ロボアドバイザーは手数料だけではなく、サービス内容が重要である
高いという意見もある日本のロボアドバイザーサービスであるが…
米国と比べてまだまだ浸透度が低い日本のロボアドバイザーサービスであるが、その原因として手数料が高いという意見もある。独立系上位2社であるウェルスナビとTHEOの手数料率は原則1%となっている。
検索したところ、最も手数料率が低い日本のロボアドバイザーはエイト証券のクロエというサービスである。これだと手数料は0.88%である。
手数料の違いについてシミュレーションをしてみた
それでは、手数料の違いはどれほど重要なのだろうか?
毎月10万円積立、期間10年間、想定運用利回り5%と、手数料が安い分(0.12%)がそのまま想定運用利回りに反映される(5.12%)としてシミュレーションをすると以下のようになった。
こちらが手数料が安くない方で、10年後の積立金額は約1553万円となる。
これに対して、手数料が安い分運用利回りがアップすると想定したケースはこのようになった。
10年後の積立金額は約1563万円であり、その差は10万円とその差は0.6%と1%にも満たない。
期間を倍増して、運用期間を20年で計算した場合には、20年後の積立金額は4110万円と4168万円であり、その差は1.4%である。
もっとも、この差のとらえ方は人それぞれであり、違いはあるという人もいるだろう。また、これは見せ方によっても違ってくる。運用期間を長くすればするほど、当然差は大きくなる。
それでは、アメリカではどうだろうか?
ロボアドバイザー先進国の米国ではとうに、ロボアドバイザーの市場規模は10兆円を超えている。もちろん、業者間の競争によって手数料率は低下し、総じて今の日本の手数料率よりも低くなっている。こちらが、専業大手のベターメント社の手数料である。
驚きなのが、0.25%と0.40%と遥かに日本のよりも低い手数料率になっている。
しかし、手数料が高いPremiumて何だろう?
しかし、気になるのは手数料が2つあって、高い方(0.40%)のはPremiumとなる。この手数料が異なる理由は何か?
人的なサービスが評価されている。
この違いはネット上のロボアドバイザーのサービス以外に、サービスが受けられるということだ。2つ違いがあって、Premiumだと、401(k)という確定拠出年金、不動産、個別株についての運用プランが提供される。また、外部のファイナンシャル・プランナーのアドバイスを好きなだけ受けられる。
ある意味手数料競争は行きつくところまで行って下がってしまったのだが、今では、手数料の安さだけではなく提供されるサービスの厚みが競争の源泉になってきているのだ。
ロボアドバイザーだからといって、ユーザーは人によるアドバイスを回避したいわけではない。不動産、年金、ファイナンシャル・プランニング等においてはまだまだ人に相談したいのだ。実際、業界トップのバンガード社は人によるアドバイスも強みとしている。
このサービス内容の厚み、それは人を介しても構わないので、日本のロボアドバイザー将来にとっても参考となるだろう。