コンサルとベンチャーへの就職、どちらを選択すべきかについての考え方。本日の東洋経済ONLINEの記事を教材に考える。

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今日の東洋経済のキャリア相談の記事は、就職や転職を考える上でのヒントとなる。

時々東洋経済オンラインで、「非学歴エリートの熱血キャリア相談」というコーナーがある。今日のテーマは、就職や転職における企業選択の参考になると思った。

事例としては、中国出身の超エリートが、東大に留学し工学系の修士号を取得後、教育系ベンチャーに就職したがうまく行かず、国立大学の一部門に転職した。しかし、やはりうまく行かず、再び別の教育ベンチャー外資系戦略コンサルティングファームの2社からオファーをもらった。どちらを選択すべきかというものだ。

超エリートのうらやましいケースで関係ないようにも見えるが、汎用性の高い事例だと思う。要するに自分のやりたいこと、最終目標に直行するのがいいのか、或いは、一旦遠回りだけど間接的に関連す普遍性の高い能力を身に着けた後に本来やりたいことをやるのがいいのかという選択だ。

ここでは手堅い回答が紹介されている。

東洋経済オンラインでは、著者の安井氏は、「最短距離で突き進み試行錯誤の中で成長を図るか、遠回りを通じて経験の引き出しを増やし勝負するか、その違いだけです。」と、どちらがいいかを断言せず、あなた次第だというオーソドックスな回答を紹介している。

確かに、この回答自体は妥当なものであるが、私の考え方は少し異なる。

自分が相談されたとしたら、遠回りになるかも知れないけど、外資系戦略コンサルティングファームに行くことを勧めてみたい。

第1の理由は、過去の失敗例と彼の性格

このケースの主人公である中国出身の超エリートは、「ベンチャーかコンサルか?」について第三者に相談している。その時点で、ベンチャーには向かない可能性がある。孫さんとかメルカリの山田さんとか、典型的な成功するベンチャー経営者は確固たる信念に基づきやっているので、そもそも他人に相談などせずに突っ走るだろう。

したがって、第三者に相談するような手堅いタイプはベンチャーに向かない可能性がある。また、彼は一度新卒で教育ベンチャーに行って失敗しているので、過去の行動も考慮にいれる必要があるだろう。

第2の理由は、コンサルは保険として使える。人生は長いので、リスク管理も視野に入れるべきである。

2つ目の理由は、リスク管理の視点である。本記事の中で安井氏も言及されていたが、今コンサルに行ってから教育ベンチャーにはまた行けるけど、今ベンチャーに行ってしまうと年齢の関係から次にコンサルに行けなくなってしまう。

要するに、コンサルに行く方がリスクが低いのだ。それにコンサルは2-3年もいれば一通りのノウハウは付くし、事後有用なキャリアとして末永く使える。

人生は長いので、常に最短を求める必要はない。いくら頑張っても失敗することはある。よって、長期的な視点にたって、キャリアを考えることが重要なのだ。

特に、新卒における就職先の選択にあたっては、「長期」「リスク管理」という視点を重視すべきだろう。まだその時点では職歴は無いので、よくわからないのであれば、手堅い選択をするのが賢明とも言える。

もっとも、ベンチャー⇒全てリスキー、名のある企業⇒リスクヘッジ可能、というわけではないので、そこは企業名や配属可能先などについて十分吟味をする必要はあろう。