20代の銀行員がベンチャー企業への転職を考える前に、どういったベンチャー企業が自分に向いているか、企業選びを十分にすることが重要。

転職エージェントが提示したベンチャー企業群のみでは不十分

転職するに際して、どういうポジションがあるかについて転職エージェントに相談するのだが、転職エージェントが提示してきた企業の検討のみでは不十分である。

それらは、転職できる可能性があると転職エージェントが判断した企業であって、それらの中に最適解があるかどうかはわからない。

ベンチャー企業が転職エージェントに依拠する比率は、大企業と比べて低く、大手の転職エージェントであってもほんの一部の求人情報しか持っていないからである。

また、転職エージェントとしては転職してくれないとフィーがもらえないので、そのポジションが求職者に適しているかどうかではなく、転職できるかどうかだけが興味になっているおそれもあるからである。

まず、採用されるかどうかを置いておいて、自分が純粋に行きたいと考える業種、企業名、ポジションを決定しておく必要がある。

そして、転職エージェントには、それに該当するポジションがあるかどうかを最初に聞くのである。ここで、転職エージェントがポジションが無いと回答しても、それはその求人情報が当該転職エージェントに無いだけであって、そのポジションが無いとは限らない。他の転職エージェントが持っているかも知れないし、Wantedly経由で募集をしているのかも知れないし、いい人がいたらそのポジションを作ってもいいと考えている可能性もあるからである。

ベンチャー企業にはいろいろな種類があり、20代の銀行員であれば転職力は高いから豊富な選択肢がある。

高学歴でハイスペックな銀行員の場合には、25-26歳だとポテンシャル採用してもらえる。転職理由のうち、銀行よりもインターネットビジネスとか新規事業系をやりたかっという職種に関するものがメインであれば、ベンチャー企業とは言わないかもしれないが、リクルートサイバーエージェント、ヤフーあたりは狙い目である。待遇とか給与水準、ステイタスで見劣りしないので、リスクが低い。

もう少し、新規事業とかベンチャー色が強い方が良ければ、楽天、LINE、グリー、DeNAMixi、ZOZOあたりもある。(もっともゲーム系が嫌いな人は、グリーやモバゲーはダメだろうが)。

次は、上場しているかどうかが分岐点となる。

ベンチャーの場合、情報開示、内部統制、資金調達といった観点から、上場しているかどうかでベンチャー度合いが大きく異なる。また、一旦上場してしまうと、ストックオプションとかの妙味が無いので、リターンも少ない。

楽天やヤフーは大きすぎるけど、未上場は少し気持ち悪いというリスク許容度の銀行員

は、上場ベンチャーという手もある。このカテゴリーは規模、業種等において選択肢が多い。スマートニュース、グノシー、NewsPicks(ユーザーベース)、フリークアウト、クラウドワークス、アカツキWantedlyアトラエ、などなど沢山ある。

非上場となるとストックオプションの妙味もあるが、狭義のベンチャーに近く、いろいろと大変である。

さらに、非上場でもOKとなると、いよいよベンチャーらしくなる。ストックオプションをもらえる可能性があるし、タイトルももらいやすいし、無事IPOできると実績になるという大きなリターンもある一方、現金給与は期待できないし、組織は未成熟で一人で何でもかんでもやらないといけない。また、外部環境の影響を受けやすく、そもそもIPOまでたどりつくかどうかはわからない。

 

20代の銀行員がベンチャー企業を狙う場合、非上場でもOKとすると、面白い機会があるだろうが、リスクも十分高いことを覚悟しなければならない。

リスク耐性は、結婚しているかどうかとか、自分の金銭感覚とか、保有資格とか多くの点から冷静に判断し、何が自分に適しているか十分な自己分析が必要となろう。