一橋大学よりも良好?慶応大学経済学部の就職と課題について

 

1. 極めて良好な慶応大学経済学部の就職状況

慶応大学は就職に強いとされているが、伝統のある看板学部の経済学部

の就職状況はとりわけ良好である。

学校側もHPで詳細に経済学部の就職先について開示をしてくれている。

2017年度 経済学部卒業生の進路 - キャリア - 経済学部 - 慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科

 

上位には、メガバンク東京海上野村證券と大手金融機関の、しかも

トップ企業がずらりと並ぶ。

 

さらに、トップ学生の間でも人気ナンバー1である総合商社も、

経済学部だけで、三菱商事に8名、三井物産に7名、丸紅に7名、

住友商事6名、伊藤忠に5名と、多くの学生を送り込んでいる。

 

また、日本航空電通野村総合研究所ソニー新日鉄住金

NTT東日本キーエンスと、サービス業、インフラ、メーカーと幅広く

人気企業への就職者を輩出している。

 

少々意外であるのが、日本政策金融公庫(8名)、商工組合中央金庫(8名)、

日本銀行(5名)と、国立が優位とされている、採用数が少なく狭き門と

されている政府系金融機関にも人材を輩出している。

 

それから、慶応大学経済学部の特徴として、

新日本監査法人(14名)、トーマツ(9名)、あずさ(9名)と、

監査法人に就職する学生が多いことが指摘できる。

これは、公認会計士の合格者数が長年トップであることに起因すると思われる。

 

以上のように、慶応大学経済学部の就職については、質的にも量的にも

何ら課題は無いように見える。

2. 一橋大学と比べてもそん色はない慶応大学経済学部の就職内容

①よくある批判的な意見

上記の就職状況については、2ch等の学歴板では、国立優位を唱える

者が多いことから、

「慶応大学経済学部は人数が多い」、

「慶応大学経済学部には強固なコネや体育会が混ざっており、

一般学生の枠は見かけよりも減る」、

「慶応大学の場合、女子が一定数いるので、一般職も含まれている。」

といった批判がなされることがある。

 

しかし、女子と一般職については、経済学部の場合は女性の比率は2割程度と

他学部(例えば法学部は4割)と比べて低く、そもそも一般職自体枠が少ないので

全体に大した影響を及ぼすことは無い。

 

また、強固なコネとか体育会というのは、はっきりとした統計が存在する

わけではなく、人数自体はそれほど多くないと思料される。

②生徒数が多いとの批判:一橋大学全体との比較

東大や京大の場合、理系が含まれており、学部別の詳細な就職先の開示が

無いので、一橋大学全体との比較が参考になるだろう。

 

一橋大学の場合は、理系が存在せず、また、文学部・教育学部系も

存在しないから、慶応大学経済学部と比較しやすいからである。

 

また、慶応大学経済学部の就職者数は1003人であるところ、

一橋大学全体での就職者数は850人程度であり、若干、少ない程度だ。

 

一橋大学の3メガバンクへの就職者数は、17~18人なので、慶応大学経済学部

の方が多い。

生損保については、日本生命が12名、東京海上が9名であり、特に東京海上

については、慶応大学経済学部が明らかに優位である。

 

一橋大学から三菱商事住友商事伊藤忠は、9~12名と、ここでは、

若干一橋大学が優位であるが、三井物産では慶応大学経済学部の方が

優位である。

 

以上のように、慶応大学経済学部の場合、生徒数を考慮しても、

一橋大学全体に劣っているということはない。

 

また、ここでの統計には表れていないが、外銀・外コンへの就職者数では、

慶応大学経済学部が一橋大学よりも多い。

 

このため、トータルで見ても、慶応大学経済学部の就職状況は、

国立大学でトップクラスの一橋大学と変わらないレベルなのである。

3. 慶応大学経済学部の就職における課題

メガバンクと生損保への就職者と将来のキャリアプラン

以上のように、人気企業・就職偏差値上位企業への就職力という点では、

何の課題もないだろう。

 

しかし、課題は就職してから先のキャリアについて、十分に考えられて

いるかどうかということだ。

 

外銀・外コン、監査法人、総合系コンサルティング・ファームに

就職する者は、セカンドキャリアを十分考えているだろう。

 

また、総合商社を選択した者は、総合商社のビジネスモデル的に、

終身雇用を想定したとしてもいいだろう。

 

ところが、メガバンク、生損保を選択した多数派の学生はどうだろうか?

ファーストキャリアとしての、入り口段階での就職偏差値や就職人気度

こそ高い、これらの国内系金融機関であるが、将来も安泰とは言い難い

のではないだろうか?

 

もちろん、20年後には無くなってしまうということはないだろうが、

少子高齢化で間違いなく国内市場はシュリンクするわけで、

国内でしか稼げないメガバンクや生損保の将来はどうだろうか?

 

国内で稼げないからといって、下手に海外に出たり、海外M&Aを

やると特損につながるということが歴史的教訓ではなかったろうか?

 

また、フィンテックの進展によって、店舗や人材の過剰感は既に見えて

いるのではなかろうか?

 

このため、会社は将来も存続するのだろうが、年俸水準は今よりも

2割位減ると考えた方が堅くないだろうか?

 

そうなった場合、会社に留まりたいと思うだろうか?

また、20年後に会社を出たいと思ったときに、年収が上がるような

転職が可能なスキルを付けることが可能だろうか?

 

慶応大学経済学部の場合、こういった国内系の金融機関の比率が他校と

比べて極めて高いため、そこに就職した学生が将来のキャリアをしっかりと

踏まえた上で就職しているのかが大きな課題だと思われる。

 

慶応大学経済学部卒業生数が1003人のうち、3メガバンクだけで74名、

大手損保が44名、大手生保が16名と、これだけで134名となる。

他の民間銀行や生損保を加えると、かなりの数となるだろう。

これらの金融機関に就職した学生が20年後、競争力のある市場価値の

高い人材になれるかが課題なのである。

メガバンクと生損保に就職した場合の転職強化策

スキル的には、英語力を磨く、ITリテラシーの向上、社外でも通用する

金融スキルの習得といったところが上げられる。

 

ただ、転職エージェントに足を運んで自分の市場価値を検証したり、

外銀・外コン・総合商社に就職した友人と交流したり、

独立・起業に関するコミュニティに足を運んだり、自己のキャリアを

如何にして磨いていくかを考えなければならないだろう。

 

慶応大学の強みとして、豊富な情報量というのがあり、それは就活時の

他校には無い強みとなっているが、そういったネットワークは就職後も

活用すべきだと考えられる。