20代の銀行員が転職によるキャリアチェンジを考えるのであれば、メルカリの金融子会社は面白いのではないか?
メルカリは金融事業を本気でやりたいようだ
今週の週刊ダイヤモンドはメルカリ特集だし、ダイヤモンド・オンラインでもメルカリの報道に熱心である。
その中で、メルカリの金融事業についてもメルペイの青柳社長のインタビューを含めポジティブな取り上げ方をしている。
若手の銀行員がメルカリの金融部門に行くと得られるもの
若手、特に20代であるが、銀行員がメルカリの金融部門であるメルペイ或いはその傘下の企業に転職することによって得られるものは何だろうか?
一言でいうと、「ネットベンチャー業界への切符」なのであるが、もう少し分解してみると、以下のスキルと経験を習得するチャンスが得られると思う。
①ネットベンチャー事業における業務経験
②フィンテック事業における業務経験
③「メルカリ」という日本のネットベンチャーのトップ企業にいたという職歴
④(もらえるのであれば)ストックオプションによる経済的なメリット
ネットベンチャー企業にはいろいろあるが、特に今最も注目されているメルカリに行くと、「メルカリでの職歴」と「フィンテックのノウハウ」という2つの職歴/スキルを得ることができるところが、今後のキャリア形成において大きい。
銀行員がメルカリの金融部門に転職することによって失うもの
最も大きいのは「目先の年収が減ること」だろう。
メルカリは年収についてはフレキシブルで知られているが、ポテンシャル採用で銀行員が入社する場合には、今の年収よりは下がるだろう。
それにもらえるとしても、多額のストックオプションは期待できない。
もっとも、他のベンチャーと違って、メルカリの場合だとネームバリューが銀行と比べて落ちるということはないのではないだろうか?
そもそも、若手の銀行員はメルカリの金融子会社で採用されるか?
このようにメルカリの金融子会社であるメルペイはありとあらゆる職種について採用をかけている。もちろん、人気があるポジションであるが、20代の銀行員であれば、うまく転職エージェントを使えたら面接まではたどり着けるチャンスはあるだろう。
ポジション的には、コーポレート部門しかないだろう。
面接をクリアするためにしておくこと
メルカリの場合、経営理念の共感を極めて重視する。メルペイの場合であれば、キャッシュレス社会について如何に夢を語ることができる、そして、それについて役員クラスと話が盛り上がるかどうかが採用のカギとなるだろう。
従って、テンセントやアリペイなど、中国のキャッシュレス社会の状況をネット等で拾って勉強し、それをメルカリは日本でどのように実現できるかを自分の言葉で表現できなければならない。
また、ライバルである楽天やLINEの動向を踏まえた上での競争戦略について語れるようにしておくべきだろう。
サイバー・セキュリティについても関心を持とう
メルペイについては銀行員を始めとする金融機関の人間には大いにチャンスがあると思う。その理由は、募集要項に「…さらに深く、確実性とち密性を持つ人物がmerpayに向いています。」とはっきり書いてあるからだ。
何故かというと、「merpayが金融業を始めるにあたり、キーワードとする言葉は「信用」と「安全」です。仮想通貨をはじめとした新しい金融サービスの安全性が話題になる中、この二つは金融を扱うmerpayで働くためには欠かせない大前提。」と書かれているからだ。
今回Zaifのハッキング事件があったので、ますますサイバーセキュリティについての意識は高くなるだろう。
ITの専門家でなくとも、コインチェックとビットフライヤーの行政処分や金融庁の監督指針をしっかり読んで、サイバーセキュリティの話題で盛り上がるようになれば、他の候補者に差別化できるだろう。
メルカリの金融子会社は、新たに勉強しなければならないことは若手の銀行員にとって多いだろうが、その分大きなものを得られる可能性がある。
20代でキャリアチェンジを考えている銀行員は、挑戦してみることをおすすめする。