大学院を使ったいわゆる学歴ロンダは、転職において有効か?

結論的には、年齢、対象ポジション、採用キーマンの好みによって異なるが、マイナスになるとは考えられず、無駄ではないのではないか?

これは、MARCHと日東駒専の間位の東京の私立大学経済学部を中退した人から、相談された質問である。彼は当時28歳位で税理士資格を持ち、都心の有力な会計事務所で法人税の業務に従事していた。

彼は国内系証券会社の投資銀行部門に中途採用で入社することを希望していたが、「大学中退」がコンプレックスであった。日本の大手金融機関は、コンサバなのでそのあたりを気にするのではないかということだ。

夜間の社会人向けのビジネススクールMBA)は取得しやすい。

もっとも、彼は会計事務所で働きながら社会人向けのビジネススクールMBA)に通い、卒業することができたので最終学歴は大学院卒となっていたのだ。

彼はそれを履歴書に記載すべきか否か悩んでいたのだ。

もともと、中途採用は職歴重視なので学歴の重要性は低いのだが…

中途採用の場合には、職歴・実績が重視されるので、学歴の重要性は新卒採用の場合と比べると遥かに小さい。したがって、本来は気にすることもないのであるが、20代対象のポテンシャル採用となると、ある程度学歴も参考にするので、それをどう考えるかが問題となる。

しかし、学歴は事実をありのままに記載すべきであるし、コンサバな日本企業といっても働きながら大学院に通うこと自体はマイナスとならないだろう。

大学院よりも、気になるのは「中退の理由」

日本企業のコンサバな大企業の場合、個性よりも協調性を重視することは珍しくない。

簡単に卒業できる日本の大学を卒業しないのは、社会的な適合性が弱いのではないか、協調性に欠けるのではないかというのが人事担当者の気になる点だ。

そこは、中退の理由を整理してきっちりと説明すればそれほど気にすることはないだろう。

大学院に行った理由を、大学中退をカバーするためというと謙虚で印象が良くなりやすい

そして、大学院に行った理由を、「大学の時にまともに勉強できず、社会人になって後悔したので、それをカバーするために大学院に行きました。ですから私の場合は、ようやく大学卒業レベルです。」と話せば、謙虚だし説明がつきやすいのではなかろうか?

日本企業の場合には、「中退の何が悪い!」というよりも「(若気の至りで)中隊して反省しています。」というスタンスで言った方が好感度が高く賢明だろう。

中退と比べるとFランクの学歴は問題となりにくい。気になるのであれば、通いやすい社会人向けの大学院に行けばいいのではなかろうか?

結局、彼も書面も通過したし、上記のような説明で面接も問題がなかった。

学歴は必要以上に本人が気にしたりコンプレックスになっていたりする場合が多いが、そうであるならば、気にせず大学院でロンダすべきだ。

特に、外国人は修士号を重視するし、日本の大学は知らないので使える場合がある。

外資系企業において、外国人はそもそも日本の大学名とかは気にしない上、修士号を評価する。したがって、早稲田とか慶応のMBAコースはおすすめだ。

(もっとも、慶応のMBAは夜間がないので、お金に余裕がある人対象。)