メガバンクに就職・内定したものの後悔している東大、慶応出身者がやっておきたい3つのこと
〇東大や慶応だと、第1志望がメガバンクということはあまりない?
2020年卒業予定の学生は、この3月から就活が本格化するのであろうが、
既に卒業し現にメガバンクに勤務している、或いは、この4月からメガバンクで
働くことが決まっている東大・慶応卒業(予定)者で、後悔している
者もいるだろう。
人それぞれであろうが、東大や慶応の場合だと、メガバンクが第1志望で
就職できてHappyという人はそれほど多くないのではなかろうか?
結局、日本人の場合、人との比較だ大好きだし、偏差値教育が長年
染み込んでいるのでいるので、就職難易度・ランキングが大好きだからだ。
東大、慶応の場合だと、外銀・外コン・総合商社が最上位ということになるので、
それらに落ちてメガバンクというパターンは多いのではなかろうか?
そういった場合、同じ金融機関である外銀勤務(内定)者の同窓生には
引け目を感じていたりすることはあるだろう。
〇メガバンクで数年働いて得られるもの
①とりあえず、何年働くべきか?石の上にも3年は本当か?
しかし、メガバンクが第1志望でなかったからといって、今すぐ転職を
したり、就職浪人をするのが良いというわけではない。
メガバンクで短期間働いても得られるものはあるし、次のキャリアでは
失敗しないためにじっくり考える期間も要るからだ。
よく、新卒で入社した会社に「最低3年は働くべきだ」ということの是非を
巡って議論がなされるが、「3年」ということに特に意味は無い。
第2新卒の場合は、「若さ」に着目した潜在力が重要な要素なので、
下手にスキルがつかないまま4~5年過ごすのであれば、1年で辞める方が
高値で売りやすい。
ちなみに、転職が当たり前の外資系金融機関の場合だと、とりあえず一つの会社に
「2年」いたら、最低限失敗キャリアだとはあまり思われない。
他方、「1年」だと失敗キャリアだと思われてしまうため、転職の面接の際に
理由を聞かれたりすることは多い。
従って、とりあえず「2年」というのは転職までの期間の目安になるだろう。
そういうことで、メガバンクに新卒で2年働くと、以下の2点について得ることができる。
②メガバンクで短期間働いて得ることができるもの
(1)メガバンクでの職歴
例えば、みずほ銀行で2年働いた場合には、履歴書にその旨を書くことができる。
メガバンクで長年働いてもこれといったスキルは身に付かないし、
メディアも最近は辛口の評価をしていることが多い。
しかし、何故か今でも「履歴書」におけるメガバンクの記載は、
悪く見えない。行動経済成長期に日本経済を支えてきたという歴史、
高学歴が多く集まるエリート組織という雰囲気、規制業種の典型であることに
伴う信頼感等がポジティブに見えるのだろう。
従って、履歴書の最初の会社がメガバンクというのは見た目的に悪くない
のである。
(他方、履歴書の最初の会社として、見栄えが良くないのは、ベンチャーとか
ネームヴァリューの劣るメーカー、サービス業である。)
(2)基本的な金融リテラシー
メガバンクの教育・研修システムはしっかりとしている。
これは利用しない手は無い。
メガバンクに2年ほどいると、最低限の財務諸表(B/S、P/L)の読み書き能力、
マクロ経済、融資や決済の実務をマスターできるだろう。
結構これは馬鹿にできないスキルである。
もちろん、外銀、或いは大手国内系証券会社のIBDで通用するようなスキルでは
ないものの、他の業界、例えば、ヤフー、楽天、サイバーエージェントで
フィンテック業務を狙う場合にはれっきとしたスキルとなる。
金融業は規制業種であるので、他の事業会社ではマスターできない業務で
あるため、他の事業会社では評価してもらえるスキルなのである。
以上のように、メガバンクに2年ほど勤務すると、
最低限の金融リテラシーのある者として扱ってもらえるのだ。
〇これから転職前にやっておきたい3つのこと
①英語力をつけること
英語は年を取ればとるほど、マスターすることが難しくなる。
特に30歳を過ぎると難しく、20代のうちに何とか対処しておかなければならない。
英語力とは、ある意味新卒の就活時に要求されるより高い水準が求められる。
何故なら、外資系の場合だと、面接に対応できるようにするには、
TOEICだと900以上は欲しいからである。
また、就活時点だとTOEICスコアだけあれば十分だが、英語での面接を
うまく対応するには、TOEICスコアだけだと当然不十分であり、
英語学校に行って、実践的な訓練を行う必要があるからだ。
結局、市販のTOEIC問題集を買ってきて勉強すると同時に、
語学学校(ベルリッツとかGABAとか)に行って地道に対応するしかない。
出発点がTOEIC500点レベルだと、期間にして2年、費用にして100万円位
かかるだろうが、やっておく価値は十分にある。
そもそも、外銀や総合商社から内定をもらえなかった原因に英語力不足が
あるのではないだろうか?そうであれば、なおさら、早い内に手を打っておく
必要がある。
②ビジネス力をつけること
これはメガバンクに限らず、社会人全般に該当することであるが、
同じ業種でずっとサラリーマンをやっていると、視点は拡がらないものである。
メガバンクの場合は、規制業種であり、決まったビジネスしかできないので、
経営戦略やマーケティングに関する知識・視点が相対的に弱くなりがちである。
また、若手の銀行員の場合、財務や経済に関するプログラムはあっても、
経営戦略やマーケティングは不十分なことが多い。
そこで、これらのビジネスに関する視座を、外部講座を利用することによって
拡げておきたい。
例えば、慶応丸の内キャンパス、早稲田ビジネススクール、グロービスなどが
有料講座を提供しているので、こういうところに参加しておきたい。
③転職情報力を高めること
就活もそうであるが、転職となるとなおさら情報力がカギを握る。
何故なら、中途採用の場合には、新卒のようにオフィシャルな開示を
してくれないので、自分で求人情報を集めて、勝算を探った上で、
応募や面接をしていくことになるからだ。
そのためには、面倒であるが、なるべく多くの転職エージェントに登録して
おくことだ。
リクルート、DODA、JAC、エン・ジャパン、ビズリーチあたりの大手は
基本である。
さらに、アンテロープ、カナエアソシエイツ、コトラあたりは金融機関に
強い。
働きながらの転職活動は大変なのであるが、ここで差が付くところなので、
ひと頑張りしておきたい。
最後に
ファースト・キャリア(最初の就職先)としてのメガバンクは、
それほど悪いものではない。
従って、早い内からキャリアアップに向けた、英語力やビジネス力を
向上させ、転職情報収集・分析力を身に付ければ、
より良い転職に成功できる可能性は十分にある。
こういうことができるのは若い内なので、仕事は大変だろうが
頑張って対処しておきたい。