外資系企業の面接において質問は超重要。英語対策も含めて、必ず事前に準備しておくべき質問項目3パターン。
外資系企業における外国人との面接において、質問が超重要な理由。
国内系企業の場合にも面接の最後に質問コーナーがあるが、外資系企業の場合には特に重要である。その理由は以下の通り。
①質問することによって、企業やそのポジションに対する知識・関心度を示すことができる。外資系企業の場合には積極性が評価の対象になるので、「質問は特にありません。」では興味が無いものと思われ落とされてしまう。反対に、するどい質問や良くしらべているなという質問をすれば、自分の評価を上げることができる。
②質問は、業務内容から少し離れた項目や面接官である外国人のキャリアなど、幅広い事象について会話をすることができる。このため、経験・能力だけでなく、自分自身の性格・パーソナリティをも誇示することができるので、「いい奴」と思ってもらえるチャンスである。国内系・外資系を問わず、「一緒に働きたい」と思われることが前提である。
③質問は、面接の最後の方で行われる。従って、最初に話した話題よりも記憶に残りやすく、面接での印象が良いと全体の印象が良くなりがちである。反対に、それまで順調にいっていても、最後の質問でコケたり盛り下がったりすると全体の印象が悪くなってしまうこともある。
外国人との面接の前に予め用意しておくべき質問の3パターン
①業務・当該ポジションに関する具体的な項目
これは、採用対象のポジションに関する具体的な質問事項である。
自分がそのポジションについて具体的に真剣に考えているということを示せればいい。
外資系企業においては、海外での事例を質問事項に取り入れると、見栄えのする質問になりやすい。以下、いくつか例示してみる。
〇(営業職のポジションについて)
日本では乗用車のディーゼル車の普及率が低く、その魅力をいかにして伝えていくかが販売上の課題になるかと思いますが、中国(アメリカ)でディーゼル車を導入した際にはどのような施策が奏功しましたか?また、その際に苦労した点は何でしょうか?
⇒下線のところでは、意図的に本国で成功した事例を質問事項に取り入れてみるのがポイント。そうであれば、外国人の面接官も話しやすいし、成功事例だと得意になって気持ちよく話してもらえる可能性が高い。
〇(人事部門のポジションについて)
日本では今日、働き方改革が政府主導で展開され、勤務条件・制度等について変革していく必要があります。例えば、副業についてアメリカの場合はどのような法規制や慣行があるのでしょうか?その規制や慣行の存在によって最も制限を受けて閉まう社内制度について教えて下さい。
⇒金融、製薬、通信等のような規制業種の場合には、規制によってビジネスモデルや社内のオペレーションが異なる場合がある。比較的簡単に作りやすいのは、日本と本国との間の規制の違いを質問事項に織り込んでみるのは一つのパターンである。
〇(フィンテック系企業の場合)
日本の場合、ロボアドバイザー市場は業界トップで預かり資産がようやく1000億円を超えたばかりです。アメリカでは黎明期から預かり資産1兆円までに採ったプロモーション策でどのようなものが有効だったでしょうか?(或いは、アメリカでは既存の大手がシェアを急拡大しましたが、競合に対してどのような対応策が有効だったでしょうか?)(或いは、アメリカでは高株価が続いていましたが、それによって投資家の関心が株式市場に向いていた点は、プロモーション上の足かせになったでしょうか?)
⇒業種を問わず、日本と外国とでは、経済環境、当該市場の成熟度、競合の動向等の外部環境が異なるので、その違いを反映させた質問は全うな質問であり、外しにくい。
②組織・マネジメントに関する質問
2つ目の用意しておくパターンは、組織・マネジメントに関する質問である。
アメリカ人のMBA取得者のエリートの場合は、「マネジメント」に対する意識が日本より高い。だから、こちらが自分のマネジメント感について質問されたりすることも多いので要注意である。
典型的なのはこのパターンで、普段から何も考えないと答えられず行き詰る日本人も多いので自分なりの回答を用意しておこう。
〇あなたの考える「リーダーシップ」とはどのようなものか?
〇あなたの部下に対する「マネジメント」スタイルについて説明して下さい。
「リーダーシップ」「マネジメント」はキーワードなので、自分の考えを準備しておいた方がいい。「リーダーシップ」については、この本が参考になる。本のタイトルは「採用基準」だが中味はリーダーシップの本である。自分は、リーダーシップについて聞かれたら、この通り話すことにしている。
https://www.amazon.co.jp/採用基準-伊賀-泰代/dp/4478023417
というわけで、上の質問を外国人の面接官に対して投げてみるというのが一つのパターン。
組織については、具体的でリスクも低いし、的外れな質問になりにくいだろう。
具体的なパターンはいくつも考えられるが、例えばこういったもの。
〇米国本社ではオペレーション部門の組織変更があってスリム化されたが、それによる不都合は生じていないか?また、日本への影響をどのように考えるか?
〇サイバーセキュリティの重要性が高まり、本社ではIT部門を強化し、先日〇〇からヘッドを招聘したが、それによってどのような変化がありそうか?
〇今回、あなたが日本の法務部門をカバーすることになったが、他のアジア諸国、例えば、シンガポールと比べて懸念事項は無いか?
組織やマネジメントに関する質問準備の留意事項は、相手が答えられる質問にすることである。従って、あまりにも細かすぎたり、日本特有の事象が絡まないようにすることが大切。
また、一度に長い質問を暗記して一気に吐き出さなくとも、小分けにして、第2、第3の質問として対応できれば良い。
③当該面接官である外国人自身の職歴、経歴、趣味等に関する質問
これは、日本企業での面接では必須ではないが、外資系の場合は結構有効であるし、簡単だ。だから、転職エージェントから、もらえるのであれば面接官である外国人の学歴や職歴はもらっておくべきだ。
〇あなたはゴールドマンサックスにいらっしゃいましたが、その後何故当社に来られたか、また、その違いについて教えて下さい。
⇒ここに客観的に良いとされている会社、事務所、学歴を入れれば良い。
良い職歴はその外国人も自負しているところだから、そこを喋らせると機嫌が良くなりがちだ。
〇あなたは当社に〇年と長くいらっしゃいますが、他社と比べて良い所を教えて下さい。
〇私はアメリカのTVドラマが好きで、NCISとかアメリカンホラーストーリーとかをケーブルテレビで見ています。好きなテレビ番組はありますか?
⇒こういうのも全然あり。趣味だと野球やサッカーもあるが、アメリカ人は野球やサッカーは意外に関心ないから要注意。でも、ドイツ人やイギリス人であればサッカーは必ず知っているはず。
また、「日本に来るのは何回目?」「滞在はいつまで?」といった簡単なものもエレベータートークで話したりするので、念頭に置いておいた方がいいでしょう。
最後に。英語で話せないと伝わらないので、事前に英作して準備しておくこと。
いくらいい準備ができても英語で話せないと意味が無いので、しゃべりやすい形に整理しておきましょう。