転職する場合、年収等の条件はオファーまでわからないことが多いので、最後まで頑張るべきである。

転職対象となるポジションの年収については、噂や転職エージェントの話はあてにならないことも多い。

人間は他人の年収や給与の話が大好きなので、特に同業他社のポジションの年収についてはいろいろな噂が出回る。また、転職エージェントも自らのネットワークを駆使して、ポジションと年収に関する相場観を持っている。

しかし、ふたを開けてみると、実際の年収は大きく違ったということは度々生じる。

何故かというと、こういった事情があるからである。

〇その時のグローバル経済環境と企業業績によって年俸水準は異なる。

 ⇒特にリーマンショックの前と後とでは大きく異なる場合も少なくない。

〇社長や海外の本部長などの決済権者によって、給与の配分が異なることがある。

年収が噂や転職エージェントの予想よりも多いケース

外資系金融のうち、ヘッジファンドや運用会社などの場合、日本の拠点は規模が小さいこと(5人~20人)も多く、情報が少ないから要注意である。

実際あったケースとして以下のものがある。

〇日本の拠点はずっと赤字で予算が無いと思われていたが、海外の親会社が儲かっているため、相場より明らかに高い年収が提示されたケース。

ヘッジファンドの運用以外のポジション(人事、経理コンプライアンス等)は、薄給だと知られていたが、相場よりも遥かに高額の年収が提示されるケース(ヘッジファンドは千差万別なのでオーナーの考え方一つ)

〇相場環境や規制環境の変化によって、突然給与水準が上昇していたケース

また、ネットベンチャー系も要注意である。ネットベンチャーの場合には、現金給与よりもストックオプションが重要であるので、それは外部から推察できないケースも多い。

年収が噂や転職エージェントの予想よりも低いケース

残念ながら、このようなケースも時々見受けられる。

その理由としては以下のようなものが挙げられる。

〇そのポジションについてもともと割高な人が就任していた。

〇噂自体がガセネタであった。世の中には見栄っ張りな人がいて、自分の年収を実際よりも高くみせたがる人もいるので、そのような噂が生じてしまう。

〇転職エージェントが楽観的な予想をしてしまう。或いは、意図的に高めの想定年収を候補者に話してしまう。転職エージェントは、とにかくオファーまでもって行かないと成功報酬がもらえないので、なるべく候補者には面接プロセスを最後まで進んで欲しいので、途中で抜けられないために高めの年俸予測をして引き留めるのである。

最後のパターンは自分も経験したことがあるので要注意である。転職エージェントの話はうのみにできない。

オファーで提示される年収パッケージが想定よりも低くてがっかりする場合もあるが、反対に思った以上に好条件の年収パッケージが出てくることも少なくないので、真剣に転職を考えるのならば、最後まで頑張るべき。

結局、結論はこれである。事前に正確な年収の予想をすることは難しい。よって、とりあえずオファーをもらえるまでは頑張るしかないだろう。

また、噂で年収が低いとされるポジションは競争が緩やかなので、応募してみるとオファーまでたどり着く可能性が高い。したがって、余力がある場合には、幅広に応募するのが良いのだ。