茨城ロボッツの強化には年俸総額上昇が有効だった?グロービス堀学長の再建の5原則
東洋経済オンラインのMBA学長によるバスケチームの再建記事より
弱体チームの再建策は、スポーツと戦略論が融合する分野であり、人々の関心を引き寄せるテーマであるので、海外でも国内でもメディアが取り上げるテーマである。
野球だと楽天(最近は低迷しているが…)と広島、サッカーだとジャパネット高田によるサガン鳥栖の強化策が良く知られていると思う。
日本ではまだまだマイナーなプロスポーツであるが、バスケットボールのチームにおいても弱体チームの再建というストーリーがあるようで、経済誌の東洋経済が自社メディアで取り上げていた。
チームの強さと最も相関関係が強いものが選手の年俸総額?
この東洋経済オンラインの記事によると、グロービスの堀学長が弱体チームの再建に向けた諸施策を採るのであるが、調査の結果、チームの強さと最も相関関係が強いのが年俸総額だという。
これは、阪神タイガースファンの私としては少々意外な事実であった。
プロ野球、特にセリーグを見てみると、近年ダントツ強いのが広島で、お金をかけているにも関わらず低迷しているのが阪神と巨人というのは明らかだったからである。
実際調べてみると、この通り、チームの強さと年俸総額はプロ野球の場合には相関関係がなさそうである。
もっとも、極端に年俸総額に差があると強さにも影響するのかも知れない。
ただし、プロ野球でセリーグの場合、年俸総額トップの巨人が約46億円で、セリーグ4位の広島が27億円なので、その差は2倍も無い。
他方、プロバスケットボールの1部リーグトップのチームの年俸総額は3億円であるのに対し、当初の2部リーグ下位の茨城ロケッツは4000万円程度だったそうなので、その差は7倍以上であった。
これぐらい差があると、どうしようもないということかも知れない。
年俸と組織の強さの相関については、営利企業でもあてはまるのではないか?
年俸と組織の強さについては、企業についてもあてはまるのではないか?
企業の競争力、収益性、株価といった指標で高い評価を受けている企業は、総じて高給の会社ではなかろうか?
例えば、こちらは退職者の満足度ランキングであるが、大体従業員からの満足度が高い企業は競争力が高く給与水準が高い企業ばかりではないだろうか?
日本のベンチャー企業が伸び悩む原因の一つは年俸水準の低さではないか?
日本のベンチャー企業でIPOに成功し、それなりの企業規模まで成長したベンチャー企業は企業数でみるとそれなりにあるだろう。
しかし、アメリカのような経済界を引っ張っていけるような企業はまだまだ少ない。
学生の就職人気ランキングを見ても、商社、金融、インフラ系が上位を占めていて、ベンチャー企業があまり入っていないのは給与水準で負けているからではないか?
別に現金ベースの給与でなくてもいいので、ストックオプションとかを駆使して、いい人材を集めることができるよう、ベンチャー企業も再考すべきではないだろうか。