外資系も国内系と同じ。新卒入社で3年以内に辞めるのはキャリアダウンに繋がり易いので要注意である。

外資系でも転職回数が増えれば増えるほど転職の時には不利となる。

外資系企業で働いたことが無い人に限って、「外資系の場合には、転職回数の多さは問題にならない」と勘違いしている人がいる。

これは誤った情報である。確かに、転職回数が1回や2回で不利になることは無い。

しかし、それは程度の問題で、転職回数が5回を超えると、だんだんと事情は違ってくる。

外資系といっても、職務経歴書の審査をするのは日本人であることが多い。

外資系の場合でも、業界や規模によって異なるかも知れないが、採用の決定権を握るのは日本人であることが多い。もちろん、その人たちは帰国子女や海外勤務経験者ばかりではないので、国内系企業と似たような価値観の人も少なくない。

したがって、転職回数が多いとそれだけでレジュメ(職務経歴書)はゴミ箱行きになってしまうこともある。

※ちなみに転職回数と転職については、こちらの過去記事をご参照。
新卒の場合にすぐに辞めると特に不利益の度合いが大きいということは無いが…

「新卒の場合は、石の上にも3年だから少なくとも3年は辞めるな」ということは、必ずしも正しいとは限らない。

特に、投資銀行とか外資系コンサルの場合には、新卒入社後2年程度で辞めてもその後成功しているケースはある。

しかし、だからといって、安易に辞めるのは感心できない。

新卒の場合には、優良な外資系企業ほど優れた研修プログラムが用意されているし、仕事における期待やプレッシャーは他のシニアスタッフと比べて当然小さい。

最初のぬるい3年間でさえ持たないのかと思われても不思議ではない。

短期退職の負のスパイラルに注意を

転職活動において、一回短期で退職してしまうと、その次も短期で退職してしまう負のスパイラルがある。

どういうことかというと、短期で辞めるのは好ましくないというのは誰でも意識している。しかし、それにも関わらず短期で辞めたいというのは、よほどその会社にいるのが嫌だということである。このため、じっくりとした幅広く長期的な視野に立った冷静な転職活動ができない。

そうなると、最初に決まった、そんなに行きたくない会社であっても十分に吟味することなく、「とにかく今の会社を辞めたいから、妥協してここに転職しよう!」という考えに陥りがちである。

すると、妥協して転職した会社なので何かしらの不満はあり、またそこでも早く辞めたいと思うようになる現象が短期転職の負のスパイラルである。

若い段階で、こういった悪い癖は付けない方が良い。

社内異動によって問題が解決するのであれば、その手もある。

外資系企業の場合でも、辞意を上司に伝えた場合、カウンターオファーとして社内異動を打診される場合もある。

一般論としては、退職を決意した場合にはカウンターオファーは受けるべきでないのが原則だが、新卒入社の会社の場合にはそれもありだ。

例えば、P&Gに入社して1年で辞めてしまえば、どういう言い訳をしてもキャリアにならない。しかし、慰留されて他部署に行って合計5年在籍できれば立派な次につながるキャリアとなる。外部からは慰留されて異動になったなんてことはわからない。

また、結局辞めることになったとしても、外資系の場合は特にあとくされは無い。

そういうことで、転職カードには枚数制限があるので、新卒入社した会社を辞める時も安易に辞めることなく、計算した上で行動すべきである。