商社に関心のある一橋大学の就活生は、豊田通商を狙え!

 

1. まず、大学別の総合商社への就職状況を見てみよう

一橋大学の就活生の場合、商社というと総合商社のみが対象となるので、

総合商社の大学別就職状況を見てみよう。

こちらは、2018年版でYouTubeから拾ってきたものである。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwitu8b7ld_eAhULWrwKHdpgAswQtwIwAHoECAgQAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DW_tZ0pM-y-w&usg=AOvVaw3qfR7YQkjYEXX974j35yvt

 

 

三菱

物産

住商

伊藤忠

丸紅

双日

豊通

慶応

39

46

30

31

28

10

6

早稲田

27

29

26

23

19

7

10

東大

24

14

13

15

7

3

0

京大

13

9

12

7

10

3

0

一橋

9

4

10

10

8

8

0

<参考>

明治

 

3

 

1

 

2

 

2

 

2

 

2

 

2

 

この表からみて明らかになるのは、以下の2点である。

・国立上位校における、総合商社カテゴリー内で、豊田通商の評価が極めて低い

・大手5社から外れる双日と、かなりの人気の格差がある

2. 国立上位校の間で豊田通商の人気が特に低い理由を考える

20世紀では、総合商社というと9社存在したのだが、バブルの崩壊期において、

相対的に下位の商社の名前が消えてしまった。

その中で、旧日商岩井というのは歴史的にネームバリューがある会社であって、

商事、物産、住商伊藤忠、丸紅と並んで6大商社という扱いをされていた。

もちろん、歴史的にもトップ校からも継続的に採用できていたので、

日商岩井の歴史を継ぐ双日は、会社名が変わってもブランド力はあるのである。

 

他方、豊田通商というのは歴史的には総合商社ではなく、格下とされる専門商社の一角に過ぎなかった。このため、東大とか一橋の学生は、就活の対象とはしていなかった。

むしろ、吸収されて名前も消えてしまった旧トーメンは歴史もあり、有力高からも採用できていた。

このように、豊田通商というのは専門商社としてのイメージが強く、

ブランドやイメージを気にする学生からは総合商社とは見てもらえないところがあるのだろう。

 

また、親会社がトヨタであり、名古屋が本社というのも人気が無い原因である。

東京の学生は、都落ちは好まないからである。

3. 豊田通商の人事部の想い

「うちは学歴関係ないよ」、というのは東大生がわんさか集まる企業の余裕の発言であって、東大を一人も採れない企業の人事部が言っても負け惜しみにしか聞こえない。

 

ましてや、東大に限らず、京大も一橋も一人も採用できないというのは、

一応総合商社の一角である豊田通商からすると屈辱以外の何物でもない。

 

おそらく、この採用実績では、社内では人事部は役員からお叱りを受けているだろう。

このような状態が続くと、ブランド価値が低下し、国立上位校に限らず、他の有力校にも影響を及ぼしかねないので、来年は人事部としては何としても国立上位校を採用したいはずだ。

 

したがって、一橋生からすると大いにチャンスであり、豊田通商を会社訪問すると、熱心に対応してもらえるはずだ。

4. 決して悪くは無い豊田通商の待遇

7つの総合商社の中で、新卒採用においては惨敗している豊田通商であるが、

待遇は惨敗しているわけでは無い。

Vorkersなどを見ると、年収水準とかは大体推測できるが、基本的に5大商社の8掛けである。

非5大商社から外れる双日とほぼ同様である。

 

例えば、5大商社が入社3-4年目で1000万円近くに達する時には、700-800万円、

5大商社が30歳位に1200-1300万円になる時は、1000万円位、

5大商社が課長になって1500-1600万円になる時は、1200万円位、

といったイメージである。

決して低い水準ではない。

また、住宅手当も、双日よりは充実している模様である。

 

もっとも、留意点としては、上になるにつれ差は拡大する傾向になる。

5大商社で部長になれば、3000万円位が期待できるが、

豊田通商の場合には、2000万円に達しない模様だ。

しかし、部長は遠い先の話だし、なかなかなれないので、気にする必要は無いのではないか。

 

また、豊田通商の場合は、海外勤務の機会に恵まれ、その場合にはかなりの厚遇となる点は5大商社と同様なので、おすすめである。

 

5. メガバンクよりは遥かに転職力は磨かれる

総合商社というのは、普遍的な、業界横断的なスキルが身に付かないので、

転職力が磨かれない。

この点は、外銀や外コンとの大きな違いであり、総合商社系キャリアの最大の弱みである。

 

他方、メガバンクや生損保と比べると、遥かに転職力は磨かれる。

まず、何といっても、英語力やグローバルなビジネス経験は習得できるからである。

国内の規制業種で展開力の低いリテール業務が基本のメガバンクや生損保よりは、

遥かにビジネスマンとしての視野を拡げる可能性はある。

 

また、東大がゴロゴロいる社内競争の厳しい三菱商事三井物産とは違うので、

一橋生の場合は、配属に関しても希望が通りやすいと考えられる。

この点でも、メガバンクよりは優位である。

 

6. どうしても5大商社、財閥系商社が良ければ中途採用で狙えばいい

外銀・外コンと並ぶ、最難関の総合商社であるが、三菱商事三井物産などの5大商社からも若手の退職が少なくないようである。

そして、5大商社はどこも中途採用をやっており、20代であれば入れるチャンスは十分にある。

 

5大商社と業務内容が最も近いのは双日豊田通商であろうし、学歴が一橋であれば、

OBも多いので、中途で採用される可能性は十分にある。

 

業種が変わらないが、もし総合商社としてのネームバリューが気になるのであれば、

20代のうちに、中途で狙いやすいというのも豊田通商の魅力だ。

(もっとも、居心地は良さそうで、わざわざそこまでする必要は無いかも知れないが)

7. アップサイドを狙うとすれば、ネット系或いは起業?

総合商社のキャリアにおける問題点は、転職力が弱いことである。

英語力とか、スケールの大きなビジネス経験、社内におけるリソースの多様性等、

基本的なビジネス力は醸成されるのであるが、業界横断的に使える普遍的な専門性が習得できない。

 

もちろん、総合商社は基本的に終身雇用であり安定性は非常に高いのであまり気にする必要は無いかも知れないが、アップサイドを狙いたい場合には、別途対応が必要である。

30歳を過ぎれば、途中で外銀や外コンに転身するのはまず不可能であるので、

アップサイドを狙うとすれば、ベンチャー系でストック・オプションを狙うか、

自ら起業を狙うことになる。

 

もっとも、商社の本業は卸売り、トレーディングであるので、基本的にこういったスキル・経験はネット系ベンチャーや起業と結びつくものではない。

 

そこで、方策としては、新規事業とかIT系の部門を狙うことである。

そういった部門に配属されない場合には、自らネット系の人達とネットワークを構築し、情報収集していくのが先決だ。

ネット系ベンチャーへの就職においては、ネームバリューはあるのでポテンシャル採用

をしてもらえる機会はあるのだろうが、30歳を過ぎれば厳しくなるし、

年収ダウンも否めない。

 

このあたり、自分のキャリア形成をどうして行くかについては、25歳、28歳、30歳と、

節目ごとに考察していかねばならない。

 

まとめ

一橋生は大手志向が強いのは理解できるが、総合商社の方がメガバンクよりも、

遥かに将来性は高いのではないだろうか?

双日豊田通商に、採用実績程の差は無いはずだし、他の優良校の学生が見向きも

しない現状はチャンスである。

会社訪問、OB訪問をして、検討する価値は十分あるだろう。