慶應大学生の総合商社内定必勝法を考えてみた

 

就活生における総合商社の人気は極めて高く、東大と早慶で内定者の6割を

占めるという。

従って、学歴的には丁度慶応大学で±ゼロというところであろうか。

そこで、自分が慶応大学(商学部としよう)に入学したと想定して、

総合商社に入るための必勝法を考えてみた。

1. まず最初に、就活全体についての基本戦略を考える。

難関企業から内定を得るためには、十分な準備が必要である。

従って、志望業種・職種がころころ変わったり、面接が始まる直前になって志望企業を

変えたりするようでは、その時点でアウトである。

大雑把でいいので、概要を早いうちに固めておく必要がある。

私の場合には、以下のような基本戦略を立ててみたい。

①外銀・外コンは捨てる

別に外銀・外コンを併願するのはありである。

レベルの高い競争をするので、いい刺激になるし、十分な準備が求められるので、

戦略として併願も合理性があるが、自分の場合は、商社と国内系金融機関

(除くリテール)は絶対に確保するという選択をしたい。

この点、受験において負け知らずの自信満々の東大生との違いである。

②総合商社本命で、押さえを国内系金融機関IBDと国内系運用会社とする。

そもそも総合商社が本命という想定であるので、ここでのカギは押さえを

どうするかである。

私の場合は、国内系金融機関のIBDと国内系運用会社としたい。

これには以下の価値判断が前提となっている。

・お金(年収)はものすごく重視する。

・将来は、外銀も狙いたい。

 ⇒総合商社ではコーポレート部門のファイナンス職を志望する。

 ⇒だから、金融プロフェッショナルとしてのスキルを付けるために

  国内系IBDと国内系運用会社を併願する。

・死んでもリテール業務とかメーカーの工場勤務とかはやりたくない

 ⇒ダウンサイドを固めたいので、外銀・外コンを捨てて減らした負担を

  国内系IBDと国内系運用会社に広く振り向ける。

 

要するに、戦略とは捨てることなので、外銀・外コンというアップサイドは、

捨てる代わりに、ダウンサイドは押さえたいという基本戦略である。

 

2. 英語は1年生のうちに何とかする。

昔は、総合商社でも英語は会社に入ってから覚えればよかった。

但し、昔は商社冬の時代と言われ、今ほど人気がなかったからであって、

今だと体育会でも英語が全然ダメだと厳しいと言われる時代になっている。

 

自分の場合は、将来外銀を目指したいということなので、英語は早いうちに

手を打ちたい。

 

総合商社の場合には、外銀のように、就活時点の面接でいきなり英語面接が

出てくることは無いので、TOEICにフォーカスすることで完了させたい。

専門学校を使ってもいいが、とりあえずTOEIC860点を確保したい。

 

3. 就活の軸はファイナンス能力とする

私が学生だったとすれば、「ファイナンス能力」を軸に就活を展開したい。

具体的には、企業分析とか株価に強い学生ということである。

証券アナリスト(CMA)の取得と株式投資

日本証券業協会が支援団体である証券アナリスト(CMA)という資格がある。

公認会計士などと違って、これを持っていたところで、全然ドヤ顔できる

資格でないが、証券会社や運用会社では結構モノをいう。

私も、証券会社のリサーチ部門に配属になった時に、取得をさせられた。

 

これは、1次試験と2次試験とがあるが、学生の間だと1次試験を合格していれば

OKである。

簡単に取得できるのだが、持っていると、やる気と興味が確認でき、

他の学生と差別化できるからだ。

また、内容的にも知っておいて損は無いファイナンスと会計の基本である。

 

また、最悪落ちたとしても言わなきゃいいだけで、マイナスにはならない。

 

証券アナリスト(CMA)だけだと面白くないので、株式投資はやっておきたい。

バイトとお小遣い合わせて20~30万円もあれば、少額投資が始められるので

是非やっておきたい。

少額でも、競馬と一緒で、自分のお金を突っ込むと、関心度が違ってくるので、

毎日株価が否が応でも気になり、マーケット感覚が身に付いていく。

 

この際、投資銘柄を「インターネット銘柄」とか「外食」とか自分の興味のある

セクターに絞って投資をするのも悪くない。

 

就活の際は、「勉強用です」と控えめに言っておいた方が好感度は高いだろう。

②総合商社の志望部門はコーポレートの「ファイナンス」で行く

ESでも面接でも、必ず聞かれるのが、「何をやりたいか」「何故か」「君はそれに向いているのか」というお馴染みのテーマであるが、ファイナンス株式投資と企業財務)を売りにして上記①の準備をすると、一気通貫で答えられる。

 

そして、ファイナンス部門は総合商社どこもあるから、汎用性が高い。

また、押さえの国内系金融機関のIBDとか国内系運用会社にもそっくり転用できる。

 

証券アナリストを取って、株式運用を継続していると、

 

株式市場とか企業財務分析が大好きです

 ↓

何故なら、少額ですが株式投資をしたりアナリスト試験の勉強をしていて

面白いからです。

 ↓

私は、他の学生よりも投資・企業分析については関心度が強く、基本的な知識でも

先行していると思います。

 

と、小細工しなくても、自然な形で志望動機がつなげられるのだ。

 

具体的な、株価や銘柄の話が、面接官とできる、面接官が株に詳しい人であれば、

いくらでも盛り上がることができるので、これはおすすめである。

 

4. 開示されている企業情報は隅々まで見ておく

①企業毎の特徴と基本戦略を把握しておくのは当然の前提

東大や早慶でも真っ先に落とされるパターンの1つが、企業研究が甘いことである。

総合商社は各社、事業ポートフォリオや経営戦略が結構異なっている。

三井物産三菱商事は資源・エネルギーの比率が高いが、伊藤忠や丸紅は低い。

その辺十分に調べないで、三井物産で「消費、B to Cをやりたい」とか、

伊藤忠で「プラントやりたい」というのは極めて問題である。

少なくとも、企業HPで開示されている情報は隈なく見ておくことだ。

特に、個人投資家向けのIRはわかりやすいので、熟読しておきたい。

こういう時も、証券アナリストとか株式投資をやっていると、

決算情報(決算短信有価証券報告書)とか、会社説明会用資料を

分析する能力が他の学生よりもついているので有利である。

 

②直近の会社説明会用資料とかプレスリリースを熟読した上で、マニアックなところまで質問できれば、「やる気」「誠意」が伝わりやすい

上記①のレベルは当然として、企業分析能力を武器にコーポレートのファイナンス職を

志望するのであれば、さらに、これでもかという位、熟読して、マニアックな質問ができれば、「やる気」「誠意」は十分に伝わるだろう。

 

もちろん、知ったかぶりをして嫌われると元も子もないので、

「有報とか決算短信は全部見ました。マニアックな質問をして恐縮なのですが、・・・

について教えていただけないでしょうか?」という質問ができれば、

面接官(OB訪問)に対していいアピールになるだろう。

 

5. 就活は「情報戦」と心得よ。なるべく多く情報を取ろう

外資就活とかOne Careerのような公開情報は把握しておく

上記のスペックと志望企業からすると、リクナビは不要である反面、

東大生の7割が使用すると言われる外資就活と、One Careerは押さえておくべきだろう。

同じ大学であっても、外銀・外コン内定持ちから、上場企業すら入れない学生まで

極端な差がついてしまう。その理由の1つが情報格差である。

信じられない話であるが、総合商社のOB訪問は選考活動であるが、何も知らずに

企業のことを教えてもらう場だと思っている学生もいるという。

とにかく、必要な情報は最低限度押さえておく必要がある。

②なるべく(成功した)社会人から話を聞いておく

いくら、HPや本で勉強しても、実態はなかなかわかるものではない。

実際に、業界の中の人に話を聞くのが一番良い。

親戚でも、大学の先輩でも何でもいいから、総合商社の人からなるべく多く

話を聞いておいた方が良い。

お金に余裕があれば、就活サポート企業もあるので、そういうところを

活用してもいいだろう。

 

まとめ

総合商社でも、昔は、体育会とか海外留学とかがあれば、それだけで入れた時もあった。

しかし、今では必用条件であって十分条件とは言えないのだ。

 

従って、体育会とか留学経験すらない、その他の多くの学生であれば、

何かコアとなるスキル・経験を作っておくことだ。

 

私の場合は、企業財務・株式分析スキルということで、証券アナリスト試験と

少額の株式投資に注力することとした。

これは人によって好き嫌い、特性があるので、ベンチャー企業でバイトにハマって

ベンチャー経営の知識を付けたり、アフィリエイトサイトを作って月に何万円かは稼げるようになったりとか、いろいろ切り口はある。

くれぐれも、ゼミとか、塾や飲食店のバイトで活躍したというような平凡な

ネタしか持てないという事態は避けたい。

 

準備は1年生か始めればいい。

評論家や学校の言うことなど気にしても仕方がない。評論家も学校も

就活の助けはしてくれない。

先んずれば人を制すということで、英語とか企業研究とかいくらでもやることは

あるので、早いうちから始めていきたい。