安定しているはずだった製薬業界や銀行でも不安が出てきた。そもそも、リストラに最も強い業種って何だろうか?

安定性を優先した就活を行っても将来はどうなるかわからない…

就活をする際は給料の高さやカッコ良さよりも安定性重視で選ぶ学生もいるだろう。

しかし、変化の激しい現代社会では、将来はどうなるかわからない。

最近では、製薬業界とか銀行でもリストラ不安の問題がでてきている。

また、7年前には原発の事故により、ここだけは絶対無くならないと誰もが思っていた電力会社でさえ存続の危機になった。

その企業がダメでも転職力が高いとOK

従って、「安定性」を考えるにあたっては、その業界や企業レベルだけで考えるのは不十分で、その企業がコケても同業他社に移りやすいか、また、その業界がコケても他の業界に移る力があるかといった転職力も加味しなければならないだろう。

外資コンサルとか外銀とかは一例で、その企業で定年までいるということは通常考えられない反面、クビになってもいくらでも行くところがある(年齢にもよるが…)ので安定性は高いと言えるかも知れない。

業界レベルでの安定性を、とりあえず、東証33業種分類に沿って考えてみる。

証券コード協議会 : 業種別分類項目及び業種コード

こちらは証券業界で長年使われている業種分類である。水産・農林業からサービス業まで33業種に上場企業を分類している。

これで見ると、特殊だが、トップバッターの水産・農林業は安定していないかも知れないが、今後伸びていく可能性はあるので意外と転職力はあるかも知れない。

金脈でも見つかればいいが、鉱業は厳しいだろう。

建設業は安定していないが、企業数は中小まで含めると多く、どっかしらでは働けるかも知れない。

厳しいのが製造業である。食品とか一部の自動車、精密機器とかは安泰のようにも見えるが、いざ企業がダメになった場合には行くところが見つかりにくいだろう。

例えば、キリン、味の素、資生堂トヨタ、キャノンあたりは人気があるけど、業界を超えた転職力まで身に付くとまでは言えない。

日本の誇る産業であった電気業界は、ソニーが復活してきたとは言え、国際的に競争が厳しい世界で先は読めない。他方、転職余力が高いとは言えないのではないだろうか。

電力・ガス、運輸、通信などのインフラ系は安泰か?

安泰なはずだったが、原発事故の問題以降、このあたりでさえ安泰とはいえなくなった。多分大丈夫な気もするが、カルチャー的にもスキル的にも転職力は身に付かなそうである。

金融はこれからますます厳しい…

地銀は特に、これから厳しい。スルガ銀行が新しい生存モデルを示したかと思いきや、あのような大不祥事になってしまったから、生き残る術が見つからない。

損保も長期的には少しずつ収益基盤が縮小していくおそれがある。自動運転が本当に普及すると、主力の自動車保険がやられかねない。

意外に不安定な安定があるのは、サービス業の中の外食、IT?

個々の企業や業界は不安定かも知れないけど、その仕事自体は無くなりそうも無いのが、外食とITではないだろうか?

ITはいい意味でスキルがあれば、業界を超えてどこでも行けるだろう。

反対に、ローテクなスキルかも知れないが、外食業に詳しいと今いる会社がダメになっても、その時に流行っている会社に移れるのではないだろうか?

こうやってみると、ITが将来を見たときに、一番転職力があるように思える。

もちろん、ITといってもコーディングができるエンジニア層或いはそれに関連する職種だ。人事とかでもエンジニア採用に強いと、競争力はあるだろう。

学生の間でもSierとかはそれなりに評価されているが、よくよく調べてみると、掘り出し物の会社が見つかるかも知れない。