MARCH、関関同立からのメガバンクへの就職があまりおすすめできない理由
- 1. そもそも、十分な情報に基づいた上で意思決定できているか?
- 2. MARCH、関関同立の学生が正確な情報を取捨選択するのが難しい理由
- 3. MARCH、関関同立からのメガバンクへの就職がおすすめできない理由
- 最後に
1. そもそも、十分な情報に基づいた上で意思決定できているか?
しかも、MARCH、関関同立からメガバンクへの就職者は「勝ち組」
としての取り扱いを受けていることが多いように思われる。
もちろん、正しい情報を収集・分析の上、後述するような事項を
十分に踏まえた上でメガバンクに就職するのであれば全く問題はない。
しかし、以下のような理由から就活時において正しい情報を取捨選択を
することは意外に容易ではなく、不完全な情報に基づく意思決定をしてしまう
リスクはあるからだ。
2. MARCH、関関同立の学生が正確な情報を取捨選択するのが難しい理由
①就活情報には極端に本音と建て前とが入り混じっている
廃止が決まっている経団連の就活ルールであるが、6/1前に実質的な選考が
行われたり、インターンという名目で青田刈りのようなことがなされていたり、
3/1から解禁されているOB/OG訪問は実質的には面接であるなど、
本音と建前が入り混じっている世界である。
このため、建て前を純粋に信じる素直な学生(悪く言うと情弱な学生)と、
本音をかぎ分けて早めに手を打って行動する学生との間では、本来の能力に
関わらず、大きな差がついてしまう。
(もちろん、情報収集・分析力は重要な能力かも知れないが…)
②有名企業から内定を取った先輩たちの話はあてにならない
本音と建て前が入り混じる中、学生達が頼るのは実際に内定を取った先輩たちの
話である。ところが、これがあてにならない。
これは仕方が無いことだが、死ぬほど必死に準備をしていても内定を取った
瞬間にそれまでの努力や苦労を忘れてしまうということは良くあることだ。
これは就活に限らず、大学入試や資格試験でもあてはまるかも知れないが、
自分の苦労はあっさりと忘れて「そんなに早くからやらなくてもいいよ。」
「自分は適当にしかやらなくても内定もらえたよ。」的なアドバイスを
されることは少なくないだろう。
しかし、そういった楽観的・安易な発言をうのみにしてはいけない。
③リクナビ、マイナビ系の情報はスポンサーにネガティブな情報を書けない
MARCH、関関同立のほとんどの学生はこの手の就活情報サイトに登録を
しているのではないだろうか?
ここには大量の情報が掲載されているが、留意すべきは、これらの
会社はクライアント企業のネガティブな情報を掲載できないので、
学生が本当に知りたいような情報をここから入手することは難しかったりする。
④東大、早慶との間に情報格差が生じる理由
MARCH、関関同立の学生は、学歴で東大、早慶に後れを取っている分、
情報戦では有利に立ちたいところだが、実際は、情報戦において東大、
早慶にかえって差を拡げられてしまっている。
何故か?
それは単純に、本当の上位企業、トップ企業に就職しているOB/OGの数が
東大、早慶よりも圧倒的に少ないからだ。
具体的には、ゴールドマン・サックス、JPモルガン等の外銀、
マッキンゼー、BCG、ベイン等の外コン(特に戦略系)、
「そんなところ志望しないから関係ないよ」という意見もあるだろうが、
そういうわけには行かない。
何故なら、上記のような超トップ企業は、東大、早慶の学生も普通に全滅
するので、そういった学生達が、大手金融、インフラ、人気メーカー、
総合系コンサルといった、MARCH、関関同立の学生のターゲットに
入っている人気企業で競合することになるからだ。
早慶に本気で入りたければ東大・一橋を目指さなければならないというのと
一緒で、一番上のレベルの情報を就活においても収集して活動すべきなのだ。
具体的には、頑張って出身大学が異なっても、そういう企業のOB・OGを
探すとか、東大や早慶の情報通の友達と付き合うとか努力をする他ない。
ただ、ネットで取れる情報で、東大、早慶が見ているような情報は欠かさず
情報収集すべきだ。
例えば、こちら東大、早慶の学生御用達の「外資就活」であるが、
MARCH、関関同立の学生の何割位が登録しているだろうか?
ある意味、これに登録しているか否かで、同じMARCH、関関同立の中でも
既に差がついていると言えるだろう。
3. MARCH、関関同立からのメガバンクへの就職がおすすめできない理由
前置きが長くなってしまったが、こちらが本題である。
①そもそもメガバンクの将来性について明るい未来を見出せないから
これは、MARCH、関関同立に限った話ではなく、他の学生にもあてはまる
ことであるが、どれくらい認識・納得できているかということだ。
この点を十分踏まえた上で(他の企業を落ちた等の理由により)メガバンク
に入ることになった学生は、転職・留学等、次の手を打つことを考えている
者もいるのだ。
この理由は、メディア等で既にいくらでも取らあげられているネタなのだが、
最も明確なのは、少子高齢化に伴い国内市場が縮小していくのは明らかで、
海外で稼がなければならないところ、海外での競争力は全く無いからだ。
また、GAFAが本気で動き出さない限り、既存のフィンテック系企業に
やられてしまうということはないが、AI、IT化の進展に伴い、既存の実店舗、
設備、人員がお荷物になるということは言えるだろう。
それは、新聞がすぐには無くならないものの、長期的には確実に縮小して
いくのと同様に、ゆっくりと時間をかけて現実化していくのだろう。
このため、20代の内にメガバンクを足掛かりに転職や起業を考えている者は
問題ないが、20年後、30年後を考えると楽観できないのではないだろうか?
メガバンクが無くなるということは無いかも知れないが、給与水準が
今より2~3割下がるということは十分に考えられるだろう。
事実、バブル期と比べるとメガバンクの年収は下がっている。
例えば、当時部店長の年収は軽く2000万円を越えたが、今は、執行役員クラスに
ならない限り、2000万円には到達しない。
②メガバンクでの職歴によって転職力は磨かれない
これもMARCH、関関同立の学生に限った話では無いかも知れないが、
マーケットや海外系ではなく、リテール業務への配属が確実なので、
特に留意する必要がある。
転職力というのは、特に中長期が問題である。
20代の内なら問題ないが、30歳を過ぎるとメガバンクのリテール業務だと
転職するのは難しく、40代になると更に厳しい。
③メガバンクはMARCH、関関同立からの出世が難しい
自分は転職は考えていないというのであれば、それはメガバンクで
働き続けるということであり、昇格・出世が重要なファクターとなる。
しかし、メガバンクは歴史的にも業種的にも究極の学歴・学閥社会である。
MARCH、関関同立はいくら頑張っても昇格・出世は辛い。
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採用者ベースで見ると、MARCH、関関同立のシェアは高いはずなのだが、
取締役のシェアは少なく、代表取締役レベルになると、皆無である。
ところが、同じ大手金融で、リテール畑でも、大手生損保、大手証券会社の
場合は、MARCH、関関同立の役員はいくらでもいるし、社長ですら
可能である。
もちろん、出世はそんなに気にしないという人もいるかも知れないが、
同じ給与水準で同じリテール業務であれば、大手生損保や大手証券会社に
行った方がいいのではないだろうか?
また、国内系運用会社であれば、ファンドマネージャーやリサーチ等の
プロフェッショナル職に就くことも可能である。
最後に
メガバンクというのは将来性はともかく、まだまだ就活の世界では、
勝ち組とされているようである。言い換えれば、就活能力がそこそこ高い
学生しか入社できないということである。
そうであるならば、メガバンクから内定を取れる学生というのは、他の
人気企業からも内定をもらえる可能性が高いということだ。
本当にメガバンクに納得していくのであれば構わないが、他にもいろいろ
良い選択肢があるはずなので、きっちりと情報収集した上での意思決定が
できるように対応すべきだろう。