高学歴の学生が最短で年収1000万円を狙うにはベンチャー企業が面白い理由

今私が大学生だったら、どこに就職したいか?

現在既に成功しているビジネスマンに、この質問をしたら面白いと思う。

会社名以上に、その理由が個性的で大変参考になるだろう。
newspicks.com

山崎元さんは、ゴールドマン・サックスを選ぶというけど、まずどういう学生かを設定しなければ始まらない…

エコノミスト山崎元さんは東大出身で三菱商事に新卒で入社された方なので、こういうコメントをされているが、普通、「高学歴」というだけでゴールドマン・サックスに入社できるものではない。

どこでも入社できるとしてしまうと、ゴールドマン・サックスとかマッキンゼーで話が終わってしまうので面白くない。

そこで、以下の「普通の」高学歴の学生を想定した。

 

〇学歴は、早慶上智ICU旧帝大(除く、東京一工)+横国、筑波、神戸

〇英語(留学/帰国子女)、体育会とかは無し

 

これであれば、母集団も結構大きいし、選択の幅が広い。

もちろん、MARCHの上位層も同じように考えることは可能である。

いつかは1000万円であれば、難しくない

こういった学生であれば、普通に大手に就職できるので、いつかは1000万円というのは難しくない。

ただ、「なるべく早く」1000万円に到達したいというのがポイントだ。

「じゃあ、結局、メガバンク、大手生損保あたりが一番早いよ!」ということだが…

早くに1000万というのであれば、内定ほぼ不可能な外銀・外コンを除くと、メガバンクと大手保険会社であれば、30歳くらいで到達できるじゃないかということである。

銀行や保険はAIで仕事無くなるとか、海外で稼げないので国内市場が縮むばかりと、将来性を不安視されながらも、就職人気ランキングで今でも高位なのは、このあたりの割きりであろう。

実際、銀行や保険会社がすぐに無くなるわけではないし、これは一つの合理的な選択肢であろう。

さらに、1000万到達時点がやや後退しても、より安全性の高い企業を選びたいという学生は、通信キャリアやJR各社などのインフラを狙うのであろう。

このあたりの考え方については、否定しない。

しかし、高学歴の学生の中には一定数、リスクを取っても勝負したい人たちも一定数いるはずだ

外銀とか外コン、ましてや起業なんて、自分には自信がない。

しかし、自分は高学歴な優秀層には該当するという自負があるという学生たちは、普通に金融やインフラを狙う。

他方、高学歴でそこそこの優秀層の学生の中には、リスクを取っても勝負したい、20代で1000万円は実現したい、1000万ではなく1億欲しいという生徒もいるだろう。

そういう学生には、ベンチャー企業がおススメだ。

ベンチャー企業には、サイバーエージェントなどの上場大手は含まない

なお、ここでは「ベンチャー企業」の定義が重要である。

ベンチャー企業にはいろいろあるが、ヤフー、サイバーエージェントDeNA、グリー、Mixi、メルカリなどの大手は含まない。

このような会社は、新卒で入っても給与水準は特に高くはないし、完全に組織化されてしまっているので、業務範囲、裁量権なども大企業かされており、狭義のベンチャーでは既になくなっているからである。

小さいところでも、上場してしまったベンチャー企業は対象外

また、ここは議論の余地があるかも知れないが、クラウドワークス、Crooz、アカツキ、グノシー、HEROZ、アトラエ等のベンチャー企業は対象外とする。

最大の問題点は、上場してしまったためにストック・オプションの妙味がほとんどないからである。

また、サイバーエージェントやグリーなどの大手ベンチャーと比べると、給与水準は総じて低く、ネームバリューでもインパクトに欠ける。かといって、人もそこそこ採れているので、役員に気に入られて一気に出世というパターンも見出しにくい。

このクラスは、リスクとリターンが見合わないのだ。

他方、本当にい小さいドベンチャー企業は「一部の人」にはおすすめ

もっとも、小さいベンチャー、具体的には従業員数が10人にも満たない、本当のベンチャー企業は「一部の人」には本当におすすめである。

物凄く多くの他ではできないビジネス経験ができるし、実績が出せれば給与の大幅アップも可能である。

また、小規模でも上場してしまうと、安心してすぐに人々が集まってしまうが、こういう本当のベンチャーが優秀な人材を採用するのは極めて困難であり、手ごわいライバルがほとんどいないというメリットがある。

しかし、もちろんリスクはある。一人で何でもかんでもやるのが嫌いな人や、どぶ板営業ができない人には不向きだ。また、変な上司が突然やってくる可能性もある。

これらの詳細については、過去記事をご参照下さい。 

blacksonia.hatenablog.com

面白いのは、シリーズA以降の段階にあり、1億円以上の出資を受けたベンチャー企業

狙うは、ドベンチャーではないが、まだIPOは達成していない、非上場の中では大手の部類に入るベンチャー企業である。

もちろん、例外的に、メルカリやプリファードネットワークスのような非上場でも想定時価総額1000億を超えるユニコーン企業は含まないものとする。

従って、このカテゴリーも相当範囲が広く、ビットフライヤー、Freee、Sansan、ランサーズといったあたりである。

具体的な企業リストについては、こちらの過去記事をご参照下さい。 

blacksonia.hatenablog.com

IPOを目指すそこそこのベンチャー企業が狙い目な理由

最大の理由は、ストック・オプションをもらえる可能性があることである。

ベンチャー企業の場合、IPOしたからといって、すぐに給与水準が上がるわけではない。先行者利得をストック・オプションの形でしっかりともらうことが重要だ。

それから、まだまだこの段階だと規模は小さく、優秀なライバルも少ない。

したがって、自分自身が活躍できる余地が大きいからである。

かといって、ドベンチャーよりはまともな組織であることが多いので、そこそこのバランス感をもって、活躍できる余地があるのだ。

もちろん、大手ベンチャーと比べるとリスクが高い

もちろん、このカテゴリーのベンチャー企業は成功裏にIPOまで到達する保証はない。また、IPOではなくM&AによってEXITする可能性があるので、その場合にはストックオプションの内容に留意しなければならない。

もちろん、外資系と同様、上司と合わないと他に転勤先がないから転職せざるを得ないという問題もある。

しかし、高学歴な場合には、新卒ベンチャー⇒大手企業という途もある

これはサンプル数が少ないので、意外に認識されていないが、高学歴な学生が新卒でベンチャー企業に行って数年働いた後、日本の大手企業に転職するというのは十分に可能性があるのだ。

日本の大企業の場合は年功序列で立派な研修システムがあるので入社数年間はそれほど大した仕事はしない。従って、24-25歳位の社員はぬるま湯育ちであるし、これといったスキルが身に付いているわけでもない。

他方、ベンチャーにいると仕事量は多いし何でも自分でやらなければならない。クライアントは小さい会社かも知れないが、社長レベルに接することができる。

したがって、ベンチャーにいると否が応でももまれるので、大手の同年代よりもしっかりするのだ。

このあたりは、面接すると一目瞭然であろう。

また、ここがポイントなのだが、「高学歴」というのが重要な意味を持つ。

何故なら、高学歴⇒新卒ベンチャーというのは、大手に落ちてベンチャーとは見られないからだ。良く働きたいからあえてベンチャーに行ったという風に思われるし、実績もアピールしやすい。

 

従って、リスクはあるのであるが、若いうちの転職であれば、ベンチャーの経験を活かして大手に行くことも十分可能なのだ。

 

このように、誰にでもおすすめできる途ではないだろうが、高学歴かつ勝負したいという学生にとっては、IPO前のベンチャーというのは検討してもいいのではないだろうか。