東大生が強い、大きな組織、官僚、大企業、外銀・外コンは全て、

できあがった組織であり、自分自身は歯車の一つとして出世の階段を

上っていくだけである。

 

東大生(法学部)が強い、渉外弁護士事務所も、形の上では個人事業者である

ものの、多くの部下(アソシエイト)やバックオフィス(秘書、経理、総務等)を

抱え、大きな組織の役員のような位置づけである。

 

ところが、個人経営の場合は、全て1~10まで自分一人でやらなければならない。

仕事も上から与えられるものではなく、自分自身で開拓していかなければ

ならない。

 

そのためには、本当のベンチャー(従業員10人未満)で長期バイトなどを

してみると、経営者(個人事業者)の感覚がわかるのではないだろうか?

チェーン店の飲食店とか塾講師のバイトをしても何の役にも立たないので、

勉強という意味で、本当の零細ベンチャーをおすすめできる。

嫌だと思えば、すぐ辞めればいいし。

ちなみに、その手のベンチャーのバイトは、こちらのサイトで検索するのが

便利なようだ。

www.passion-navi.com

 

所得税:退職金、経費、株式のキャピタルゲイン税制等

これは、税法のお勉強、知識の習得ではなく、税制の重要性を認識するという

ことである。

 

これは、国策なのではないかという意見もあるが、サラリーマンというのは

税制に無頓着であり、それは、エリートサラリーマンも同様である。

というのは、給与収入が2000万円を超えない限り、サラリーマンは

大手でも中小でも、国内系でも外資系でも、会社が源泉徴収してくれる。

長年それに慣れると、その方が楽だと洗脳され、自らの所得税を計算

できないサラリーマンが大半ではないだろうか?

 

ところが、年収が増えるに従って、税金の重みは効いてくる。

将来稼ぎたい者は、若いうちから税制について敏感になっておく必要がある。

④エンターテインメントのセンス

これは、上記①の情報発信と被るところがあるが、エンターテインメントの

センスは今後個人事業で稼いでいくためにはますます重要になるだろう。

 

トップクラスのユーチューバー、ヒカル、ヒカキン、ラファエル、

はじめしゃちょークラスになると、年収数億~5億程度である。

それには、エンターテインメントのセンスが必要だ。

 

特に、2020年から開始予定の5G時代になると、個人コンテンツである

SNSにも動画の要素が絡んでくることになり、コンテンツのレベル

だけではなく、動画を通じたエンターテイメント性も競争要因に

なってくると予想される。

 

東大生が人気ユーチューバーの番組を見ても面白いと思わないだろうが、

どこが受けているのかという観点で、勉強のためにチェックしても

いいのではないだろうか。

ファイナンスのセンス

外銀・外コン・総合商社を狙うのであれば、英語力が必須となって来る。

しかし、最初から個人事業者を目指すのであれば、英語はできるにこした

ことはないが、必須では無いだろう。

 

他方、東大生であればマスターしておきたい基本スキルはファイナンス

であろう。

会計とは微妙に異なる。ファイナンスを理解するためには、

会計の基礎知識は必要だが、それにプラスアルファの学習が必要となる。

 

要するに、株式、不動産といった資産、ストックの評価が必要になるという

ことだ。個人ブログでビジネスを始める際には、ブログ自身を売却して

儲けることもできる。

その際には、ブログの価格評価をして、それをどうやったら高めることが

できるのかというのが重要になる。

 

個人のブログ売却といっても、数千万円から数億円で売却できるケースも

あり、重要な収益源の一つである。

 

東大であれば、経済学部の金融学科の科目に企業価値評価とかファイナンス系の

科目があるので、そういったものを履修するのもいいし、また、

証券アナリスト試験(CMA)は簡単だし、いざとなれば金融系の就活にも

転用できるのでおススメである。

最後に

学歴・学力と稼ぐ力・年収は必ずしも一致するわけではない。

それは、海外でも同様で、HBSを成績優秀で卒業しても商才が無い者もいる。

 

しかし、学力が高い者が稼ぐために本気で勉強すると、勤勉だし、理解力も

高いため、一般人よりも成功できる可能性は高いのではないだろうか?

 

実際、東大からも古くはリクルートの江副さん、最近では工学部の松尾先生の

研究室から成功する起業家を輩出している。

 

20年以上先の将来、東大から就職せずにいきなり起業・個人事業者を目指す

勝ちパターンができていたら、面白いのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘッジファンドに就職するための転職エージェントの探し方。通常のバイサイド(運用会社)との違いは?

 

1. 情報が少なく、ミステリアスなヘッジファンド

外銀(外資系証券会社)と比べて、地味目で情報が少ない存在であるバイサイド

(運用会社)であるが、その中でも、輪をかけてヘッジファンドの情報は

少ない。

 

実は、現役のバイサイド(運用会社)の社員でさえ、ヘッジファンドの情報は

あまり持ち合わせていない。

 

もし、フィデリティ、ブラックロック、或いは、野村アセットマネジメント

大和投資信託委託の知人がいると、以下の質問をしてみたらいい。

 

「転職したいと思う、ヘッジファンドにはどういうところがあるか?」

「日本で成功しているヘッジファンドにはどういうところがあるか?」

 

おそらく、「よくわからない」という回答が返ってくるのではないだろうか?

それほど、ヘッジファンドは知られにくい存在であるのだ。

2. 日本に拠点のあるヘッジファンドの分類

ヘッジファンドは、その投資戦略や投資対象によって分類されることが多いが、

ここでは、テーマが「就職・転職」であるので、「免許」「業態」を

基準に分類したい。

 

結構マニアックな情報で、同じ金融業界でも、証券会社とか銀行の人は

ピンと来ないかも知れないが、イメージをつかんでいただければOKである。

 

(1)駐在員事務所(REP:Representative Office)

通常、REP(レップ)という呼び方をされる日本への出店形態の1つである。

REPはヘッジファンドに限らず、海外の親会社の業態が、証券、銀行、

バイサイドを問わず、採り得る形態である。

 

REPというのは単なる駐在員事務所で、日本の金融免許を何一つ持っていない。

したがって、営業活動をすることは認めらず、調査活動が認められる程度である。

 

したがって、スタッフの数も1人とか2人と少人数で、オフィスも小さい

ローコストで運営されるケースが大半である。

 

このため、日本のビジネスを本気で展開しようと海外の本社が決断した

わけではないので、簡単に撤退してしまうリスクがあることに留意すべきだ。

 

(2)投資助言業

投資助言業というのは金融庁への登録が必要とされる業態である。

国内、外資系を問わず、小規模な業者が採用する形態であり、

通常5人か、せいぜい10人以下の陣容である場合が多い。

 

海外のヘッジファンドが日本への進出にあたって、この投資助言業の形態を

採っている場合は、そこそこ見られると思う。

 

(3)投資一任業務(+投資助言業務)

これは上記(2)のワンランク上の、バイサイド(運用会社)における

ライセンスであり、これ以上のものは無い。

 

フィデリティとか野村アセットマネジメント保有している金融免許も

この投資一任業務であり、この投資一任業務をもっているヘッジファンド

日本で本格的にビジネスをしようという意図であると推察される。

 

とはいえ、証券会社と比べると、従業員数は少なく、国内・外資系を問わず、

10人~30人位のレンジであることが多い。

 

(4)第二種金融商品取引業

これは、バイサイド(運用会社)の社員でもよく知らないであろう、

マイナーなライセンスであるが、海外のPEファンド、不動産ファンド、

VC(ベンチャーキャピタル)等が保有する場合が多い。

 

上記(3)の投資運用業のライセンス保有会社が、併有することもある。

 

(5)適格機関投資家等特例業者

国内・国外を問わずヘッジファンドがこの免許で営業をするケースは多い。

VCなどが好む事業形態である。

ここでは、比較的小規模(従業員数10人以下)のヘッジファンドが選好

する形態と覚えておけばいいのではないだろうか。

3. ヘッジファンドに就職するための転職エージェントについて

ヘッジファンドは大手の場合であっても、日本における拠点の従業員数は

少なく、求人の募集を掛ける場合も、一斉に多くの大手転職エージェントに

声掛けすることは通常見られず、付き合いの深い転職エージェント、

或いは、個人経営のヘッドハンターに依頼することが多い。

 

このため、バイサイド(運用会社)の社員も、普段付き合いがある

転職エージェントからは、ヘッジファンドの求人情報をつかめない

場合がある。

 

結局、以下のような方法で、広めに網を張る他ないだろう。

①エグゼクティブ・サーチ・ファームを使う

ヘッジファンドへの就職を真剣に考えるのであれば、これが王道と言える。

エグゼクティブ・サーチ・ファームというのは、求人企業から、

特定の人材の一本釣りを依頼されるステイタスの高い転職エージェント

である。

 

ここから話が来ると、独占的な案件である場合が多いため、採用されるか

どうかはわからないにせよ、最終的な面接プロセスまで進む場合が

多い。

要するに、お声がかかれば、オファーをもらえる確率が高いということだ。

 

但し、一般の転職エージェントと違って、常時求人情報を多数持っている

わけではない。このため、自分が転職をしたいタイミングで案件を紹介

されるわけでは無いのが難点である。

 

また、対象者が少なくとも部長(CXO)以上であるので、若手社員は

対象外になってしまう。

 

エグゼクティブ・サーチ・ファームのうち、ヘッジファンド

強いと思われる以下の2社には登録することをお勧めである。

 

ラッセル・レイノルズ

 Leadership Advisory | Executive Search | Russell Reynolds Associates

 

ハイドリック&ストラグルズ

Heidrick and Struggles Asia Pacific

②一般的な金融系に強い転職エージェントのうち、ヘッジファンドにも強いところ

金融機関に強い転職エージェントは沢山あるが、その中でも、

ヘッジファンドに強いところと、ほとんど、扱っていないところもある。

転職エージェントは転職をする人が多く、こういった案件は属人的で

あったりするので、常に以下の転職エージェントがヘッジファンド

強いというわけではないことに留意すべきである。

 

2019年2月時点で、比較的ヘッジファンドの情報を持っている転職エージェント

としては以下のものがあげられる。

もちろん、これらのエージェントに限られるわけではないので、数多くの

エージェントにあたれば、掘り出し物が出てくる可能性が拡がる。

 

マイケルペイジ

外資系転職のマイケル・ペイジ | 世界大手の転職エージェント | 外資系求人5000件以上

 

モーガンマッキンリー

 Morgan McKinley : 外資系転職・国際的な人材コンサルティング会社

 

アンテロープ

金融&コンサルティング業界専門の転職エージェント アンテロープキャリアコンサルティング

③個人経営のヘッドハンター

ヘッジファンドは小規模な組織なので、元金融機関の個人経営のヘッドハンター

を利用して採用活動を行うケースもある。

ただし、どこの個人経営のヘッドハンターが良いのかを個別に検索することは

できない。

従って、個人経営のヘッドハンターの多くが依存している転職プラットフォーム

ビズリーチに登録する他ない。

 

ビズリーチに登録しているヘッドハンターからの求人情報はハズレも多く、

玉石混交であるが、なかなか効率的に活動するのも難しく、

とりあえず登録して気長に待つしかない。

4. 通常のバイサイド(運用会社)を対象とした転職活動との違い

最大の違いは、ヘッジファンドの案件数は少なく、情報を持っている

転職エージェントが偏在しているので、普通に活動していたらなかなか

案件に出くわさないということだ。

 

しかし、裏を返せば、幅広く的を得た転職エージェントとの付き合い方を

していると良い案件に出くわす可能性が高まるわけである。

そうなった場合、ライバルが少ない分、オファーをもらえる可能性は

高いのだ。

 

長年外資系金融にいて、何回も転職をしているにも関わらず、

ごくごく限られた転職エージェントとしか付き合いがなかったり、

エグゼクティブ・サーチ・ファームを知らない人が結構いる。

 

転職活動は情報戦であるので、この辺は面倒かも知れないが、頑張って

広く活動する他ない。

 

 

 

 

 

一橋大学よりも良好?慶応大学経済学部の就職と課題について

 

1. 極めて良好な慶応大学経済学部の就職状況

慶応大学は就職に強いとされているが、伝統のある看板学部の経済学部

の就職状況はとりわけ良好である。

学校側もHPで詳細に経済学部の就職先について開示をしてくれている。

2017年度 経済学部卒業生の進路 - キャリア - 経済学部 - 慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科

 

上位には、メガバンク東京海上野村證券と大手金融機関の、しかも

トップ企業がずらりと並ぶ。

 

さらに、トップ学生の間でも人気ナンバー1である総合商社も、

経済学部だけで、三菱商事に8名、三井物産に7名、丸紅に7名、

住友商事6名、伊藤忠に5名と、多くの学生を送り込んでいる。

 

また、日本航空電通野村総合研究所ソニー新日鉄住金

NTT東日本キーエンスと、サービス業、インフラ、メーカーと幅広く

人気企業への就職者を輩出している。

 

少々意外であるのが、日本政策金融公庫(8名)、商工組合中央金庫(8名)、

日本銀行(5名)と、国立が優位とされている、採用数が少なく狭き門と

されている政府系金融機関にも人材を輩出している。

 

それから、慶応大学経済学部の特徴として、

新日本監査法人(14名)、トーマツ(9名)、あずさ(9名)と、

監査法人に就職する学生が多いことが指摘できる。

これは、公認会計士の合格者数が長年トップであることに起因すると思われる。

 

以上のように、慶応大学経済学部の就職については、質的にも量的にも

何ら課題は無いように見える。

2. 一橋大学と比べてもそん色はない慶応大学経済学部の就職内容

①よくある批判的な意見

上記の就職状況については、2ch等の学歴板では、国立優位を唱える

者が多いことから、

「慶応大学経済学部は人数が多い」、

「慶応大学経済学部には強固なコネや体育会が混ざっており、

一般学生の枠は見かけよりも減る」、

「慶応大学の場合、女子が一定数いるので、一般職も含まれている。」

といった批判がなされることがある。

 

しかし、女子と一般職については、経済学部の場合は女性の比率は2割程度と

他学部(例えば法学部は4割)と比べて低く、そもそも一般職自体枠が少ないので

全体に大した影響を及ぼすことは無い。

 

また、強固なコネとか体育会というのは、はっきりとした統計が存在する

わけではなく、人数自体はそれほど多くないと思料される。

②生徒数が多いとの批判:一橋大学全体との比較

東大や京大の場合、理系が含まれており、学部別の詳細な就職先の開示が

無いので、一橋大学全体との比較が参考になるだろう。

 

一橋大学の場合は、理系が存在せず、また、文学部・教育学部系も

存在しないから、慶応大学経済学部と比較しやすいからである。

 

また、慶応大学経済学部の就職者数は1003人であるところ、

一橋大学全体での就職者数は850人程度であり、若干、少ない程度だ。

 

一橋大学の3メガバンクへの就職者数は、17~18人なので、慶応大学経済学部

の方が多い。

生損保については、日本生命が12名、東京海上が9名であり、特に東京海上

については、慶応大学経済学部が明らかに優位である。

 

一橋大学から三菱商事住友商事伊藤忠は、9~12名と、ここでは、

若干一橋大学が優位であるが、三井物産では慶応大学経済学部の方が

優位である。

 

以上のように、慶応大学経済学部の場合、生徒数を考慮しても、

一橋大学全体に劣っているということはない。

 

また、ここでの統計には表れていないが、外銀・外コンへの就職者数では、

慶応大学経済学部が一橋大学よりも多い。

 

このため、トータルで見ても、慶応大学経済学部の就職状況は、

国立大学でトップクラスの一橋大学と変わらないレベルなのである。

3. 慶応大学経済学部の就職における課題

メガバンクと生損保への就職者と将来のキャリアプラン

以上のように、人気企業・就職偏差値上位企業への就職力という点では、

何の課題もないだろう。

 

しかし、課題は就職してから先のキャリアについて、十分に考えられて

いるかどうかということだ。

 

外銀・外コン、監査法人、総合系コンサルティング・ファームに

就職する者は、セカンドキャリアを十分考えているだろう。

 

また、総合商社を選択した者は、総合商社のビジネスモデル的に、

終身雇用を想定したとしてもいいだろう。

 

ところが、メガバンク、生損保を選択した多数派の学生はどうだろうか?

ファーストキャリアとしての、入り口段階での就職偏差値や就職人気度

こそ高い、これらの国内系金融機関であるが、将来も安泰とは言い難い

のではないだろうか?

 

もちろん、20年後には無くなってしまうということはないだろうが、

少子高齢化で間違いなく国内市場はシュリンクするわけで、

国内でしか稼げないメガバンクや生損保の将来はどうだろうか?

 

国内で稼げないからといって、下手に海外に出たり、海外M&Aを

やると特損につながるということが歴史的教訓ではなかったろうか?

 

また、フィンテックの進展によって、店舗や人材の過剰感は既に見えて

いるのではなかろうか?

 

このため、会社は将来も存続するのだろうが、年俸水準は今よりも

2割位減ると考えた方が堅くないだろうか?

 

そうなった場合、会社に留まりたいと思うだろうか?

また、20年後に会社を出たいと思ったときに、年収が上がるような

転職が可能なスキルを付けることが可能だろうか?

 

慶応大学経済学部の場合、こういった国内系の金融機関の比率が他校と

比べて極めて高いため、そこに就職した学生が将来のキャリアをしっかりと

踏まえた上で就職しているのかが大きな課題だと思われる。

 

慶応大学経済学部卒業生数が1003人のうち、3メガバンクだけで74名、

大手損保が44名、大手生保が16名と、これだけで134名となる。

他の民間銀行や生損保を加えると、かなりの数となるだろう。

これらの金融機関に就職した学生が20年後、競争力のある市場価値の

高い人材になれるかが課題なのである。

メガバンクと生損保に就職した場合の転職強化策

スキル的には、英語力を磨く、ITリテラシーの向上、社外でも通用する

金融スキルの習得といったところが上げられる。

 

ただ、転職エージェントに足を運んで自分の市場価値を検証したり、

外銀・外コン・総合商社に就職した友人と交流したり、

独立・起業に関するコミュニティに足を運んだり、自己のキャリアを

如何にして磨いていくかを考えなければならないだろう。

 

慶応大学の強みとして、豊富な情報量というのがあり、それは就活時の

他校には無い強みとなっているが、そういったネットワークは就職後も

活用すべきだと考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外資系証券会社からフィンテック系ベンチャー企業に転職して、外資系金融に戻りたがっているケース

 

外資系金融に特化した転職エージェントに聞いた話であるが、

フィンテックベンチャー企業から、外資系金融機関に転職したいという人

(Aさんとする。)がいるということだ。

 

どういうことかというと、Aさんは外資系証券会社で、バックオフィス

(人事、経理コンプライアンス)の職に長年就いていたのだが、

何を勘違いしたのか、最近(おそらく昨年)、フィンテックベンチャー企業

転職をしたのだという。

 

AさんはバックオフィスであるがVPのポジションに就いていたので、

基本給とボーナスを合わせて、年収2000万円以上もらっていたという。

 

ところが、フィンテックベンチャーに転職した際には、

年収は1000万円程度まで減ってしまったのだ。

(もっとも、ベンチャー企業で年収1000万超えというのは、

トップクラスなのだが…)

 

しかし、働いて見たものの、やはり外資系金融機関に戻りたいのだという。

1. 外資系証券会社からベンチャー企業にわざわざ行く理由

ビットフライヤーWantedlyFolio、ココナラ等、

外資系証券会社で働いていた人が、自らベンチャー企業を起ち上げるというのは

ちょくちょくあるようだ。

 

外資系証券会社もリーマンショック以降は、以前のように派手に

儲かる仕事ではなくなっているし、特に欧州系はビジネス的に厳しい

ところも多く、仕事に夢を見出しにくくなっているのかも知れない。

 

特に若手の場合は、まだまだバイタリティにあふれ、自ら起業を

しようという能力や意欲であふれている者もいるようだ。

 

また、自ら起業を行わなくても、CFO的なポジションで、

ストック・オプション付きで有力ベンチャー企業に転職するというケースも

多くはないが、時々は聞く話だ。

 

さらに、一昨年の仮想通貨の異様な盛り上がりなどもあり、

フィンテックというのが人気ワードになったこともあり、自分も

それにあやかろうということで、そちらの業界に転職した人達も

ある程度いるようだ。

 

外資系証券会社といっても、完全な規制業種であり、横並び体質の強い

業界である。周りの人が動き出すと、自分も同じようにやりたいという

人はいるようだ。

 

Aさんは、どういった理由でわざわざ高給を捨ててまでして、

フィンテックベンチャー企業に行ったのかはよくわからないが、

とにかく、行ってそうそう失敗したと思っているようだ。

2. 結局、大事なのは年収

転職する瞬間は、「ベンチャー企業の方がやりがいがあるのでは?」

とか、「ベンチャー企業に行った方が『成長』できるのでは?」とか、

ベンチャー企業に行けば新しいスキルが身に付くのではないか?」、

というポジティブな理由がいろいろ浮かんだのだろう。

 

しかし、「やりがい」「成長」「スキル」というのはいずれも

主観的な概念であり、何ら保証されるものでも何でもない。

 

他方、基本給とかボーナスの金額とか、退職金制度というのは

客観的なものである。

 

いざ、新しいベンチャー企業という世界に行ったものの、

主観的なメリットは何ら見出せなかった場合には、結局、大幅な

年収ダウンという現実しか残らないということはよくある話だ。

3. 実は、この手の話は昔から聞く話

ベンチャー企業というのは、景気のサイクルによって、

一気に資金流入が起こるタイミングが定期的に発生する。

いわばベンチャー資金バブルのようなものだ。

 

古くは1999~2000年の東証マザーズ創設、第1次インターネットバブル

の頃だ。この時期にも、サイバーエージェント光通信など

外資系証券からベンチャー系企業やそのファンドなどに流れる人達は

一定数いた。

 

その次は、2005~2006年頃のライブドアホリエモンが登場した

第2次インターネットバブルの頃である。

この時期は、ダビンチ、PMC、アーバンコーポレーションといった

不動産ファンドバブルでもあったので、外資系証券会社から

各種ベンチャー企業に行った人たちがいた。

 

そして、現在はアベノミクス以降の第3次ベンチャーブームなのだろうか?

外資系証券会社からベンチャーの世界に移りたがる人達がちらほらと

見られる(もちろん、マイノリティであるが)。

4. 結局は、少しでも迷えば、行かないのが吉?!

いつの時代も、外資系証券会社からベンチャー業界に行って、

成功する人もいれば失敗する人もいる。

 

従って、どちらが絶対正解とは言い切れないものの、

確率論的には、外資系証券に残る方が正解のようだ。

 

年俸を半減させてまでして、ベンチャー企業に行くのは、

あまりおすすめできないのだ。

 

結局、Aさんの場合も、条件を下げれば、外資系金融の世界に

復帰することは不可能ではないと思うが、フィンテックベンチャーでの

経験は全く評価されない。

というか、レジュメが汚れ、変人扱いされるだけである。

 

外資系証券からベンチャーに行きたいと思った場合には、

いろいろな人に相談して、慎重に考えたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

東大法学部生が、外資系運用会社・ヘッジファンドの運用職で年収1億円以上を目指す場合に、チェックしておきたい適性

 

 1. 何故、外資系運用会社・ヘッジファンドの運用職か

東大法学部生の間では、既に外銀は、外コン・総合商社と並んで最人気職種の

一角を占めてる。

ここでいう外銀とは、外資投資銀行、すなわち証券会社を

意味し、トレーディング、セールス、IBDなどを想起しているのでは

ないだろうか?

 

しかし、リーマンショック以降、外銀のこういったフロント職の年収水準は

大幅に低下し(特にボーナス)、激務やリスクの割にはリターンが足りないと

考える者も少なからずいる。

だからこそ、外銀の内定を蹴ってまで、総合商社に就職する者がいるのだろう。

 

これに対し、ヘッジファンドの運用職の場合には、年収上限は青天井であり、

日本でもトップクラスのファンドマネージャーは年収5億円クラスを

稼いでいる。

また、ワークライフバランス的に、IBDや渉外弁護士のように長時間労働

余儀なくされることはない。

リスクという点では、外銀のフロント職と変わらないが、年収水準や働き方

という点においては固有の魅力があり、東大法学部のような潜在力の高い

学生の中には、適性のある者もいるだろう。

(なお、ヘッジファンドの年収・転職事情については、こちら) 

blacksonia.hatenablog.com

2. 東大法学部から運用職(ファンドマネージャー)を目指すということ

以上のように、外資系運用会社やヘッジファンドの運用職は魅力のある

職業なのだが、誰がやっても成功できるわけではなく、適性というのが

特に問われるのである。

 

何故なら、ヘッジファンドの運用職の場合、パフォーマンスという

運用の成果、要するに「結果」が全てである。

 

学歴とか職歴とか努力といったものは関係なく、「結果」を出さなければ

お終いなのである。

IBDのような、学歴や過去の案件、顧客とのネットワークは運用成績に

関係が無い。

このため、学歴がMARCHクラスでも運用職として成功している人は

いくらでもいるし、別にゴールドマンサックスにいたら結果がでるという

ものでもない。

 

また、長くやっていたからと言って、運用が上手くなるわけではない。

知識や経験ではなく、センスが問われる職業なのである。

3. 運用職(ファンドマネージャー)の適性があるかのチェック項目

学歴、職歴という飾りでは無く、経験・努力というわけではなく、

センスや適性が重要と言われても、自分にその適性があるのかどうかよく

わからないかも知れない。

 

そこで、以下、運用職(ファンドマネージャー)の適性があるか

どうかのチェック項目を並べてみた。

 

もちろん、これらを満たしていれば必ず成功が保証されるわけではなく、

多少あてはまらない項目があっても、就職するとクリアしていけるかも

知れないので絶対的なものではないが、参考にしてみてはどうだろうか?

①相場・市場(マーケット)に興味がある

さすがに、相場や市場に興味がないのにファンドマネージャーを目指す人は

いないかも知れないが、外銀を受けるトップ学生の中にもこの点を十分に

分かっていない者もいるようだ。

 

例えば、運用会社ではなく外銀のトレーディング職の面接で聞かれる質問に、

 

「今年の日経平均株価の上値と高値の予想とその理由」

「米中の貿易戦争の動向と、それがドル円為替に与える影響」

Googleの将来の株価予想とその理由」

 

といった質問がなされた場合に、頭が真っ白になってしまうようでは

厳しいのではないだろうか?

 

これらには質問された時点では決まった回答はなく、こういった質問に

対して面倒だと思うか、興味を持つかの直感的なところが最初の

チェックポイントとなる。

 

株の少額取引であれば、数十万円位の原資から始めることができるので

将来運用関係の仕事で一儲けしたいと思っているのであれば、

学生の早いうちから株式投資を始めてみることをおすすめする。

②企業分析に興味がある

ここでいう企業分析とは、多くの就活生がやっているような、企業パンフレット

や新卒採用向けの会社のホムペを漫然と眺めることではない。

 

会社のホムペのIRのコーナーの、四半期ごとの決算説明会用資料と、

中期経営計画あたりを隅々まで、興味を持って読めるかどうかだ。

 

運用職には、株式を投資対象とするもの、債券を投資対象とするもの、

その他デリバティブを対象とするもの等、いろいろあるのだが、

数字に強いということが必要だ。

 

IR用の資料を見て、数字がバンバン頭に入って来るタイプであれば、

それは望ましいことである。

 

また、「過去」を分析するだけでなく、その企業の「将来」について

想像力を働かせることができるかが重要だ。

 

自分がもしもその社長になったとしたら、どのような施策を取るか。

それは何故か。また、そうした場合、利益や株価はどのように変わると

考えられるかについて興味を持って想像してみることだ。

 

なお、就活における企業分析については、こちらの過去記事をご参照下さい。
blacksonia.hatenablog.com

③幅広い分野に関心を持ち、あらゆる事象を投資に結び付けることができる能力

特定の分野、例えば、金融、不動産、IT、製薬、小売り、素材、

外食、インフラ、といった特定の業種に絞って深い分析やマニアックな

調査を得意とすることができるタイプの人は多い。

 

しかし、自分の専門分野、得意な分野以外にはあまり興味がないという

人は、アナリストは可能かも知れないが、運用職(ファンドマネージャー

には向いていない。

 

実は、これは結構ハードルが高い能力である。

特定の業種のみをカバーするアナリストの場合には、担当企業数は

20社位である。

 

しかし、ファンドマネージャーの場合には、IT、製薬、金融、素材、不動産、

メディアと、全産業に亘り、数百社位をカバーしている。

これはなかなか大変である。

 

実際、運用会社でファンドマネージャーを目指す人のキャリアパス

しては、最初はアナリストとして特定の業種のみをカバーし、

その次には全く関連性の無い他の業種をカバーさせる。

そして、ジュニア・ファンドマネージャーファンドマネージャー

見習い)として修業をし、成績の良いものがファンドマネージャー

昇格していくという仕組みだ。

(もっとも、国内系運用会社の場合には、年功序列ファンドマネージャー

に昇格できてしまうことが従来は多かったのだが…)

 

さらに、企業分析を行うということは、国内経済だけを見ていても

不十分であり、米国、アジア、欧州、途上国の株価、金利、為替、政治と

グローバルの経済環境をモニターしていくことが求められる。

 

このため、投資環境に関して幅広く興味を持てるようなタイプでないと

務まらないかも知れない。

 

このように、ファンドマネージャーとして成功するためには、

いろいろな資質が要求されるのだ。

最後に

上記のような資質があるかどうかは、実際に投資を始めてみるのが

手っ取り早い。株でもFXでも仮想通貨でもいいので、とにかく

早いうちから少額で構わないので始めてみるべきだ。

 

今はネットで多くの企業情報やマーケット情報が取れるので、

便利である。

 

また、仮に、最終的に自分は運用職(ファンドマネージャー)を

やりたいとは思わないと判断したとしても、IBDには向いている

かも知れないので、企業分析や市場環境分析についての知識や

経験は無駄にはならない。

むしろ、多くの学生は苦手としているので、やってみて

損は無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東大法学部で、英語が得意でない場合の就職先とキャリアプランについて考えてみた

 

1. 東大法学部で英語が得意でない場合とは?

法科大学院・国家一種試験という選択肢

東大法学部で英語が苦手ということはあり得ないのだろうが、就活までに

英語を強化することが間に合わなかったということはあり得る。

それは、法学部の場合、今でも多くの者が弁護士(法科大学院)や

国家一種(官僚)への途を目指すからである。

これは、経済学部や文学部とは異なる、法学部特有の事情である。

 

法科大学院や国家一種を目指して、法律関係の勉強に集中すると、

英語とは無縁の世界だし、英語の強化にまで目を向ける心理的

時間的な余裕が無いので、英語は大学入学以降放置という事態も

起こり得るわけである。

②英語が間に合わないと何で困るか?

途中まで法科大学院や官僚を目指していたために、就活までに英語が

間に合わなかった場合、何か困ったことがあるのだろうか?

 

別に、就活段階では英語力は特に問わない優良企業も数多く存在する。

 

問題があるとすれば、外銀・外コン・総合商社という東大生の3大人気

職種から内定をもらえなくなるリスクが高まることだろう。 

 

もちろん、英語がダメだとこれらから内定を絶対もらえないという

わけではないが、以下の外資就活のデータを見ると、外銀・外コン・総合商社

TOEICスコアの中央値は880-900点、最低点も595-780点となっており、

英語が苦手だと苦戦を強いられそうである。

【21卒保存版】大学2年1月から始める外資系投資銀行内定へのロードマップ

 

法科大学院とか官僚を目指していて、民間企業に切り替える場合、

周りへの見栄も当然あるだろうから、それなりのスペックの高い企業を

目指したいものだ。

ところが、人気3業態である、外銀・外コン・総合商社は英語が苦手だと

厳しくなることを考えると、それ以外の就職先も検討しておく必要が

あるということだ。

2. 業界・企業選びを行う場合の判断軸

外銀・外コン・総合商社以外の業界・企業の選択にあたっては、

どういう基準、価値観を重視して選択すべきか、その判断軸が問題となる。

 

すなわち、政府系金融機関、電力ガス・鉄道・通信といたインフラ系、

三井不動産三菱地所等のデベロッパーなど、東大法学部生が昔から

就職しているような業界・企業で、英語力をあまり問わない先も

あるからだ。

 

しかし、ここでは、外銀・外コン・総合商社という、新しい東大生が

選好する判断軸である、「年収」「転職力」「ステイタス」といった

軸を中心として業界・企業探しを行うこととした。

3. 英語力が得意でない場合の、おすすめの就職先とキャリアプラン

①国内系証券会社のIBD(コース別採用)

具体的には、野村證券或いは大和証券IBDだ。

年収については、野村證券IBDだと30代で2000万円以上の高収入を

得ることが可能だ。

また、国内系IBDの場合には国内企業との強い営業基盤があるため

数多くの良質な案件を経験し、スキルアップを図ることが可能だ。

このため、将来、VP以上で外銀IBDやPEファンドへの転身を図ることも

可能だ。

 

また、IBDの場合、会社法や金商法といった法律に関する知識・センスが

問われるので、法科大学院や国家一種を目指して勉強していた場合には、

法律力をアピールしたり志望動機に使うこともいいだろう。

 

ステイタスという観点からは、東大法学部からであれば、野村か大和

あたりまでだろうか?SMBC日興証券みずほ証券の場合、

ネームバリューが気になる学生もいるかも知れないが、IBDの仕事を

重視すると、このあたりも応募した方が良いかも知れない。

②国内系運用会社の運用コース

具体的には、野村アセットマネジメント東京海上アセットマネジメント

あたりであろうか?アセットマネジメントoneとか、三井住友アセット・

マネジメント等も含めるかどうかは学生の好みによる。

 

日本では、運用会社はまだまだマイナーな存在だし、大手金融機関の

子会社であるので、格下扱いされがちである。

 

しかし、将来外資系運用会社やヘッジファンドへの転身を図るのであれば

十分うま味もあるし、将来性もあるポジションである。

 

入社難易度は、先ほどの国内系証券会社のIBDよりは内定を得やすい

だろうが、運用専門職の場合だと、相場・市場に関する勉強を予め

しておいた方がいいだろう。

ファンドマネージャーを目指しているのに、

「今年の日経平均株価の上下のレンジ予想とその理由」について

相応の準備をしておかないと、何も答えられなくなってしまうからである。

 

入社した場合には、受けさせられるので、入社のための準備の一環として

証券アナリスト試験を勉強するのが良いだろう。

 

なお、外資系運用会社についてはこちらの過去記事をご参照下さい。

blacksonia.hatenablog.com

③総合系コンサルティング・ファーム

東大生からの人気3業種の1つの外コンのうち、特に、マッキンゼー、BCG

等の戦略系ファームはそれなりの準備期間が必要となるため、英語が

できないとなると、法科大学院や官僚志望から途中で切り替えるのは

かなり難しいだろう。

 

しかし、総合系ファームと言われる、アクセンチュア、デロイト、E&Y、

PwCあたりは相対的には難易度が落ち、英語力が弱くても、

東大法学部生であれば内定をもらえる可能性はある。

 

さらに、デジタル・フォーメーション絡みの需要増大の背景もあり、

各社ともに、中途・新卒を問わず、間口を拡げた採用を行っている最中である。

 

これは長期的には、コンサル人材の供給過多に伴う、価値の低下を招きかねない

のであまり望ましくないかも知れないが、転職を前提としたキャリアプランでは

取り得る選択肢かも知れない。

 

上記①②のような金融専門職はあまり好きではないという東大法学部生は

コンサルの途を選択するのもあり得ると思う。

④メディア・マスコミ

具体的には、日経新聞朝日新聞、読売新聞という大手新聞社、

または、電通博報堂である。

キー局でもいいが、ここは採用枠が限られ、東大法学部でも

内定をもらえる保証は無い。

 

こういったメディアは東大からも就職しているし、給与水準やステイタス

的にもそこそこであるが、「転職力」はどうか?、と思う学生も

少なくないだろう。

 

確かに、このようなマスコミ大手は終身雇用が基本路線であるが、

その人次第では大いに転職できるような市場価値を高めることは

可能だと考えられる。

 

インターネット、SNS、動画が発展していき、紙媒体やテレビは

相対的に地位低下するのであろうが、結局それは媒体の違いであって

コンテンツそのものを作れる能力は常に重視されるからである。

 

既存メディア(紙媒体)の仕事をしている人達は、ネット系の仕事が

できないと言われるが、それはその人次第であって、ネットや

テクノロジー関係をキッチリと勉強し、ネット界隈の人間と繋がっていると

NewsPicks、AbemaTVのような新しいメディアで活躍することは

十分可能であろう。

リクルート

ここは、わざわざ東大法学部からでなくても行けるから、ステイタスの

観点から、あまり興味が無いという東大法学部生もいるだろう。

 

しかし、今後ますます重要となる「人」関連のキャリアやスキルを

構築する意味でも、あるいは、ベンチャー・ニュービジネスを追求

する意味でも、リクルートをファーストキャリアとするには十分な

魅力がある。

 

上記①②のような金融専門職や、③のようなコンサルは、あまり好きでない

という法学部生はあたってみる価値はあるのではなかろうか?

 

リクルート本体は、海外企業に対するM&Aなどを積極的に手掛けていたり

するので、コーポレートのM&A要因など、面白いポジションも

増えてきている。

(こちらの過去記事をご参照ください。) 

blacksonia.hatenablog.com

 

将来の転職力はいろいろな形で習得できる会社なので、悪くはない

選択肢だと思われる。

最後に

英語対応が間に合わない場合には、人気業種の外銀・外コン・総合商社が

難しくなるのは厳しい。

しかし、よく探してみると、それ以外にも面白い企業とキャリアプラン

存在している。

 

法科大学院から民間企業転職に切り替える場合には、「年収」か「安定」か?

「転職」か「終身雇用か」、その判断軸を明確にしておくことが

必要だ。