退職者の満足度が高い企業ランキングを見て、就活や転職の際に参考にできること。

 

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ぱっと見て、あまりにも就職偏差値通りで、つまらないと思ったが…

こちらのNewsPicksの記事で、データはVorkersが実施したもの。

母集団は、退職者からの口コミ投稿がVorkersに30件以上ある124社なので、相当程度限定されている。このためランキング下位だと必ずしも上位とは言い切れない面もあるし、退職者数が少ない相対的に小規模な会社も母集団に入っていない可能性がある。

このランキング上位の会社は、グーグル、P&G、マッキンゼーゴールドマン・サックスと、各業界のトップ企業が並んでおり、あまりにも就職偏差値通りで面白みがないかと一見すると思われる。

要するに、いい会社=入るのが難しい会社、ということで「穴場」となる狙い目の企業が見つからないかと思った。

しかし、よく見ると新たな発見も…

しかし、よくよくランキングを見てみると、「おや?」と気づくこともある。

ここでの企業は各業界のトップ企業がせいぜい2位までの企業のみが選ばれていることが多く、業界2~3番手以下の企業が入っていないケースが多いのではないか。

例えば、就活で最高難度の外資コンサルティングであるが、マッキンゼーとBCGはランクインしているが、ATカーニー、ベイン以下は入っていない。

また、外資コンサルティングといっても若干カテゴリーの異なる会計事務所系である、アクセンチュアとかPwCコンサルティングとかは一切ランクされていない。

外銀についても、ゴールドマン・サックスは4位だが、JPモルガン(ここは業界2位といえるかどうかわからないが…)が19位にかろうじて入っているが、就職難度が最高レベルの他の外銀、例えば、UBS、バークレイズ、パリバ、シティグループモルガンスタンレーあたりは影も形も無い。

国内系金融機関は面白い結果に

それから面白いのは、今でも就職偏差値が高い大手国内系金融機関の評価が低いことである。

金融業なのでどこも同じような仕事内容であるにも関わらず、

証券業だと野村證券だけかろうじてランクインし、大和証券SMBC日興証券みずほ証券などはランクインしていない。

損保も東京海上がギリギリランクインだが、三井住友海上とか旧安田火災などはランクインしていない。

もっとひどいのが生保で、業界ダントツトップの日本生命すらランク外である。

それから、極めてわかりやすいのが、メガバンクを始め銀行は全てランク外であることである。政策投資銀行とか日本銀行とか、退職者の母集団が少ないのかもしれないが、就職偏差値が超上位でも入っていない。

それから、いわゆる国内を代表するネット系企業が入っていない…

給与水準が高くないからか、国内系のネット系企業が一切ランクに入っていないのは少し以外である。この調査は2007年7月から2018年8月までの長い期間を対象に実施しているし、ネット系企業は退職者数も多いので母集団に入っていないということはないだろう。

ヤフー、楽天サイバーエージェントDeNA、グリー、ZOZO、このあたりが全てランク外である。

製造業系で意外なのはキーエンス

高給な割には就職偏差値が高くないキーエンスであるが、意外にも10位と上位にランクされている。業種的に、それほど汎用性が高いスキルは身に付かないだろうし、ネームバリューが地味で転職力は低いと思われるので意外感がある。

就活でも転職でも、見直してみる価値はあるかも知れない。

就職人気ランキング上位でも、転職力が弱い企業はダメ?

就職人気ランキングが上位でも、終身雇用が魅力で転職力が低い企業はランク外なのはある程度納得できる。

終身雇用を想定して入社したものの、いざ会社を辞めるとなると、それより待遇が落ちるからである。

例えば、JALANA、JR、大手私鉄はランク外である。NTTグループもランク外である。退職者が相対的に少ないのかも知れないが、人気の消費者向けメーカーの、明治、花王資生堂サントリーもランク外。

 

結局は、転職しても年収やタイトルが下がらないようなスキルを習得でき、その会社のネームバリューが高い会社が強いということか?

母集団が十分ではない可能性があるのでうのみにはできないが、就活や転職に際して、何らかの示唆を与えてくれるランキングではないだろうか?